act13 風呂へ入れる喜びと再確認
全然バイクに乗っていない…。タイトル詐欺にならないように努力します!
アルガが打ち合わせをするとのことで部屋から出て行った。
「お二人共、準備は明日にするとしてこの後風呂にでも入って来るといいですよ。」
「お風呂!本当ですか!?」
大声が出てしまった。風呂と聞いて黙ってる日本人は居ないんじゃないだろうか…。
「え、えぇ。ありますとも。お二人ご一緒に入られても問題ないくらいの大きさですのでごゆるりとどうぞ。私は明日の準備をしておきますので、これにて失礼しますよ。」
店主もといマルボさんも自室に戻ったようだ。
ここでも湯で体を拭くくらいだと思ってたが、風呂があるとは嬉しい誤算だ。
先に入りたいとナッツに言うと行ってくるといいよ、と言われたのでスキップしながら、風呂場に案内してもらった。
銭湯みたいなところだな、風呂にバラの花が浮いてるのが気になるが。
石鹸もあるのか、流石にシャンプーとかはないみたいだ。ザーっと体を洗って湯船に浸かる。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛いやざれるううぅぅぅ」
命の洗浄とはよく言ったものだ。おっと、俺はあの人のファンだからな。○○ジ好きやで。
15分くらい湯船に浸かっていたので、そろそろ上がろうとしたら、入り口のドアが開く。
「風呂なんて久々だ…。」
「え?」
男女の対面である。女の方は口調を偽る中身男。
「大変失礼しましたあああああああああああああああ!!!」
大声を上げながら外へと出て行った。
「誰かと思ったらバトロさんか。俺の体今は女だったな。風呂最高すぎて忘れてたわ。」
風呂から上がり脱衣所に入る。
今日着ていた忌々しいエロ服は回収されていたみたいだ。変わりにメイドさんが着替えを置いていてくれたのは嬉しいが、ネグリジェは勘弁して頂きたい。風呂が待ち遠しくて着替えを持ってこなかった俺も悪いが…。他に着るものがないし、仕方ない。部屋までこれで我慢するか。
外へ出ると腰にタオルを巻いた男とアルガが頭を下げていた。
「申し訳ない!覗きをしようと思ってはないことをご理解していただきたい!」
「ミズキちゃんごめんな?まさか風呂行ってるなんて知らなくてよ…。」
「元はと言えば、アルガが事前に確認しないのが悪い!」
「いや、バトロが風呂入りたいって言ったからだろ?」
ギャアギャアと騒ぐ二人。この服微妙にスケてて嫌なんだよな。
「気にしてないのでいいですよ。それよりも服がコレなので早く部屋に戻りたいんですけど…。」
二人がハっとこっちを見ると
「本当に申し訳ない!この件に関してはいずれ改めて謝罪します!」
バトロが直角90度に頭を下げてタオル巻いたまま風呂に逃げ込んで行った。
「うーんと…。ミズキちゃんマジでごめんな?」
「今度何お願い事を聞いてくださいね。」
「あ、はい。喜んで!俺も風呂へ行きます!」
アルガも風呂へダッシュして行った。脅したつもりは一切ないんだけどな…。
「部屋戻るか。」
部屋に戻るとナッツが椅子の背もたれに腕を置く座り方。馬乗り座りで、ニヤニヤしながらこっちを見てきた。
「やあやあ、覗かれた気分はどうだい?」
来やがったな、食いしん坊ナッツ。
「正直にいうと風呂が最高すぎて、自分の事忘れてたわ。」
ナッツが背もたれに腕組みをしていたのがズルっと滑る。リアクションかよ。
「なんだそうか、面白くないなぁ。」
「ナッツさんの心理読めるって奴さ、範囲とかあんの?」
「私の視界に入ってないと無理だね。なんで覗きがバレたかと知りたいのだろう?男の大声が聞こえたからね。少し楽しみにしてたのだがなぁ…」
「まったく…。もう俺は寝るからな!」
ネッドに潜り込もうとするとナッツに止められた。
「ミズキ君、君は自分の姿を一回でも確認したかい?」
そういえばしてないな、鏡で一回見せられたけど。服装がアレで見たくなかったし…。
「触り程度にしか見てないっすね。」
「確認してみようか。私が言うのもアレだが綺麗だと思うよ。そこのドレッサーに鏡があるからね。」
いくら声があれで口調を偽ってるとしても顔を見なかったのは、認めたくなかったからなのかもしれない。正直見たくはないが、リルドラケンというのも気になる。渋々鏡の前へ立ってみた
「うわ……。これが俺かよ…」
鏡を見ると紫色のジト目、髪色は灰色に近い黒、長さは胸元くらいまである。俗にいうセミロングか。
完全に体も女性に、耳が無くそこに微妙な長さの角が生えている。伸び先が横じゃなくて後ろ斜め上にだが。
試しに角を触ってみると、硬いし引っ張っても取れない。
「確認した所で、リザードマンとリルドラケンの違いについてだが。一番分かりやすい違いが角の長さ、そして瞳の色だ。リザードマンの目の色で紫色は居ない。角も生えている者や生えない者までいるのだよ。」
「え?それじゃあ俺って詳しい人が見たら一発でバレるんじゃ…?」
「人里にあまりいないリザードマン自体調べてる相手は余程の変人でもない限り、いないだろうし大丈夫だろう。さてと、私は風呂に行ってくるよ。あの二人ももう上がっただろうしね。」
ナッツが着替えを持って風呂に向かった。
余程の変人ね…。人間ってのは色々な奴がいるから用心してて損はないのかもなぁ…。せめてジャッジくらいは常備しておくか。ベッドに潜りフカフカの質感を堪能しながら、考え事をしてたら眠ってしまったようだ。




