act19
お待たせしました!今回は視点がころころ変わってしまってます。読みにくかったらごめんなさいorz
誤字や、あれ?って思うところあったら是非ご指摘くださると助かります!
「あれ?ここは…?」
気づくと何故か檻の中にいた。着ていた服は白い薄地の服に変わっていて、手足に鉄枷もしてあり動かそうとしてもまったく動く気配がない。檻の外には山賊っぽいような男が三人俺を凝視してニヤニヤしたり、舌なめずりしている奴もいる。
「いい獲物だったな!寝込みを襲えたのがよかったぜ!」
「こりゃ上玉だな!良い値段で売れそうだぜ!」
テントで寝てただけなのになぜこんなことになってるんだ…。ナッツもアルガもバトロも誰もいない。
「売っぱらっちまう前に味見くらいいいよな!?」
「ばっかおめぇ、傷つけたら値が落ちるだろうが。」
「だけどこんな上玉中々お目にかかれねーぞ。」
「ま、少しくらいならいいんじゃねぇか?」
やれやれとした顔をしながらリーダー風の男が言ったのを確認したのか、一人の男が檻の間から手が伸びてきて体を触ろうとして、舌なめずりしながらドンドン手が近づいてくる。
身動きが取れないまま色々されるのかと思うと、心の底から怖くなった。
「やめろ!やめてくれ!」
「うわあああああああああああああ!」
「どうした!?」
アルガがテントのジッパーを開けて入ってきていたようだ。
「ちょ!なんで入ってきてるんですか!?」
「いや、急に叫び声が聞こえたから何かあったのかと思ってな…。」
胸糞悪い夢だった。完全にあれはエロ展開に陥っていたな…。尋常じゃない恐怖感だったわ、あれが正夢にならないように用心しよう。
「変な夢見ただけですよ。もう大丈夫です。」
「そうか、ただ場所が悪かったな…。下手したら敵に位置がバレてもおかしくない。場所を移動した方がいいかもしれないな。リスキルド国にはグリダマリスっていう殺人組織があるんだけど、今回はそいつらも動いてるって話なんだ。」
「なんですか?その集団。」
「俺も見たことは無いんだよね。ただ顔を見たら絶対に生きて帰れないっていう話を聞いた事があるんだ。」
「ぐああああああああ!」
「今の声はバトロか!?くそ!もう来やがったのか!?ミズキちゃんここで待ってて!」
アルガはそう言い残して走って行った。
(ミズキ君今すぐにそこから出てくれ。敵襲だ。)
(わ、わかった。)
俺がテントから出るとまだ夜中だった。見ると木の辺りでバトロが横たわっていて、アルガが背負っていた大剣で全身鎧の男と戦っているのが見えた。
◇アルガ視点◆
ミズキちゃんのテントから出てバトロが倒れている場所に向かう。
「バトロ大丈夫か!?っく!」
駆けつけようとすると横から剣で斬りつけられたので腰に下げていた予備の剣で受けたが、一回攻撃を受けただけで剣が折れて弾き飛ばされた。幸い体は無傷のようだが、俺を弾き飛ばしたこの男とてつもない殺気だ。立ち上がって鎧男を睨めつけるが、足が一歩も動かない。スキルなのかわからないが、見ただけでわかる。こいつは一人で戦って勝てるような奴じゃない。ゆっくりとこっちに歩いてくる姿はまるで死神のようだ。
「くそ!動け動けえええ!」
活を入れて背中の愛剣ツヴァイハンダーを抜き一太刀交えるが、力でごり押しされそうになり、慌てて後ろにステップをして下がる。
「バケモンかよ…まだ手が震えてやがる…。」
戦技も使わずに一太刀だけで手が痺れているが泣き言を言っている暇はない。どうにかしてバトロをまず救出しねーと。幸い走ってこっちに来るわけじゃない。次の攻撃を受け流してバトロの所へ走るしかないな。
鎧男がまたこっちに向かって歩いて来るので、今度がこちらから攻める。
「うおおおおおおおおお! 戦技{カーターストローク}」
剣を思い切り振り上げ相手を吹き飛ばす技だ。鎧男の上段斬りに合わせてそのまま斬り抜けバトロの所へ走った。右腕辺りに矢が4本も刺さっていたのですぐに引き抜きヒールボトルを飲ませる。意識が戻ってきたので後ろを見ると鎧男は微動だにせずまたこっちに向かって歩いて来た。
「バトロ…、やれるか…?」
「正直勝てる見込みがない…がやるしかないだろ?」
バトロがフっと笑うと剣を取り構えた。
「「さぁ!来るなら来い!」」
◆ナッツ視点◇
「ん?なんだ、その変な物の中に人が居たんだ。」
テントの後ろ側から女性の声が聞こえた。
「誰だい?君たちは?」
テントの後ろにしゃがんでいたので姿が見えなかったが、声に答えるように声の主が姿を現した。風貌は少し小柄程度だが、そこまで背が小さくはない。手に真っ黒な弓を持って腰に矢筒をぶら下げている。顔はフードを被っているのでよく見えないが、尻尾がチラっと見えたのを確認したので、亜人だろう。
こいつの思考がまったく読めない。遮断魔道具でも持っているのだろうか。
ミズキ君が震えているので肩に手を置いたのが良かったのか、少し安心したのか震えが収まったようだ。
「あんた魔法使いか、めんどくせ。ディー交代しよう。」
「チャーク我儘言い過ぎ。」
いつの間にか全身鎧の男が、フードを被っているチャークと言われている奴の隣に立っていた。アルガとバトロも追いかけてこっちに走ってきた。
この全身鎧の男の武器は片手剣と盾だ。剣は一見スラっとしているが肉をエグりとるようなデザインをしている。盾は金の枠に綺麗な紫色をしている。
この鎧男ディーと呼ばれていたか。こいつも思考が読めない。鎧を見ると魔法を遮断する魔法効果をかけられているようだ。
「アルガ気をつけろ、そっちの女の弓は危険すぎる。音も無くやられてしまった…。」
「あぁ。バトロ、ヒールボトルはまだあるか?さっきので俺のはほとんど使っちまった…。」
アルガが腰に紫色の水が入った小さいガラス瓶を持っている。
「まだ持ってたんだ。ヒールボトルなんて卑怯な物使っちゃ駄目だよ。」
女がそう言うとアルガが手に持っていたボトルが割れる。正直見えなかった、この二人かなりの手練れだな。
「んじゃディーまかせたわ。ワタシはそっちの二人と遊ぶからよろしく。ついてきて。」
「この男をなんとかしてからそっちに向かう。二人はあの女を頼む。」
二人共コクリと頷き女についていった。
「さて、あまり時間はかけられないな。少々本気で行かせて貰うよ。」
ミズキ君を後方へ下がらせた。
鎧男が盾を構えてこっちに向かって来る。
「まずは牽制だ。【火矢】 【炎棘】」
炎の矢と炎の棘が鎧男に突き刺さる直前に消えてしまった。低級、中級辺りの魔法ではどうもダメなようだ。気にもせずこちらに向かって歩いて来るのは、喧嘩を売っているとしか見られないな。
「これならどうかな?【業火の烈地】」
足元に業火の大地を作り出す最上級魔法だ。流石に少しばかりはダメージを負わせられるだろう。
「な!?」
しかし鎧男はまったく動じもせずにこちらへ歩んでくる。油断しすぎたのか、あちらの間合いに入ってしまい一撃を食らいそうになる。物晶結界を瞬時に展開し防いだのだが、一撃食らっただけでヒビが入っている。想定外だ。
「本気で来るんじゃないのか?なめ過ぎ。」
鎧男が戦闘態勢に入ったのだろう。今度は走って向かってくる。
「次からは本気だ。その自慢の鎧を打ち砕こう。」
◇バトロ視点◆
「ここでいいかな。さっさと殺して報酬ゲットすっかー {シャドーバイト} {ヴェーネバイト}」
移動するやいきなり射ってきた。シャドーバイトは影から飛んでくる矢。ヴェーネバイトは毒の矢だ。
アルガにシャドーバイトの迎撃をしてもらい、ヴェーネバイトを剣で打ち落とす。
「防ぐなよ。めんどくせーな。{サーペントバイト}{シャークバイト}」
次も連続で射ってくる。蛇のように当たるまで追いかけてくるサーペントバイトを処理し、凄まじい速度で射だされたシャークバイトはアルガが防ぐと
「ほらほらいくよ{ミザリーショット}{レインブラッド}{パラージ}{ハイアウトカリング}」
頭を確実に狙ってくるミザリーショットを防いだが上から襲い掛かるように降る矢と前方から来る矢の嵐は避けられない。
「ぐあぁああああ!」
肩と腰に数本の矢が突き刺さり横腹や太ももにも矢が突き刺さる。アルガも防ぎきれず何本が矢が刺さっている。耐えきれずに剣を杖替わりにして辛うじて立っていると、{ハイアウトカリング}を忘れていたので上から矢が更に振ってきたが、アルガが防いでくれた。しかしもうアルガも大分消耗している。残りのヒールボトルを渡そうとするとすぐに割れてしまった。地面を見ると一本の矢が刺さっていて、女の口がニヤけているのがハッキリと見て取れる。こいつ遊んでいるな…。
ここまで連続して戦技を撃つのは普通ならあり得ない。魔力を武器や身体に込めて戦技を使う為、人では手に負えない動きで手元が狂ったり、必要な魔力の量を間違うと発動しないのだ。僕やアルガで連続発動しようとしても二回が限界なのだが、こいつは軽々とやってのけている時点で僕らに勝ち目はないのかもしれない。
「凄まじい弓の腕だな、尊敬するよ…。」
「そりゃどーも。そろそろトドメでいいよね。{バウンスアロー}」
「もう少し付き合って欲しいな…。{ガーディアンハウリング}」
戦技を発動し目の前で炸裂する矢を受けながら何とか耐えたが、アルガもギリギリ立っているような状態だ。まぁ僕もなんだけどね…。
「まじめんどくせーな。もういいでしょ。」
フードの上から頭をボリボリとかく女。流石にもう限界だ。ヒールボトルは全て割られて回復手段もなく、僕もアルガも戦意喪失状態だ。こんな化け物に勝てる訳がない。
次の攻撃で最後だ。僕たちはそっと目を閉じた。
戦技は結構適当です。どんな感じなんだろうと質問あればまとめて説明したいと思います!




