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魔女伝  作者: 倉トリック
墓標の剣編
81/136

亀裂

「さて、さてさてさて、一応自己紹介とかしとくべきかな? はじめましての子もおるし、ウチらも得体の知れへんもん扱いのまま警戒されっぱなしは普通に嫌やしな」


 本部に到着し、客室で紅茶を啜っていたゼノヴィアが、警戒心むき出しのまま睨みつけているエルヴィラを見ながら言った。


 あの後、エルヴィラはすぐに退席しようとしたのだが、ゼノヴィアに引き止められ、何故かこの場に同席する事になってしまったのだ。


「別に身分や正体明かされても態度は変わらねぇぞ」


「わはー! ツンデレなんやなぁ!」


「デレの要素一ミリも無かっただろ⁉︎」


 照れんでもええねんで、と言いながら、ゼノヴィアは御構い無しに名乗り出す。


「ウチは騎士団西支部の支部長をやってるゼノヴィアや、実はこう見えてもな、昔はジャンヌ候補やったんやで、産まれる時期が違うかったら、団長争いしとっかも知れへんな、なぁジャンヌ」


 ドヤっと聞こえて来そうなほど得意そうな顔をしながらゼノヴィアは言う。しかし、彼女の言っている事は全て真実だ。本当に、時期が違えば彼女が競争相手になっていたかも知れない、そしてそうなれば、自分に勝ち目など無いとジャンヌは思う。


「僕は騎士団東支部の支部長、ローランだ。昔はよくジャンヌの稽古に付き合ってたんだよ、あの頃から筋がいいと思っていたけど…聞いたよ、魔獣を一人で倒したんだって? 想像以上に育ったねこれは」


「あ! それウチも聞いたで! 魔獣と魔狼をいっぺんに殺ったんやって? えらい事しとんな!」


「いえあの、私が全てやったわけでは無いですよ? 完全に噂が誇張に誇張を重ねてますね…状況が良かったと言うのが大きいです、後はウルも手伝ってくれて…」


「あ! ウル! そうやそうや! ウチあの子にも会いたかってん! 天才なんやろ⁉︎ 若くて才能溢れる少年騎士、会いたいわぁ」


 どんな話題にも目を輝かせるゼノヴィア、正直一番若々しいのは彼女だと思う。


 そうなると、一番大人なのは、ローランだろうか。笑顔は崩さず、姿勢も良い、清潔感溢れる好青年、決して一緒に居て不快になる人物では無い。エルヴィラも彼に対してはそこまで警戒している様子はない。


 というか、エルヴィラの敵意は圧倒的にゼノヴィアに集中していた。


「…………」


 残る一人、ランスロットは、そんなやり取りを傍観したまま喋ろうとしない。


「ほらロット、子供の見本になる様にちゃんと挨拶ぐらいしぃな」


「…北支部の支部長、ランスロットだ」


「…終わりかい! もっと自己PRせな! ウチがエリーちゃんからの人気独り占めしてしまうで!」


 それはねぇよ、とエルヴィラは思う。


 改めて、彼らが騎士団の四天王なのかと確認する。


(こいつらが忘れ形見より強いってか? どうだかねぇ、まぁ、ランスロットって奴は、只者じゃ無い感じがプンプンするが…)


 彼等の戦い方を見たわけでは無いので、その戦闘力を完全に見極める事は出来ないが、現時点でのエルヴィラの評価は、忘れ形見ことジャンヌの方が強いだろうという事になっている。


 ここまで三つ、ジャンヌは魔法の回収に成功している。その際に起きた戦闘は、全てジャンヌが担当し、そしてその全てが白星だ。


 ジャンヌは自己評価が極端に低い傾向にある為、四人の中で自分が最弱、というのも謙遜し過ぎている可能性が高い。エルヴィラから見て、第一印象的には、ローランとジャンヌが互角ぐらいでは無いだろうか、と思っている。


 魔獣を単騎で討伐した、という話で驚いているという事は、彼らに魔獣と一対一で戦う機会は無かったという事だろう。彼らに経験の無い事をジャンヌはしている、そして生き残っている、昔はどうだったか分からないが、今はその力量差が明確に出ているのでは無いだろうか。


 …と、偏見と贔屓目にまみれた評価をエルヴィラがしている間に、ランスロットがその他を無視してジャンヌに話しかける。


「ジャンヌ…先代の墓が荒らされたというのは…本当か?」


「え」


 一瞬、空気が凍りつくのを感じた。ローランもゼノヴィアも、笑顔のまま顔が固まっている。


「本当なのか?」


 繰り返された言葉に、ようやくジャンヌは小さく頷く。


「はい、本当です…」


「…そうか…犯人は、見つかったのか」


「いいえ、まだです…犯人のものと思われる痕跡が、何一つないんです、足跡も髪の毛一本も」


「それは…歯痒いな」


 仏頂面のまま表情を変えない彼の顔に、初めてどこか寂しそうな、悲しそうな影が見えた。


 ランスロットは、先代の命日になると必ず墓参りに訪れる。仕事があろうと、必ず命日当日、一日たりともズラす事無く、毎年訪れている事をジャンヌは知っている。


 普段は口数も少なく、表情もほとんど変わらない為、感情は読み取れないが、彼が墓石の前で佇む時だけは悲哀に満ちた様子だと分かる。


 彼にとって、先代のジャンヌはどんな存在だったのだろう。


「ランスロットさん、あの…」


「犯人を見つけたら…迷う事はない、斬れ」


「き、斬るのは…その、流石に」


「こらロット、あんまりジャンヌを困らせたらあかんよ、まずは捕獲して、ちゃんと裁かなあかんやろ」


 流石のゼノヴィアも、呆れた様子で言う。


 だがしかし、ランスロットの気持ちは分かる。というか、騎士である四人は恐らく、出来るなら犯人を斬り捨ててやりたいと思っているはずだ。


 親同然の恩師の墓を荒らされて、許せる者などいるものか。


「斬り捨てる…事は、出来ませんが、必ず捕まえます…私も、ランスロットさんと、気持ちは同じですから…」


「…そうか、俺が見つけたら、確実に斬るがな」


「斬ったところで、犯人が死ななかったらどうする?」


 不意に、エルヴィラはランスロットにそう返す。


「…何が言いたい」


 突然いちゃもんをつけられて気を悪くしたのか、ランスロットは怪訝そうに言う。


「ま、まぁまぁ、ロット、子供がいう事やさかい、そないムキにならんでも」


「エル…エリー! 何を突然言ってるの! 失礼でしょ」


「お前達は口を挟むな、俺は今、エリーと話をしているんだ」


 仲裁に入る二人を睨みつけて黙らせて、ランスロットは再びエルヴィラへと視線を移す。


「話が出来る奴は好きだ、話をしようとする奴ってのは、言葉っつー人間に与えられた知恵をフル活用できる賢い奴だからな。ランスロット、そのままの意味だ、犯人を見つけて斬り捨てたとして、そいつが斬られたぐらいじゃ死なねぇ奴ならどうするんだ?」


「…それはつまり、犯人が魔女だったらという意味か?」


 察しがいいな、とエルヴィラは言う。しかし、そもそもこの世界で斬られたぐらいじゃ死なない不死身の存在といえば、魔女ぐらいしかいないので、察するも何も、それしかないといえばそれまでだが。


「死ぬように殺す、それだけだ、相手が化け物だろうと変わらない、魔女とはいえ、完全に不死身というわけでは無いらしいからな、火で燃やせば死ぬらしい」


「どうしたって殺す、なるほどな、私怨で殺す…か、それは騎士道的にどうなんだ、いや、人道的にもどうなんだ、気持ちは分かるが、お前達の先生は本当にそれを望むのかよ」


「…先代がどう思うか、は、もう関係ない、あの人は死んだ、居なくなってしまった、この世に存在しない者の気持ちなど汲みたくても汲めん、ここにいるのは、彼女の意思を継いだ俺達だけだ、その俺達が、先代を汚されたまま、それを黙って生かしておくなど、それこそ先代に対する最低の侮辱行為だ」


 重い声で、ランスロットは言う。


「ケジメをつける、それだけだ」


「なるほどな、理解し難いが、お前なりに芯は持ってるんだな、それ故の言動なら…それがお前らにとっての正義なんだろうな」


 ふぅ、と一息吐いて、エルヴィラは紅茶を飲み干してから、ジャンヌに言う。


「忘れ形見、今回コイツらが集まった理由ってなんだ」


「え…それは…あれ、ゼノヴィアさん、なんでしたっけ」


「ん、いや、お茶しに来ただけやで」


「嘘付けよ、このクソ忙しい時期にわざわざそんな事するか、なるほどな、先代は相当愛されていたと見た…正直引くわ」


 エルヴィラは、ジャンヌを除いた他三人を睨みつけながら言う。


「こいつら全員、墓荒らしの犯人を殺しに来たんだ、情報を一つでも多く掴もうと、今回お前に接触したって感じだろうな」


「えっ⁉︎」


 驚いたジャンヌが視線を移すと、ローランとゼノヴィアの表情に陰りが見える。


 どうやら図星のようだ。


「本当…なんですか、皆さん」


「ち、ちゃうよ! もう最近の子は頭ええから、それっぽい事言うから困るわぁ! 元気なのはええけど、探偵さんごっこはもっと場所選ばんと、偉い人に怒られるで」


 苦笑いを浮かべながらいうゼノヴィアを、エルヴィラは不機嫌そうに睨みつける。


「悪戯がバレたガキみてぇに顔面蒼白な癖に私をガキ扱いしてんじゃねぇ」


 そして続けてランスロットを見ながら言う。


「計画の立案者はお前だろ? ランスロット、真っ先に墓荒らしの話題を振ってきたのはお前だし、口を開けば何回も、しつこいぐらいに『俺達』だ。忘れ形見に仲間意識持たせて、ズブズブと自分達の計画に参加させようっていう魂胆だったみてぇだが、アテが外れたな」


「…かなり大雑把な推理だが、概ねあっている、別に隠すつもりは無かった、ジャンヌの気持ちを聞いておきたかっただけだ、それに、アテが外れたかどうかも分からんだろう、決めるのはジャンヌだ」


「忘れ形見はお前らと違って、私怨で人殺しをしたりしねぇんだよ」


 ましてや、魔女を化け物呼ばわりした事は一度も無い。


「オイ、勝手に人の気持ちを分かった風な口をきくなよ、最終的に決めるのはジャンヌだと言っただろ」


 ランスロットは呆然としているジャンヌに言う。


「こいつの言う通りだ、ジャンヌ、俺達は、あの人の墓を荒らした不届き者を始末する為に今回集まった、お前にも協力して欲しかったからな」


「始末って…そんなのまるで殺し屋か何かじゃ無いですか…」


「そんだけ許せへんって事や、まぁ、ウチはアレやで? 別に殺そうとかそんなんは思ってへんかったで?」


「共犯に変わりはないですよゼノヴィアさん」


 尊敬する人達が、まさかそんな事の為に今日ここに来た事が、未だに信じられない。犯人を殺して、それで何になると言うんだろう。


 先生はもういない、喜びも悲しみもしない。でも、その意思を受け継いだのが自分達なんだと分かっているなら、最良の選択があるはずなのに。


 愛するが故に、その心がズレてしまっている。


「協力は…出来ません、あくまで殺すことが前提というのなら、私は断固拒否します」


「何故だジャンヌ!」


 ジャンヌの否定に、強く反応を示したのはローランだった。


 手のひらが赤くなるほど机を叩き、歯を食いしばりながらローランはジャンヌに問い詰める。


「君は、ジャンヌだろう! あの人の意思を一番強く受け継いでいるのは君じゃないか! 団長という立場や、名前だけじゃない、その魔法だって受け継ぐ予定だった! 彼女からもっとも寵愛を受けていた君が、何故こんな冒涜を許せるというんだ」


「許せるわけないじゃ無いですか! でも、それでもですよ、それ以上に今、今この状態が悲しくて仕方ありません…私だけじゃない、ローランさんも、ゼノヴィアさんもランスロットさんも、みんなの事を先生は愛していました…みんな優秀な騎士になるって…その皆さんが、人殺しを目的に一致団結している現状が、信じられませんよ!」


 気付けばジャンヌは、大粒のポロポロと零していた。


 急いで袖で拭い、無理矢理にでも涙を止め、泣きそうになって震える声を鎮める。


「残念ながら…犯人につながる情報は本当に一つもありません…もし知っていたとしても、今の貴方達には教えないでしょう…」


「ジャンヌ…」


「正直失望しました…皆さんの事は本当に尊敬していたのに…今日だって、本当に楽しみだったのに…」


 気まずい空気が流れる。そんな中、エルヴィラはこっそりと、ジャンヌの鎧につけた魔法に更に魔力を追加していく。


 この三人の中、いや、三人ともが、逆上して襲ってくるかもしれない。そうなったら、ジャンヌは確実に殺されるだろう。


 ジャンヌがこの三人の誰か一人でも斬れるとは思えない。


 彼女の弱さは分かりやすい。


(とりあえず防御力を上げて、こいつらの攻撃が弾かれた隙を見て、喉を…掻き切ったら忘れ形見うるせぇだろうなぁ…肩貫いて剣を握れないようにぐらいはするか…)


「そんなに警戒せんでもええよ、エリーちゃん、ウチらの負けや」


 吐き出すようにそう言って、ゼノヴィアは苦笑いを浮かべる。


「悪いけどロット、ウチは降りるわ…アカンアカン、この子にこんだけ失望されたら…流石に堪えたわ…ウチはもうええ、ほんまにアホやったと思うわ」


「ゼノヴィアさん…」


「ごめんなぁ、ジャンヌ、ほんまにごめんなさい。情けない話やけど、心入れ替えるから、ウチらの事…嫌いにならんとってくれる?」


 この通りや、そう言って、ゼノヴィアは深々と頭を下げる。


「嫌われたくないってよ、割と信用できると思うぜ」


 複雑な気持ちが滲み出ているジャンヌに、エルヴィラが耳打ちする。


 信じて、許す事で、彼らの見本となれる団長であれ、という事だろうか。


「ゼノヴィアさん」


 ジャンヌがいうと、ゼノヴィアの肩がビクッと震える。


「私は、別に誰も嫌いになったりはしませんよ、ついていけないって思ったのは本当ですけど…それで今までの恩を帳消しにするような事は、出来ませんよ」


 あ、でも、とジャンヌは続ける。


「本当に悪いと思っているのなら、ひとつだけ条件です…これからも、私の事を助けてください、私一人じゃ東西南北全ての管理なんて、出来ませんから」


 ジャンヌがにこりと笑うと、ついにゼノヴィアの涙腺は崩壊した。


「ほんまに…ほんまにごめんなぁ…ごめん、ごめんなぁ…」


「わっ、えっ、ちょっ、泣かないでくださいよゼノヴィアさん! あの、すいません、ごめんなさい、ゼノヴィアさん、大丈夫ですよ、大丈夫ですから!」


「僕達も、謝らなければならないね」


 がっくりと肩を落とし、ローランが言う。


「君に言われて気付くなんて、僕達は先輩失格だな…本当に成長したんだね、ジャンヌ、ありがとう、僕達は間違いを犯すところだった」


「ローランさん…いえ、あの、私も失礼な事を言ってしまい…申し訳ありませんでした…」


 心配のしすぎだったか、と、謝罪が飛び交う茶番じみた空間に若干イライラしながらエルヴィラは思う。


 あの『鎧の魔女』が今のジャンヌを後継者に選んだ理由が、何となく分かった。


 誰もが彼女の毒気の無さに浄化される。難しい信念ではなく、狂信的な先代の信者なのではなく、純粋に、一般的な常識を、ごく当たり前の正義感を持っている彼女だからこそ、騎士団を率いる団長に選ばれたのだろう。


 純粋さ、人の上に立つ素質、なるほど、優秀なわけだ。


(なんか、修羅場になるかと思ったが、これで一件落着か…あ?)


 ホッとしかけた矢先、エルヴィラは、おぞましいほどの殺気を感じ、無意識にその気配の正体に視線を移す。


 先程と変わらない無表情、だがしかし、ランスロットの瞳の中には、ドス黒いものが渦巻いていた。


 それが、ジッとこちらを睨みつけている。


「…………」


 冷や汗が、垂れる。視線を外す事が出来ない。


 隙を見せれば、今この場で殺される、そんな気さえする。


「迷惑かけたな、今日のところは…お暇するわ」


 ゼノヴィアが言うと、ローランも立ち上がる。遅れてランスロットもゆっくりと立ち上がる。


 既に殺気は感じなくなっていたが、エルヴィラはそこから立つ事が出来なかった。


「じゃあね、ジャンヌ」


「はい、皆さん…今度は普通に、お茶でもしましょう? 団長とか支部長とかじゃなくて、普通に、家族として」


「もうこれ以上泣かせんとってー、罪悪感半端ないんやからぁー!」


「ほら、泣いてる暇があったらさっさと部屋から出るんだゼノヴィア、邪魔になってる」


 客室から、四人が出て行く。


 ランスロットがエルヴィラを横切って行く。


 時間がすごく、ゆっくりに感じた。


 特に何事もなく、彼らはその部屋を後にして、そのまま帰っていった。


 しばらくして、客室にジャンヌが戻ってくる。


「わ、エルヴィラ、まだここにいたの? ゼノヴィアさん、お迎えしてくれへんのかぁって、残念がってたよ」


「…知るか、私がそんな事する義理はねぇだろ」


「もう、そんな言い方しないの」


 空いたカップを片付けながら、ジャンヌは「あ、そうそう」とエルヴィラに言う。


「ありがとね、エルヴィラ、貴女が教えてくれなかったら、私気付かなかったかも…」


「いや、お前ならその話題が出た時点で、何となく察しがつくだろ…それか、誘われた時点で、同じ事言ってただろ」


「そ、そうかなぁ…私、いつの間にか、エルヴィラにすごく信用されてる?」


「自惚れてんじゃねぇぞ、他の奴より賢いなって思ってるだけだ」


「素直じゃないんだから」


 クスッとジャンヌが笑うと、エルヴィラはフンッとそっぽ向いた。


「なぁ、忘れ形見」


「なぁに?」


「夜道には気をつけろよ?」


「何の話⁉︎」


 突然脅迫されて混乱するジャンヌを置いて、エルヴィラは部屋から出ていった。


 あの視線と殺気が頭から離れない。


「口は災いの元だったかな」


 出しゃばり過ぎたかもしれない、と、エルヴィラは珍しく反省した。


 今はもう、反省するしか無かった。



 翌日、ジャンヌ達は、再び支部長達と会う事になる。


 お茶する約束を果たしに来たわけではない。


 知らせが届いたのだ。




 北支部の支部長、ランスロットが殺害されたと。

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