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ウンディーネ

人類は戦っていた。戦争だ。月の住人を怒らせた。そんな中一人小型宇宙船で逃げ惑う。

「わわっ!」

虫型宇宙船による光線が飛び交う中、小型宇宙船に乗っていた【ウェルビー】は、必死に操作しなんとかしのいでいた。しかし、それも限界。ウェルビーは最後の手段を取る。

「よし、ワープ!」

ウェルビーの乗った宇宙船は暗闇へと誘われた。


「う……、ん。ここは?」

宇宙船が傾きぼこぼこと泡を立てた事からどうやらどこかの深海らしい。ほら、深海の住人がちらほらと。(ここはどこの惑星だろう?)と思案する暇もなく、大きな魚を担いで横をすりぬけ照明に照らされたのは、人影だった!

「おい!」

「ん?」

くるりと後ろを振り向いたのはまだ幼さが残る子供だった。その子供は耳がエラのような耳を持っていて、他は特に地球人と変わらなかった、言葉も通じている。だから、ウェルビーは話し掛けてみた。

「やあ、俺はウェルビー。君は?」

「僕?バスター・オルだよ」

「そう、バスタオル君何やってるの?」

「食料の調達だよ。これ」

と、気絶した大きな魚を見せられた。

「おうち壊れたの?」

「(おうち?ああ宇宙船の事か)そうなんだ。助けてくれないか?」

バスターはにこやかに了承した。


「ここが陸かぁ!」

「ところでバスタオル君、どうして君は海底を平気に歩いてたんだ?」

「アレはねぇ……アレは……なんだろう?」

バスターが指差した先には虫型小型偵察挺が今まさにこの地に降り立とうとしていた!

「ヤバい見つかった!」

ウェルビーはバスターの腕を引っ張って逃げようとしたが、虫型宇宙船から何かが、ポンと飛び出て二人の前に落ちた。

「しまった! レタス星人か!」

グググと【それ】は変化し透き通った人になった。

「誰?」

「【月の住人にして重力を操り、体の95%が水である事から俺はレタス星人と呼んでいる。】そして、レタス星人は地球人の数を自由に左右させる。そう。女性の生理など生命のバイオリズムを重力で操っていたのだ!」

なんと! 生命の中には確かに満ち潮の時に産卵する種がいるが、それはレタス星人達の仕業だった!

「友達なの?」

「バカ! 追われているんだよ! あーくそ!」

「ハエ! オロカナルチキュウジン!」

「わっ!」

二人は重力の能力で体が重くなり立てなくなった。

「くそっ!」

「怒ったぞ! 僕の能力で倒してやる! ウンディーネプロトコル……」

バスターは突然目を閉じ集中した。

「ウンディーネ?はて?どこかで聞いたような。って、そんな場合じゃねぇ!」

「……ダイチ・コク!」

グワーっと津波が起こりレタス星人目掛け収縮して襲いかかる!

「ミズヲアヤツッタノカ?」

ザー……。すっと目を開けた二人の目の前には相変わらずレタス星人が平然としていた。水同士相性が良かったのだろう。

「待てよ……。水を操るなら……」

「ナニヲコソコソト」

「ハーハッハ! レタス星人! お前の負けだ!」

「ナニ?」

「ウンディーネプロトコル……」

バスターはまたも詠唱し始めた。

「ソレハキカンゾ」

「どうかな?ナ・リタ・リ・コン!(汝の血は我が杯に)」

ジュー! レタス星人の水分がみるみるバスターの手のひらの上に集まっていく!

「ソ……ン…………ナ」

残りは干物みたいな臓器だけだった。ずっと宇宙服だったウェルビーはヘルメットを取った。すると、黒く長い髪が舞って宇宙服を脱ぐと下着にブラジャーの女体が現れた。

「バスタオル君、ありがとう。あ、口調?このヘルメットだと男みたいな話になるのよ。ほら、女の子一人じゃ危ないでしょ?」


ウェルビーは女の子だった!

月の住人はレタスと同じくらいの水分だった!

月の住人は重力を操る!

バスターは水を操る!

あわただしく展開していく!

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