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選択
ギシギシと弓のツルが勇しく軋む。
アモル、ビッグフットのヒヒちゃん、グリフォンのグリちゃんに緊張が走る。
対面している3匹のゴブリンのうち2匹が、今にも弓矢を放たんとばかりにアモル達に狙いを定めていた。
アモルは必死に考えを巡らす。
どうすればいい!?
どうすればいい!?
どうすれば…………!!
答えは出ない。ただ動かずにいる、それしか今はできなかった。
そのとき、
「ギャ、ギャ」
弓矢を構えていない1匹のゴブリンが手招きした、アモルに向けられているようだった。
アモルの瞳が驚きで見開く。
「お、おれ………?」
「ギャ、ギャ」
思わず声に出た戸惑いに、手招きするゴブリンは頷いた、不気味な笑みと声音とともに。真っ赤な舌が顔をのぞかせる。
アモルの喉が鳴る。
ゆっくりと手招きするゴブリンと、その両側には弓を力強く引き身構えた2匹。
あいつらの指示に従わなかったら。
アモルは目線をヒヒちゃんとグリちゃんに向けた。
ヒヒちゃんとグリちゃんは『いくなっ!』と力強い視線でアモルに訴えている。
アモルは………、ヒヒちゃんの両腕から滴る鮮血に顔をしかめた。
「………、ごめん」
アモルは、ゴブリン達の方へゆっくりと歩き出した。




