パワポケの名言
今回はゲーム。
たかがゲームと言って侮るべからず。
ハマりまくったゲームシリーズ。パワプロクンポケット……縮めてパワポケ。
野球がメインのはずが、いつの間にかオカルトだのファンタジー、秘密結社の暗躍のストーリーと、彼女後略がメインのノベルゲームor活劇+ギャルゲー……。
野球はオマケに成った不思議なゲームである。(MGSと言い、あの頃のコナミは何処に逝ってしまった)
・『やりもしないうちに諦めるな!
才能なんてものは、人生が全部終わった後で初めてわかるものなんだ!』【パワポケ1:主人公】
やってみなければ、わからないものもあるわな。たいてい後悔するんだけど……。
後悔しないために、私は歴史を学んだり、人の体験を聞いたりしてる。
・『神か…。心の弱い者には必要な幻だね。』【水原】
この水原という人物、科学者です。
科学は事象と徹底的に向き合い、再現性を模索する行動だから、神というモノに逃げるというのは、彼から見れば幻そのもの……。
そして、それにすがらないと、保てない心の弱い者も居るのは確か……。
・『金の無い時のギャンブルは失敗するものなのですよ。世間知らずのカケル社長。』【曽根村】
この曽根村という人、極めて努力の人で、リアリストなNo.2……秘書的な位置の人。
ボンボンの社長の息子に対しての皮肉。……こういう人が世の中に多く見てとれてしまって、辛いなぁ。
・『戦争じゃあ、人の命が一番安いから、あいつらも軽く見てるんだろうな……
俺たちがいなきゃ戦争なんてできないのに』
人物のプロフィールを失念したので、言葉だけで……。
かつても、今も、上の方々は下の人を軽視する。
・『組織の中ではな。みんながやっているから、平気なのだ。
下のものは命令だから平気で悪い事をやり、上のものは自分がやらないから平気で悪い事を命令する。
おそらく、過去のどんな悪の帝国も組織も、その構成員のほとんどは善良で平凡な連中だったのだろう。』
発言者のプロフィールを忘却しました。……しかし、言葉は印象的。
この原典は、おそらくはハンナ・アレントの思想。アドルフ・オットー・アイヒマンの考察でしょう。
官僚性機構の問題点そのものです。
今も営々と続いております。尤も、民間企業でもよくある話ですが……。ブラック企業とか…ね。
・『自分が思うに、宗教は「すがる」しかできないんですよ。起った事は、あきらめるか受け入れることしかできないんです。
科学は、自分で前進させられるんです。科学は、あきらめることを否定できるんですよ!』
【寺岡薫】
難病に侵され、死を待つばかりの科学者のセリフ。彼女は壊れゆく自身の体を機械に置き換えていき……最後は……。
私は科学者ではないけど、歴史と先人の意思に、自分の意志を乗せて、先人と、この様な人と共に在りたい。あきらめることを否定できる。それこそが希望だと思う。
・『…違うね。確かに姿が変わっただけなら同じ人間だ。
だが、立場と財産と周囲の人間の態度が変われば… もう別の人間なんだ。』【塚本】
この塚本という人物は所謂チンピラ。当人は出来るものではなく、できる人間に寄生する人物。
だけど、だからこそ、人に付け込む人間だからこそ、人が変化する要因をよく理解している。
時を経て久々に会った人を見ると、「この人は変わった」……というのがよくあるけど、変わる要素は確かに、この言葉に上がっている、立場・財産・周囲の人間……これらで変わっているのが、よく分かる。
・『政治家と官僚と銀行員がバカなことと、 自己中な人がやたらと増殖してることとマスコミがくだらないニュースやテレビ番組を毎日バカみたいにタレ流してることとかの、ほんの少しのイヤなことさえ除けば、金さえだせば何でも手に入るすっごくいい国よね?』【秋本彩】
このキャラクターは零細企業の社長令嬢です。シリーズNo.6の彼女候補。
彼女を攻略するにはランダム要素が多すぎて、諦めた人が多数いたそうです。………私もそう。
コレほど国を皮肉って、それが的確なセリフって見たことが無い。
上がバカで世の中は拝金主義。――ってね。
・『世の中ってのはな、弱いものいじめで成り立ってるようなもんだ。そいつを、すねてみても何も変わらん。何もしなけりゃ、状況は永久に変わらず損をするのは弱いヤツなんだ。
それがいやなら、みっともなくてもとりあえずあがいてみなきゃいかんのじゃないか?』
人物は失念しました……。
それにしても、どうしてこのゲーム……全年齢対象でも、一切の手加減なしです。
とことんまで人の世の底を見せつけます。(^_^;)
・『悲劇と絶望なくして希望の種は育たんのだ!』
・『知恵も理性も、むきだしの憎悪と狂気の前にはあまりに無力だ。』
・『…死は絶対だ。安易に打ち消されるようなものであってはならない。』
【ヘルガ】
監獄の作業場で監督官をやっている女性のセリフを並べました。
どこまでも現実に冷徹な人物です。
しかし、希望の種は悲劇と絶望を糧にする……。今の自分には痛いほど分かる言葉です。だからこそ希望でもある。
・正義と慈悲・寛容、善悪、法や道理……などについて(ちと長い)
主人公以下「」で表現
「ねぇ博士、正義や悪ってなんなんでしょう?レッド(主人公達の助っ人)が悪い奴だと思うから野球で勝負して追い出したんです。
でもあいつのおかげでチームは強くなったし甲子園にも行けるようになった。俺のやったことは正義なのか、それとも悪なんでしょうか」
黒野鉄斎以下『』で表現
『ああ、そりゃ簡単なことじゃ。「正義」の反対はなんじゃな?』
「悪じゃないんですか?」
『悪の反対は善、善の反対は悪じゃ。「正義」の反対は、別の「正義」あるいは「慈悲・寛容」なんじゃよ』
「え?」
『正義とは人の従わねばならん道理を言う。「正義を行う」となれば道理を守らせる、ということにもなる。』
「それはいいことなんですか?」
『もちろん、必要なことじゃよ。問題は道理が一つでないことじゃ。
「殺すな、奪うな」までは、ほとんどの思想で共通じゃがな、その先はバラバラじゃ。
「男女は平等」かもしれんし、「女性は守るべきもの」かもしれん。
「どんな命令えも忠実」が正義なら「悪い命令に逆らう」のもまた正義……』
「じゃあ、なにが正しいんですか?」
『みんな正しいんじゃよ。道理に関する限り、正しい事は一つと限らないんじゃ。』
「でも、それじゃ困りますよ。なにが正しいのかわからない!」
『だから「法」がある。なにをしてはいかんかの約束じゃ。…コレも正しいとは限らんがね。
じゃから、結局のところはその時々で何が正しいのかよく考える必要があるじゃろうな。
結局のところ、みんなにとって最も良いことを探して選択するのが”善”なんじゃろう。じゃから、正義が善とは限らん。
ともすれば、自分の信じる道理を他人に押し付けることになるからな』
「……よくわかりません」
『じゃあ、最初の質問に戻ろう。やらなきゃならんと思ったからやったんじゃろう?
本当にそれが正しかったのか、最善のやり方だったのか、ときどき反省してみるんじゃな。
いずれ、自分で納得できる時が来る』
「……はぁ。じゃあ、悪って何なんです?」
『一般的な定義から言うと、世の中のルールを破って他に迷惑をかける行為じゃな』
「でも、博士は”悪”なんですよね?どうしてわざわざそんなものをやってるんですか?」
『わははは、一般的と言ったじゃろ?ワシにとって、悪はロマンなんじゃよ。ロマン。
わかるか?ルールにとらわれないことじゃ!
希望、生命力、突破点、新しいもの。幸せになりたいという欲望!
昔は、”科学”も”自由”も”人権”も”平等”もみーんな”世の中の平和をみだす悪”じゃったんじゃよ』
「まさか!」
『なーに、ちょこっと歴史の本を読めばわかることじゃよそれじゃあな、少年!若いうちは悩んでおけよ!』
【主人公と黒野鉄斎】
悪の科学者と、シリーズナンバー7の主人公(野球少年)の会話。
この流れ、私は大好きです。
有意と無為のせめぎ合い。正義に反するものは慈悲・寛容。善と悪。そして調整するための法。
学べば学ぶほど、私はこの言葉が原点になっているのを自覚していっています。
ドラマとかで描かれる"悪"とは人の弱みや善意に付け込む、人を囲い込む……そんな"悪"。
けれど、ココで悪の科学者が目指す"悪"とは、周囲を振り切り、希望を目指すためのもの。――だから、"悪"とはロマンと言っている。
多分私が書いているのも、悪はロマンという言葉が根底にあるんだと思っている。
・『………人は忘れるから生きていけるんでやんすよ。
苦しいことや悲しいことを全部覚えていたんじゃ辛くて仕方ないでやんすよ。』【湯田】
シリーズナンバー8の相棒の言葉です。
再会を約束した彼女が帰ってこないことに気落ちする主人公を見かねたことからのセリフです。
『人は忘れるから生きていける』(´;ω;`)ブワッ
・『誰もがアンタみたいに強いわけじゃない…ずっと正しくなんて生きられない人の方が多いんだ。』【広川武美】
シリーズナンバー9の彼女候補のセリフ。
人は弱い。……男である、女である……関係ない。金が尽きれば金を得るため何でもするだろうし、我が子と他人の子……優先するなら自分の子……コレは当然だ。
・『フン、普通選挙制など人類最大の失敗制度のひとつなのだ。 知識も責任感も乏しい人間に広く投票権など与えれば、結局は多数決で愚かな選択しかできなくなってしまうだけだ。
知っているか、(主人公の名前)!歴史的に悪名高い独裁者の大半は民主的な投票によって選ばれたのだ。』
【神条紫杏】
シリーズナンバー10の彼女候補の1人。
彼女は政治家の娘。後に独裁者となる素質を持つ少女。
普通選挙、民主政治など……と言い切ってしまう。あまりに憐憫な思想。
ただ、現在・現実を見ると、否定できないのが恐ろしくも、悲しい。
・『人間は愛を尊いものだと勘違いするから、世の中の悲劇の半分が生まれる。残りの半分は偶然と判断ミス、それと想像力の欠如から。
だから、悲劇がゼロにならん。……悲しいことだな。』
上に同じ人物の発言。このゲームのスタッフはプレイヤーに手加減してくれません。どこまでも徹底的に現実を見せつけます。
全年齢対象?性描写っぽいのもたまにあるし、CERO――A?
それにしても、世の中の運営者をとことんまで批判する反骨のゲーム。
・『このせかいは、つまんない。まじめな人がバカを見て わるいやつらがのさばってる。
だから、あたしがなんとかしなくちゃ。』
【幼少期の神条紫杏】
数多の屍を積み上げた所業を行う素質を持つ少女。
その道行きの始まりは……誰よりも純粋で、誰よりも優しくて、誰よりも尊かった。
・『大人はな、孤独でいいんだよ。
理解できない考え方や価値観が世の中には山ほどあって、それをお互いに尊重していればいい。
てめえの価値観を押し付けるな。』【椿】
工作員という設定の人物の言葉。
多分、「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」というヴォルテールの言葉からインスピレーションを得たものだと思う。
頑固な私は、たまに押し付けがましいところがあるから、肝に銘じてる。
・『ネットで調べた知識を得意げにぺらぺらしゃべるなんて、私、なんだか薄っぺらい人間ね。ちょっと反省するわ。』【木村冴花】
シリーズナンバー13の彼女候補のセリフ。
うん……そうね。人の受け売りをペラペラって……薄っぺらいね。OTZ
特に気に入っているモノをまとめてみたけど、この頃のコナミのゲームは、パワポケ然り、MGSもそうだけど、どこまでも現実の理不尽さ、やるせなさを描き、それに立ち向かう。戦う。向き合う。
それを描いて前に進むという内容が多かった。
今のゲームには、あまり触れていないからなんとも言えないが、そういうモノはあまり見かけなくなってしまったように思えて悲しい。