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決戦! 魔王城

作者: 秋乃 透歌

勇者:ボケ。

魔王:ツッコミ。


==========


勇者「魔王! この世界の平和のために、お前を倒す!」


魔王「ふはははは。勇者よ。こうして私の前にたどり着いたことは褒めてやろう」


勇者「なんだと!?」


魔王「苦難の旅を続け、暗黒の竜が守る洞窟の奥から、私を唯一傷つけることのできる伝説の剣『ラストソード』を手に入れるとは、さすがは伝説の勇者だな」


勇者「伝説の剣!? ラストソード!?」


魔王「なんだ? まさか持っていないのか?」


勇者「あー、伝説の剣。伝説の剣ね。そうそう、これね。これ、決して最初の村で10ゴールドで売ってた鉄の剣を大事に使っている訳じゃないからね」


魔王「ケチか!? 倹約家か? やりくり上手なのか!?」


勇者「くっ……」


魔王「まあ良い。それはさておき、世界に108個存在する全ての魔法を覚えた者だけが得られる、伝説の魔法『オール・エレメンツ・ライジング』を習得するとは、さすがは伝説の勇者だな」


勇者「伝説の魔法!? ら、ライジング!?」


魔王「なんだ? まさか、その魔法も使えないのか?」


勇者「あー、その魔法というか、使えるというか使えないというか……。いや、俺の使える魔法は、(小声で)……個だけだから」


魔王「え? 何個?」


勇者「…個」


魔王「大きな声で!」


勇者「1個!」


魔王「素人か!? 初心者さんですか!? そんな状態でここまで来るなよ! むしろビギナーズラックがあるかもね!」


勇者「くっ……。微妙にフォローされている」


魔王「わかった。じゃあレベル。レベルくらいは高いでしょ。魔王を倒そうとする伝説の勇者だから。少なくてもレベル90……いや75……やっぱり50で良い! レベル50まで鍛えて来るとは、さすがは伝説の勇者だな」


勇者「おう、俺のレベルは50だ!」


魔王「よっしゃ! いえーい!(二人でハイタッチ)」


勇者「でも、四捨五入してレベル50!」


魔王「良い! もうそれで良い! 許す!」


勇者「では行くぞ、魔王!」


魔王「止めといた方が良いんちゃうかなぁ」


勇者「この10ゴールドの鉄の剣『名刀邪竜殺(じゃりゅうごろ)し』を受けてみよ!」


魔王「お、なんか鉄の剣の名前かっこいい!」


勇者「俺の村に(いにしえ)より伝わる伝説の魔法、究極身体強化魔法『バニシング・エレメント・リ・バース』!」


魔王「おお、なんかすごい魔法使えた!」


勇者「俺の力の全てを込めて、必殺! 鬼神滅殺斬魔剣きしんめっさつざんまけん!」


魔王「おおお、なんかすごい技使えた!」


勇者「うおおおおおおおっ!」


魔王「来い! おおおおおおっ!」




魔王「(はじかれる音、軽く)カーン」


二人同時に「弱いんかい!」


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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです! 最後ワンチャンあるかと思いきや……。
2022/05/12 17:53 退会済み
管理
[良い点] 雰囲気が好きです。 ブクマ(非表示)、星5、付けておきました。 [一言] たまには変わったものが書きたくなるものですよね(^^) 秋乃さんはハイファンタジーが舞台のミステリーを書く予定は…
[良い点] ボケが本当にボケているのか、ツッコミが本当にツッコんでいるのか、よくわからない二人のゆるい関係が面白いです。
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