act10 世界の情報
説明会です、長くて申し訳ございません
店の前にテラスがあったのでそこに座ることにした、だが文字が読めないので、アルガにオススメでと言って任せた。
「アルガ君、私らは人里にまったくといっていいほど詳しくはない。変な質問が多いと思うが聞いてくれるだろうか?私は知っている情報もあるが特にこのミズキ君は無知そのものだ。」
「ん?いいよ。エルフとリザードマンの組み合わせな時点で珍しいからな。」
「では、色々聞かせてもらおう。」
まずモンスターについてだが、この世界には魔瘴気と言うのが発生するらしく、そこからモンスターが出現して周囲に住み着く。ある程度のモンスターを生み出すと自然に消える。モンスターを放置したり、瘴気の規模が大きいとモンスターの氾濫が起きて、近くにある村や街に攻め込んでくる。街には結界が張ってある為魔瘴気は出ないが、村には結界を張ってある場所とない所があるみたいだ。魔瘴気の主な発生は森や山の奥地、海の底で村や街の近くに発生することは極稀らしい。冒険者の仕事はこの発生した魔瘴気のモンスター討伐である。
冒険者ギルド、傭兵ギルド、商人ギルド、この三つが基本らしい。この三つのギルドを三大ギルドと言う。他にも小さいギルド多くがある。
冒険者はお使いから、モンスターの討伐。街道に出現するモンスターの間引もある。モンスターの氾濫には全員狩りだされるようだ。
冒険者にはランクがあり1から6までランク分けがあり、ランクによって受注出来る依頼がある。変異モンスターや強力なモンスターでランク分けがされている。
傭兵は主に戦争や、要人警護に使われるみたいだ。戦争もよほどの大事でなければ基本は傭兵ギルドに依頼される。兵士は別だが、大事になると冒険者ギルドの方にも依頼が行く。国を移動する事は問題ではなく、給金に対しての労働と見なされてる。又冒険者と傭兵の掛け持ちもOKだ。傭兵にはランクがない。評判で仕事を指名される事もあるのだそうだ。
商人は国に居座って露店や店を構えたり、他国へ売りに出したりと様々らしい。
年に一度売り上げによってギルドに納金する義務があるとのことだ。
この3つのギルドは商人は別として、冒険者、傭兵に関しては、入退の税はないとの事。
商人は物資の量や、中身で税が決まるみたいだ。
三大ギルドに属してない人は普通に税をとられる。
戦争に関してだが、大掛かりな魔法は禁止と戦争の条約で全世界の共通ルールになっている。
大規模戦術魔術と言って精鋭の魔導士30人以上で半日ほど詠唱に時間がかかるが、街一つを壊滅させる凄まじい威力があるらしい。
「ちょっとまって、一人でその規模の魔法とかできる人がいたらどうするの?」
俺は気になって質問してみたが、アルガに笑われてしまった。
「ミズキちゃん、魔法なんてこの世界じゃ2人に一人が使えるレベルで、大小の才能はあるけど、一人どころか数人では絶対に撃てないって実証が、100年前に確立されてるみたいだから大丈夫だよ。」
と言われてしまった。
ナッツが若干苦笑しているのが気になる…。ここに一人でも撃てそうな奴がいますよ!
話していると、丸いパンにベーコンとチーズを挟んでるサンドイッチみたいな物が運ばれてきた。
アルガが運んで来た店員に支払いをしている。ここは物が来たら払うシステムなのか…?
「食べていいよ。ここのパンギット旨いんだよね。」
パンギットって言うのか、サンドイッチじゃないんだな。
「頂きます」
「うむ、頂こう」
とりあえずかぶりついてみたが、パンが硬いなこれ。食いかけのパンを半日ほど放置して食べたくらいの硬さだな。ベーコンとチーズは普通に旨いのに…。
アルガが美味しそうに食べているので、この世界じゃこれが美味しいって感じなのだろうか。
「他には質問ある?」
アルガは速攻食べ終わり聞いてくる。パン硬すぎてそんな早く食えないっての。
一旦パンを置いて、聞いてみる事にする。
「亜人ってどういう扱いなの?」
「教会で布教活動してるんだけど、人こそが神の生まれ変わりと信じてる真人教というのがあって、人以外は堕落した者と捉えられてる宗教なんだよね。帝都は皇帝様の元で政をしてるから、表立っての動きはないから比較的亜人が多いと言われてるよ。あ、ちなみに俺と親父、相棒のバトロは無宗教だから安心して!」
アルガがイケメンスマイルで俺にグーサインをしてくる。歯にチーズついてますよ。
「アハハ、そうなんだ。あと奴隷っているの?」
軽く流して、聞いてみる事にした。
「いるよ?帝都は奴隷の概念が凄い厳しいから、大体は犯罪奴隷だけどね。大体は貴族とか大きいの商人の鉱山に行ってるんじゃないかな?ただ、帝都だと犯罪奴隷には経過年数で解放されるから、一生鉱山行きって人は罪が重くない限り無いはずだね。ちなみに奴隷には顔に刻印がしてあるから一目でわかるよ。解放されると消えるんだけどねー。」
鉱山ってことは炭鉱で永遠掘らされるアレか…。
というかこいつ重い話してるつもりなのに軽いな…。
「じゃあ、最後にもう一つだけ。私ら亜人を性の対象として見る人は多いの?」
「うーん、俺はミズキちゃんやナッツさんなら大歓迎だよ?」
いきなりの爆弾発言に俺はドン引き、ナッツですら引き気味だ。
「ていうのは冗談だと思って…。今の目は流石の俺でも死にそうになる…。ただそう見てる人は多いはずだよ。例というかミズキちゃん男にめっちゃ見られたのわかってるでしょ?」
確かにそうだ、さっきから俺の右の席に座ってる男二人がチラチラと足見てくるしな。
「アルガ君。私の質問にまだ答えてないのがあるのを忘れないで欲しいね。」
「あぁ、ごめんごめん。金策だよね。旅する人ならさっきも言った三大ギルドのどれかに所属して稼ぐって方法を取るのが一番妥当じゃないかな?帝都に旅人って吟遊詩人くらいしか来ないから詳しくないんだよね。」
「なるほど、有益な情報だった。有難う。」
「こんな基本中の基本で礼を言われるとは思わなかったよ。二人とも食べ終わったようだし、予定がないなら帰る?」
「先ほどの道具の話も気になるが、一旦情報を整理したいし、ミズキ君との今後の打ち合わせもしたいから帰ろうか。」
「はい賛成、大賛成」
「よし、んじゃ帰りますか。」
こうして俺達3人は席をあとにして宿屋に向かった。