第22話 土葬屋 4
22話目投稿しました!!
23話も明日か明後日のどちらかになると思います!!
「なるほど……そんな恐ろしい相手だったとは……」
各パーティーの主要人にアラクネイヤの説明と推測を伝えた。
「不味いな……計画が崩れそうだ」
「? 何かあったのか?」
「いや、それがだな、君達が来る前にランク2の冒険者集団がこのキャンプに来てね。私達の制止を振り切って森の中に入って行ったんだ。時間も時間だったから明日の朝から捜索に向かおうと考えていたんだが……もし推測通りだとしたら大変だ」
ランク2冒険者集団?
もしやあの広間で集まっていたアイツらか?
「リーダーはデイニスって奴か?」
「あぁそうだ。つい最近サウストから来た冒険者だな」
「そりゃまた大変なことで、まぁそろそろお暇するよ。連れを待たすのもあれだしな」
俺はテントから出て二人を探す、しかし、
「おっかしいな、どこほっつき歩いてんだ?」
キャンプ地を一回りしてみたがどこにも見当たらない。
「お、おい!! アンタか!? ランク1冒険者パーティーの連れは!!」
「多分俺だがそれがどうかしたのか?」
「アンタの連れ、すっごいスピードで森の中に入っていったぞ!! 止める暇もなかった!」
は? 森に入った? なんで?
「わかった、シロイエにデルシオンが連れを探しに森に入ると連絡してくれ」
「ちょちょちょ! まて!!」
俺は彼の制止を振り切り森に入る。
探すのは至難の業だが、一つ方法がある。
俺はある程度進んだ後、強化魔法を使う。
目をつぶり聴覚を研ぎ澄ます。
木々が擦れる音、虫のさざめき、違う、そのもっと奥だ、聞き分けろ。その中にある人間の呼吸を、足音を。
荒い呼吸、弱々しい足音が二人分。
見つけたぞ、俺は強化魔法の残りの時間をフルに使うようにそこまで一気に駆け抜ける。
そして開けた場所に出た。
そこは大量の蜘蛛の巣が張られており、奥には木に凭れかかりぐったりと気絶しているデイニスと、そのデイニスを庇う様に前に立ち、折れた細剣を構えるエスカトスと呼ばれた白髪の女の子がいた。
そんな女の子に近付く巨大な真っ白な蜘蛛が一体。
人間の上半身が蜘蛛の上にくっついており、コイツがアラクネイヤだと分かる。
だが、こいつはでか過ぎる。
俺を大剣を引き抜き、前脚の関節部分をぶった斬る。
「貴方は!?」
「話は後だ!! まだ戦えるか?」
「もう魔力が底をついています、それに剣もこのざまです」
「わかった、ここから離れるなよ。俺がコイツを倒す」
目の前の怪物は忌々しそうに俺を睨みつける。
「キサマァ!! ジャマヲスルナァ!! マオウグンシテンノウニサカラウトイウノカァ!?」
「へぇ、お前が四天王の一人か、大した事ねぇな」
「ユルサナイィ!!」
腕をこちらに向けると、その手の周囲には土の大きな塊が形成され、小さなつぶてが回転し、飛んでくる。
だが、脅威ではない。
身体を隠すように、大剣を構えて突っ込む。
大剣につぶてが雨のように当たる感触があるがそんな攻撃でこの大剣は折れない。
「ソノツルギゴトツラヌイテヤル!!」
周囲に大量の土の塊が形成され、その塊が槍のように変化しこちらへと飛んでくる。
3回目の強化魔法を使い、その槍たちを左右に動き、難なく回避し、蜘蛛の脚下に滑り込みながら大剣を大薙に振る。
残り全ての脚の関節を切断し蜘蛛は地面に崩れ落ちる。
「キサマァ!!」
そのまま振り返りざまに大剣を横に振るう。
「ガハァッ!」
人間の上半身の部分が蜘蛛と別れて地に落ちる。
蜘蛛の身体と人間の身体がボロボロと崩れていき、残ったのはただの土塊だった。
大剣に付いた血と土を払い鞘に収める。
「大丈夫か?」
「はい、何とか無事です」
「それは良かった。色々と聞きたい事があるがまず俺の連れは見なかったか?」
俺は彼女に訊ねる。
「いえ、見ていないです」
見ていないのか……
「そうか。次にお前の主人が連れていた冒険者達、どうした?」
「それは……」
「……それについては僕が話そう」
デイニスが目を覚まし、俺の問に答えた。
「デイニス様!! 良かった……」
彼女は彼が目を覚ました事に安堵したのか地面にへたりこんだ。
「心配かけたなエスカトス。お前、助けてくれたのか? 感謝する」
「感謝は要らない。デイニス、お前の連れていた冒険者達はどうした? はぐれでもしたか?」
「全滅した」
「は? 全滅だと?」
彼は事の経緯を、ぽつりぽつりと語り始めた。




