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第36話 ゴブリン討伐 1

36話目投稿しました!!


 次回も明後日になると思います!


 面白い! 続きが気になる! という人は是非ブックマークお願いします! とても励みになります!

 出発の為に借りた馬車に色々と準備をしていた所、物陰からユリィの師匠が私を手招いているのが見えた。


「すみません、お手洗いに行ってきますね」


 二人に一言言ったあと、ユリィの師匠の元へ向かう。


「どうかしましたか?」


「イッヒッヒッヒ……遂に完成したのさ」


 そう言うと私に小瓶を一つ渡してきた。


「これがあの草で作った薬ですか?」


「そうさぁ……でもあの二人が居たら渡せないからねぇ……。覚えてないだろうが一度お嬢ちゃんはハッセイ草を摂取してしまっている。次摂取してしまえば大変な事になるよ。そんなお嬢ちゃんにハッセイ草で作った薬を渡すかわかるかい? この薬が必要となる日が来るのさ、すぐにね」


「……大変な事とは?」


「それは教えれないね、まぁ死ぬよりかはまっしだろう?」


「そう……ですね。ありがとうございます、大切に使いますね」


「じゃああたしゃ用も済んだからね、依頼頑張るんだよ」


 ユリィの師匠は手を振りその場を後にした。


 必要となる日、直ぐに来るというが良く考えればこの薬の効果も知らない。


 ……来たとしてもそのタイミングに気付かないのでは?


 薬の効果も聞いておくべきだったと反省し、腰のポーチにしまう。


 私は馬車の方へと戻り、準備を始めた。











 聞き慣れたエンジン音と振動で目を覚ます。


 睡眠不足か? 運転中で一瞬意識を失っていた。


 流石に少し休憩を挟みたいな、どこかで止まるか?


 そんな事を考えながら走行していると、



 ふらっと道路に女の子が現れた。



 不味い!! 俺はブレーキを踏み込む。


 しかし俺が踏み込んだのはあろう事かアクセルだった。


 ドンッ! 激しい衝撃がトラック全体に響く。


 スリップしながらなんとかトラックが停止する。


 俺は直ぐにトラックから降りて彼女に駆け寄る。


 腕はひしゃげ、脚もあらぬ方向に向いており地面は雨もあって血溜まりが広がっている。


「おい!! しっかりしろ!!」


 俺は彼女の肩を揺さぶる。


 目に光は無く呼吸も無い。

  

 素人目で見ても分かる、彼女は死んでいる。


 そして、俺は彼女を殺した。


「嘘だ……そんな、お願いだ、起きてくれよ」


 反応は無い。


 これから起こるであろう自分の未来を想像して絶望する。


 もう一度、ちゃんと死んでしまっているのか確認する為に手を伸ばす。


 彼女の肌に触れようとしたその時、


 ガシッ


 血塗れの手で俺の腕を掴んだ。


「ひっ」


 手を振払おうとして力を込めるもとんでもない力で握られており動かす事が出来ない。


 彼女は掴んだ腕を起点として上半身を起こし、顔を近付ける。


「今、何を考えていたの? もしかして自分の事? 救急車は呼ばないの?」


「は、っはなせ」


 ミシミシと俺の腕から音が鳴る。


「ねぇ? この後、私を殺してしまった、罪滅ぼしをしたいって言って、結局は自分が楽になりたいから死んだんでしょ? それってどうなの? 渡りに船で、今勇者としての私を助けてるのも仕方なくって感じじゃないの?」


「違う!! そんな訳では!」


「じゃあ何故そんなに偉そうに私の側にいるの? 本当に申し訳無いと思ってるのだったら、私が貴方の前世を知らなくても、地面に頭を擦りつけて私の靴を舐めて奴隷の様に振る舞うのが正しいのでは?」


 ……何も違わなく無い、目の前にいる彼女の言っている事は正しい。


 自分の為、楽になりたいから、罪を償うってのはそうではないだろう?


 結局俺は逃げているだけだ、罪から。


「でも仕方ないだろう!! 自分の事を第一に考えてなにが悪い!?」


「悪く無いよ、それが普通だよ。でも、それじゃあ私とはわかり合えない」


 そういった後、右腕が勝手に動くのを感じ右腕を見る。いつの間にか右手に握っており、抵抗する間もなく自分で自分の喉を刺し貫いた。





「……夢か」


 目を覚ますとそこは馬車の中、目の前にはぽかんとした顔をするユリィと、


「デルシオンさん?」


 隣には心配そうにこちらを見る勇者の姿があった。


「随分とうなされていましたよ? 大丈夫ですか?」


「あぁ……大丈夫だ。昔から乗り物が苦手でな」


 正確に言えば事故を起こしてからだろうか。


 乗り物特有の揺れが今では先程の様な悪夢を引き起こしてしまう。


「あまり無理をしないで下さいね? どうします? 一度停めてもらいますか?」 


「もう少しで着くのだろう? 着いたら少しだけ休ましてもらうから大丈夫だ」


「わかりました……そうだ! どうぞ、ここで寝て下さい」


 そう言って彼女は正座をし、膝をポンポンと叩く。


「……遠慮しておく、目の前の子が怖い顔でこっちを見てるからな」


 釘を打つかのように俺をジッと見つめている。


「フンッ」


 ユリィは俺が断った後、そっぽを向いた。


「そうですか……」


 勇者は少し残念そうに呟く。


 俺を思っての事だろうが流石に無意識が過ぎるのでは無いか?


 高校生活はどのように送っていたのだろうか……



「そろそろ到着しやすよ」


 御者が俺達に声をかける。


 さて、何事もなく済めば良いのだが……



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