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第18話 天才?

18話目投稿しました!!


19話目はどうでしょうか……4連休中に3話は投稿したいと考えてますのでよろしくお願いします!!

「アラクネイヤねぇ……」


 あの後、私達は一度ギルドへと戻り、先程あった事を説明した。


「これよ、この付近に出る魔獣をまとめた資料」


 マスターに一冊の分厚い本を渡される。


 中身をペラペラとめくって見るとアラクネイヤのページを見つける。



 アラクネイヤ


 身体の一部が人間の体に似せて進化させた蜘蛛。その部位を餌にし、魔獣や人間などをすに誘い込む。


 ランク2の冒険者なら倒せる程度の力。


 成長すると身体の色が黒くなり、表皮が硬くなる為刃が通らなくなる。しかし反対に魔法には弱くなる。


 生まれたばかりは真っ白な表皮をしており群れで行動している。


 成体の大きさは成人男性とほぼ同じサイズ


 幼体は指の第一関節程度。




 なるほど、幼体の姿は裏路地でみた姿と一致する。



「アラクネイヤ、どうやって生まれるんだ? この本にはどこにも載ってねぇ」


「それが不明なんだよ。気付いたら繁殖してるってんで、一度調査してみたんだけど結局分からずじまいだったし」


「なんだそりゃ、謎ばっかじゃねえか。これじゃあ対策のしようがないぞ」


 デルシオンさんは頭を抱えている。


「で、その男はこれが地獄の正体って言って死んだらしいじゃないか。身体の中から蜘蛛が這い出て、うーん、想像したくないね、もしや人間の体内で繁殖してたりして」


「ヒッ……想像したくないわ、キモイキモイ」


 マスターの恐ろしい発言にユリィさんは両腕をさすり震え、


「……アンタら、ホントにいくの? いくら天才魔法使いのアタシでも限度ってものがあるわよ?」


「行くしかないだろう、この情報を迷いの森の調査している奴らに共有しないと全員情報無しで挑む事になる」


「うぅ……どうしてこうなるの……アンタはどうなのへっぽこ勇者? 辞めときなさいよ」


「私も賛成です、私達のこの判断が多くの冒険者の生死に関わるものになる筈です」


 彼女の問に即座に答える。


 当たり前だ、もし私達がここで報告しにいかなければ誰が報告しに行くと言うのだろう。


 それに──


「ユリィさん、貴方が居てくれれば心強いです」


 彼女はランク3だ、それに裏路地でみた魔法、炎をあのように操作できるなんて、とても優秀な魔法使いなのだろう。


「グッ……、そんな目でアタシを見ないで……」


「まぁ、迷いの森手前で冒険者がキャンプ地として調査しているから森に入る事なんてないと思うよ。安心なよユリィちゃん」


「マスターまで……でもそれなら大丈夫……かな?」


「よし! じゃあ向かうか!」


 彼の声と共に立ち上がり私達はギルドを後にする。


「森には入らないように! 気を付けて行ってくるんだよ!」


 マスターの声に見送られながら森へと向かった。





 イーストの門をくぐり森へと向かう道中、夕日が私達にもうすぐ夜になるという事を告げる。


「そろそろだな」


 遠目からだが、キャンプ地と思われる場所を見つけたので少しペースをあげて向かう。


 到着すると沢山の冒険者が剣の手入れやご飯を食べていたりしている。


 そして、キャンプ地の中心で数人の冒険者が机を囲って地図をみて話し合っている。


「すまない、ギルドから情報提供しに来たのだが」


「ギルドから? 協力感謝する、俺はシロイエ、ランク3冒険者でここの指揮を行っている」


「俺はデルシオン、駆け出し冒険者だ。そっちの子はアセビ、二人でパーティーを組んでいる」


「ちょっと! アタシは!?」


「ん? 誰かと思えばユリィちゃんか、すまないが人手が足りないんだ手伝ってくれないか?」


「嫌よ! なんで危ないとわかってて手伝わないといけないのよ」


「まぁその話は置いておいてくれ。シロイエ、情報を話したい」


「わかったよ、それでまず聞きたいのだが─」


 デルシオンさんはシロイエさんとその他の人に、情報を話しに行った。


 私達二人はここで大人しく待っておこう。


 ユリィさんになにか話しかけようかと思った時、

 

「あれぇ? そこに居るのは落ちこぼれ落第生のユリィじゃないか。どうしてこんな所にいるんだ?」


 振り返るとそこにはユリィさん同様ローブを羽織っている高身長の男がいた。


「……アルギネス、なんのようかしら?」


「おいおい、よくそんな態度を取れるなぁ? 学院では根暗でオドオドしてたお前がなぁ、偉くなったなぁ?」


「ッ……」


「まぁいいや。で? 今度はその後ろの子を騙してるってわけだ?」


「……やめなさいよ」


「良く聞いとけよ? こいつはなぁ、ろくに魔法の出力を操ったり、知識もねぇ」


「……やめてよ」


「こいつはとんだ役立たずだよ、自分をよく見せようと必死な子供、悪い事は言わねぇ、そんなやつとパーティー組むくらいなら俺らと一緒に組もうぜ?」


 ユリィさんが背を向けて別の方向へと走っていった。


 何なんだこの目の前の男は、


「貴方、人を貶めて何になるんですか? 最低ですね」


 文句の一つを相手にこぼした後、ユリィさんの後を追う。


 テントを曲がったのが見えて後を追ったがその先には誰もおらず、あるのは暗く、そして深い、迷いの森だけだった。




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