表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンゾンビ☆ゴステトラ  作者: たぷから
2/74

第1章 1-1 ゴステトラ

 第一章

 

 1


 「ちょっと、ゾン!? いつまでぼーっとしてんの!?」


 また。

 またあたしの守護闘霊(ゴステトラ)がそっぽむいてる。

 なんで!?


 ふつう、ゴステトラってのは守護霊も兼ねるんだから、みんなもっと強い先祖の霊とか、その土地の妖精とか、滅多にないけど歴史上のすごい人とか、もっとすごいのは大昔の神様や神獣がゴステトラになってる人もいるってのに!


 なんであたしだけ () () () () () なのかな!?

 しかもドラゴンゾンビ!!

 ゾンビのゴーストって、ありなの!?

 ぜんっぜん意味わかんない。だっれもなんでなのか教えてくんないし!

 ガマンの限界に近い!!

 近い! 近い! 近いったらちかああーい!!


 「ゾン!」

 「…………」

 「ゾンったら!!」

 「…………」

 「いいかげんにしろ!! いったい、なにやってんの!?」


 「……あ?」


 やっとこっち向きやがった!

 「あ? じゃないって!」

 「ああ……」

 「だから、なにやってんの!?」

 「自己紹介」

 「は!?」


 あーもうダメ。こいつにつきあってたら死んじゃう。マジで。だってもう目の前に土蜘蛛がいるんだから!! こいつらを退治すのがあたしたち狩り蜂の仕事で義務なのに! 肝心のゴステトラがこいつじゃまともな仕事なんて絶、対! ム・リ!


 あたしは死ぬ(・・・・・・)!!


 「わけわかんないこと云ってないで、とっとと動きなさいって!!」

 もう、眼が出そう。血管切れそう。この若さで脳卒中になりそう。


 「そうだな」

 「う……」


 ああ、やっとゾンが動き出した。これであたしも、少しは落ち着いていられる。なんだかんだ云って、ゾンは相当強い。そこらのザコ土蜘蛛じゃ、相手にもならない。


 動けば、だけど。


 ふだんは竜人というのか、人と竜の中間のような姿をしている。ごっついドラゴンの顔に、ふっとい腕や脚があって、身長も三メートルくらいある。尻尾もワニより大きいし……怪物だ。


 しかも、ゾンビだから半分以上、腐ってる……。ところどころ骨が見えてるし、赤黒く腐った血がにじんで、グズグズに肉が崩れてるところもある。目も、両方ともキモく白濁してる。


 でも、ゴーストだから臭くない。見た目はキモイけど。これで本当にゾンビだったら、卒倒する。


 そのゾンが、ゆっくりと歩くたびにティラノサウルスみたいな姿へ変身する。こっちが本当の姿。


 さいしょ、ドラゴンってホントにこんなかっこうしてるんだ、と思った。ゲームやアニメと同じだし。首が長くて、尻尾も長い。大きな角が七本くらいある。ヒゲみたいなものも生えてる。いや、たてがみなのかな……。わかんない。


 その口には、なんでもかみ砕きそうな太い牙がびっしりと並んでる。あれは、肉を引き裂く牙じゃなくて、骨を咬み砕く牙だ……。全身は刺だらけの厚い鱗に何重にもおおわれていて、背中にも背びれというか、幾重にも重なった刺がある。まるで、アニメの重戦士の鎧。


 手足には、鋼鉄も紙みたいに引き裂かんばかりの大きな爪がついている。みっしりと全身に筋肉がもりあがって、とんでもないパワーを秘めているのがわかる。身体の長さは、通学電車以上。二十メートルくらいあるんじゃないかな……。こんなの、怪物を通り越して怪獣だよ。


 なにより、そのでっかい翼。背中というより、肩口からコウモリに似た翼がある。腕も脚もあるから、それとは別に羽があるということになる。完全に、こっちの世界の生き物じゃない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ