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TS転移したからバイクで世界を見て回ろうと思う  作者: ソイラテ旨すぎだと思う人
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act4 世界の景色

もう頼るしかない、この万能エルフ様に。




「もう手詰まりなんで、まじでお願いしますナッツさん…」



「ああ、喜んで。こんな良い物まで貰ってしまったからね。」

とバイクに触れるナッツ。




「そうだ、君はというか誰でも心を読まれるのは嫌か、フフフ。これを渡しておくよ。」

ナッツから青い石と紫の石がついたネックレスを渡される。

「なんすかこれ、オシャレでもしろってことですか?」




「その青を付けると思考を読めなくなる、紫が私と意思を伝え合う事が出来る。」




読まれなくなるのはありがたい、伝え合うって事は一種のテレパシーみたいな物か

便利だな。着けておこう。




「ふむ、似合うじゃないか。あとは服だな。一応そのままでも悪くはないけど目立つから、他に着れる物はないかね?」




身長はあまり変わってないけど服自体はかなりダボダボになってる。

全身革ジャンで結構いい値段をしたのだがな…




「服といってもTシャツとかその辺しかないっすね…サイズもこの体の前だから、たぶん全部一緒になりますねこれ。」




「仕方ないか、私の替えの服を着ると良い。」

あれちょっと待て、俺ブラジャーとか着けたことないしやばくねーかなこれ



「ああ、大丈夫だよ。先が出ないような加工はしてある。それと胸が垂れる事はないよ。私も着けてないから問題ない。」




「そうっすか…」

まぁ初着替えだから色々と変わってしまった俺の体を見ることになるんだが、仕方ないか。そこは割合しよう、ナッツの目もあることだしな。






「そんなものだろう、スカートは諦めてくれ。私はパンツ愛好家なので悪いが予備のそれしか渡せない」

白のハーフトップシャツに緑色のスカートだ。着心地はそこまで悪くはないな。

でも腰がすげースースーする、恥ずかしい。




「俺の身を案じて言ってくれた訳だし、文句は言えないっすよ。」


「それと口調もどうにかした方がいいな。私と話す分は良いと思うがね。」


「あー、たぶんそれについては問題ないっすわ。得意なんで。」




趣味のネトゲでロールプレイをしてただけあって恐らく行けるはず。


「ならいいが、一先ずこの森から街道へ出よう。歩いてすぐだよ。」






荷物を片付けて、ナッツとバイクを引いて街道へ出る。




「そういえば、魔物とかっているんすか?」


「いるよ、この辺りだとゴブリンがよく見るね。街道へはあまり出現しないが、森の中は遭遇したりする。私なら赤子の手を捻るくらいだが君にとっては脅威だろう。」




「先言って欲しかったっすねそれ…」

もし襲われていたら完全にやられてたな…。




「あ、ゴブリンの繁殖は他種族との交尾で増えるから、もし君が私に出会わなかったら」




「あーやめてやめて怖いからまじやめて!」




異世界やべーよ、怖すぎるよ。帰りたい、社畜でいいから帰りたい。




「と、話してる間に街道だ」




目の前には広大な草原長く続く平坦な道、月明りが草木を照らし地平線も見える。








目を奪われた。


夜空に輝く星々。風に揺れる草木。虫の声。大地を照らす月明かり。










「感動で言葉が出ないっていうのはこの事なんだろうな…」














「世界は汚れている、だが思う心一つで世界は美しく見える」

ナッツが囁く。
















「俺、こいつに乗ってから世界が変わったんだ。当たり前の生活。

当たり前の世の中、複雑な人間関係。その生活でちっぽけな人生を送るんだろうな。ってずっと思った。

最初は慣れなくて怖かったけど、なんて言うんかな、直に感じる風。地面を走る体感、普段見ない景色。全部がダイレクトに伝わってきて何か感動したんだ。

嫌な事もこいつに乗ると忘れられる。だから相棒なんだこいつは。」




「君の世界を見た事はないが、それはそれで良い体験をしたんじゃないかな。

私は長生きをしてきたから、それが少し薄れているのかもしれないね。

君という面白い人物に会えたのが今日の良い出来事だよ。」


と言い、ナッツが空を見上げる。






思い耽るナッツは綺麗に見えた。顔も美人だし、男だったら惚れてるなこれ。

とニヤける顔を我慢して、質問する。




「ナッツさん、ここで寝るのか?」




「ここでは寝ないよ、もう少し先へ向かうと宿屋がある、そこへ向かおう」




後ろを見ると微かに光が見える、恐らくそこだろう。




「了解、んじゃ行きますか」




「初陣だな、よろしく頼むよ相棒さん」




ナッツがバイクのタンクを軽く二回叩く。




そして二人で走り出す。




砂地で滑るのを危惧していたが、まるでアスファルトの上を走っているかのような感じでタイヤの食いつきが良い。これも異世界効果っぽい。




ヘルメット?そんな物は無くなっていた。友人にあげる予定で入れてたゴーグルがあって助かったな。

ナッツの方はお得意の魔法でなんともなるらしい。うん、羨ましい。




(楽しい物だ、何か気を付ける所はあるかい?)

脳内で声が響く。これがさっき言ってた意思を伝えるって奴か。どうやるんだっけな…。




(君が思っている事を私に届くように念じるだけだ。難しい物ではないよ)

(こうっすか?)

(うむ、それだけで伝わるよ。それで、何か注意点とはあるかい?)




少し前に一通りレクチャーはしたが、バイクの運転に関する注意点を伝えた。




(あ、それと話しは変わるんですけど、俺いきなり口調変えるんで笑わないでくださいね)

(了解した。さぁ、もう目の前だ。宿の正面隣に停めよう)

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