あの時のまま
「えーっ! 貴女があの時のお嬢さんですかっ⁉︎ 間違えましたよ! 大きくなりましたねぇ! 今じゃ騎士団の団長さんですって? いやぁ立派になられて…ほんと、私嬉しいですよ」
エルヴィラとジャンヌを席に着かせると、ペリーヌはそう言いながら、紅茶とお菓子を持ってきた。
ふわりとしたいい香りが、全身をリラックスさせていく。このまま一眠りしてしまいそうなほどの安堵感に包まれながら、ジャンヌは礼を言った。
幼い頃、辛い修行に耐えきれず、逃げ出した事がある。ベソをかきながら歩いているところを、ペリーヌが見つけ、この家に招いてくれた。
その時は、温かい紅茶とお菓子をご馳走してもらいながら、今思えばくだらない、取るに足らない愚痴を、全て零していた。
ペリーヌは、それをただ黙って、頷きながら聞いてくれた。
否定する事はなく、だからといって全てを肯定するわけではない。自分なりに頑張っているけど、分かってもらえないのは辛いね、と、共感してくれた。
分かってくれる人がいる、当時のジャンヌにとって、何よりも心の支えだった。
時に厳しく、時に優しかった先代も尊敬しているが、ペリーヌだけは、また違った意味で特別だった。
「なんだ、二人とも知り合いだったのか」
出されたお菓子を頬張りながら、エルヴィラは言う。
「うん、昔色々相談とか乗ってもらってて…まさかペリーヌさんが魔女だったなんて…」
全然知らなかった、でも言われてみれば、あの頃だって、店員にしてはかなり若かったように思う。十五歳ぐらいの少女の姿をしているが、幼い自分にとっては、十分大人に見えたのかもしれない。
(…いや、それを抜きにしたって、ペリーヌさん、見た目はともかく雰囲気が大人っぽいし…それでかな)
「魔女、怖いですか? …私も含めて」
席に着いたペリーヌが、不安そうにジャンヌにそう尋ねる。
子供の頃、仲良くしていた相手の正体が魔女だと知って、軽蔑されたり、嫌われたりしたかもしれないと、思ったのかもしれない。
「い、いえ! あの…ペリーヌさんにはお世話になりましたし…全然、怖い要素なんてありませんよ! むしろ尊敬してるぐらいです!」
ジャンヌは慌てて手と首を振る。悲しませてしまったかもしれないと思い、顔色を伺っていると、ペリーヌは安心したように笑顔を見せた。
「嫌われなくて…良かったです。魔女狩りが終わっただけで、魔女全体が受け入れられたわけではありませんから…」
その言葉を聞いて、ジャンヌはハッと気付く。
この人も魔女なら、当然魔女狩りの対象だったのだ。
正体がバレて、酷い目にあった経験を、何度もしてきたのだろう。
魔女だと言うだけで、好意を踏みにじられ、存在を否定されて、理不尽に罵倒されて、恐怖の対象として避けられ続けてきた。
それでも彼女は、人と接する仕事をしている。
嫌われる事は、きっとすごく辛いはずなのに、それでも人と関わって、人の役に立とうとしている。
幼い自分は、そんな彼女に救われた。
魔女だって、普通に生きたいはずなのに、存在する事すら許されない時代があった。そんな中で、当たり前のように生きているくせに、情けなく泣いているだけの子供に歩み寄ってくれたのだ。
先代ジャンヌも、ペリーヌも。
「あ、あのっ!」
ジャンヌは、思わず大きくなってしまった声量に自分で驚きつつも、それでもそのまま続ける。
「私は貴女のこと、嫌いになったりしませんからっ!」
たった一言だけなのに、物凄く恥ずかしくなって、ジャンヌはバッと隠すように俯く。
ペリーヌも、ポカンとして、ジャンヌを見つめていたが、すぐにクスクスと笑いだす。
釣られてエルヴィラも、クックッと笑い出した。
「ありがとうございます、そんなに一生懸命になって貰えたのは、もしかしたら初めてかもしれません」
「別に恥ずかしがる事でもねぇだろうに、耳まで赤くしてやんの」
二人に笑われ、更にジャンヌは赤くなる。でも、恥ずかしさ以上に、二人とも楽しそうに笑ってくれた事が、嬉しかった。
魔女にもいろんな人がいる。やはり、『異端狩り』は間違っている。
守らなければ、自分は、騎士なのだから。
「閑話休題」
ひとしきり笑い終えたペリーヌが、紅茶を一口飲んでから、ポツリと呟いた。
「いつまでも楽しい話を続けていたいですけれど…残念ながら、そうゆっくりもしていられないようですね? エルヴィラさん?」
ペリーヌが視線を向けると、エルヴィラは気まずそうに頬を指で掻きながら、頷く。
「いや、ちょっと、やっぱり状況があんまり良くなくてさ…いや、ちょっとは自分で頑張ったんだよ? でも、やっぱり誰かに頼らないといけないような状態になっちゃって…」
「だから、ジャンヌさん、ですか」
ペリーヌはジャンヌに向くと、申し訳なさそうに頭を下げた。
「理由はどうあれ、巻き込んでしまってすいません」
「え? あの、な、何のことですか?」
急に謝られても反応出来ない、というか、謝られる理由が無いのに、反応のしようがない。
「七つの魔法」
「っ⁉︎」
ペリーヌから発せられた、聞きなれた言葉に、ジャンヌは驚く。彼女も、事情を知っている魔女だったのか。
「実は、魔法の回収をエルヴィラさんに頼んだのは、私なんです」
「ペリーヌさんが…?」
エルヴィラのバツの悪そうな顔を見る限り、ペリーヌの言っていることは本当なのだろう。
エルヴィラの言っていた、友達とは、ペリーヌの事だったのか。
「エルヴィラさんが、『才能の魔女』ケリドウェンを倒したのは…知ってますか?」
「は、はい、その辺の事情は…一応本人から聞いています」
ケリドウェンを倒して、その魔力が解き放たれた事も、死の間際に、ケリドウェンが、自分の魔法そのものに細工したであろう事も、その影響で、各地で異変が起き始めている事も、一応全てエルヴィラから聞いている。
「はい、そして、仕方なかった事だとはいえ、ケリドウェンさんを倒した事が原因で異変が起きているなら、倒した本人が後始末までちゃんとするように、私が言ったんです、ね、エルヴィラさん」
「おう、殺らなきゃ良かった」
無論、どうしようと、誰がトドメを刺していようと、ケリドウェンが死んだ時点で、この事態を防ぐ術など無かったのはペリーヌだって、エルヴィラだって、百も承知である。ここでエルヴィラに責任がある、だなんて、本来なら言えないはずなのだ。むしろ、よく生きて帰って来たと、抱きしめてあげたいぐらいなのだ。
それでも、エルヴィラには、戦争の後始末をしなければならない理由が二つある。
「一つは、そもそもエルヴィラさんが『最後の魔女狩り』に参加しなければならない理由を作ったのが、他でもない、エルヴィラさん本人だからです」
自分の縄張りに侵入し、なおかつ自分を攻撃して来たとは言え、『反乱の魔女』の一員である、レジーナを殺してしまったから、参加せざるをえなくなった。そう、何も殺す事は無かったのだ、撃退するだけで十分だった。
しかもエルヴィラは、故意的に彼女の特異魔法を奪っている。
そしてもう一つ。
「エルヴィラさんは、生き残った者の責任を投げ出して、短い期間とはいえ、自分を戦死した事にしています、これはあまりに身勝手な行為です、私はエルヴィラさんが大好きです、大好きだからこそ、いけない事はいけないと、ちゃんと言うようにしてます」
生き残ったにもかかわらず、自分も死んだ事にする。死を逃げ道とするのは、戦死した魔女達にあまりに失礼だ。
生き残った者には、背負う責任がある。
生きると言う事は、責任を負う事だと言っても過言ではないのだから。
「つまり、本来なら、エルヴィラさんがやらなければならない回収の旅に、人間である貴女を巻き込んでしまっている形になっているんですよ」
もう一度、ペリーヌはジャンヌに頭を下げる。
正直言って、ペリーヌがそこまで謝ってくる理由も、エルヴィラが一人で責任を持つべきなのかどうかも、全然納得していない。
もっと言えば、自分が普通の女性なら、まだ怒ったり、悲しんだり出来たかもしれないが、今の自分は騎士という立場。
国内で危険な異変が発生しているなら、どうであれ動かないわけにはいかない。巻き込まれた以前の問題で、どちらにせよ、自分はこの件に首を突っ込んでいたはずだ。
納得出来ていない、でも、ジャンヌには何も言えなかった。
何故なら、話の規模が大きすぎるのだ。
ペリーヌは淡々と語っているが、こうなる事に至った経緯も結果も、壮大すぎて付いていけないのだ。
世界を揺るがすほどの異変を起こしてしまった責任、それに巻き込んでごめんなさいと言われたところで、何と言えばいいのだろう。
思いつかない。
だから、ジャンヌは今言える事を、自分の為に言える事を、精一杯言う。
「私は騎士ですよ、守るのが仕事です、七つの魔法の原因がエルヴィラでも、私の行動の原因はエルヴィラじゃない、偶然目的が一致しただけですから、巻き込まれた、なんて思ってませんよ」
自分は巻き込まれたんじゃない、その事実をはっきりさせたかった、他ならぬ自分自身に対して、納得させたかった。
言葉にしたら、思いのほかスッキリして、ジャンヌは笑顔を浮かべながら紅茶を飲む。
「良かったですね、エルヴィラさん、良き協力者がいて」
「あの『鎧の魔女』の忘れ形見だからな、頼りになるさ」
苦笑いを浮かべながら、ペリーヌはジャンヌに礼を言って、再びエルヴィラに向く。
「では、ここはジャンヌさんの好意に甘えさせていただきましょう、エルヴィラさん、本格的な、本題へ移りましょうか」
ペリーヌが言うと、エルヴィラはジャンヌの腰から、剣を一本抜き取る。
魔法を奪える魔剣『オーバードーズ』。そこには、村長から奪った、ケリドウェンの魔法の一つが封印されている。
「とりあえず一つは回収済み、三年かけて、ようやく一つだ」
エルヴィラは、剣を見せながら言う。
「三年…なるほど、芳しくありませんね…」
芳しくないどころか、テンポが悪すぎる。
しかし、それも当たり前だ、手がかりが何一つ無いのだから。
「つまりエルヴィラさんが今一番欲しいものは、情報ですか」
「情報…もしくは魔法を探せるなんらかの方法だな、手探りは無謀すぎる、その上私達以外にも、魔法を狙っている奴がいるときたもんだ…私はともかく、忘れ形見は戦争も未然に防ぎたいと言っている…だから、ペリーヌに相談なんだ、何か良い方法は無いかな?」
エルヴィラに頼み込まれ、ペリーヌは少し困った顔をする。
ジャンヌには、ペリーヌがどんな魔法を持った魔女なのか分からなかったが、エルヴィラがここまで頼ると言う事は、かなりの実力者なのだろうと察した。
しかし、そこまでの実力があるのなら、最初から手伝ってあげれば良かったんじゃないだろうか、とも思ってしまう。
それとも、ペリーヌには、干渉できない事情でもあるのだろうか。
しばらく考えてから、ペリーヌは「分かりました」と言って席を立ち、棚から一枚紙を取り出すと、ペンで何やら絵のようなものを描き始める。
「…ペリーヌさん、なにしてるんですか?」
ジャンヌの質問に答えたのは、ペリーヌではなく、エルヴィラだった。
「ペリーヌの探知魔法さ、得た情報を元に、欲しい物や探したい人を特定する、特異魔法とまではいかないけど、上級魔女が使える高度な魔法」
さっきまでの会話は、この為だったのだろうか。だとすれば、ペリーヌは、エルヴィラがこの家に来た時から既に、協力してくれていたのか。
「…忘れ形見、ペリーヌにはな、私よりも大事なもんが沢山あるんだ、店だったり、ペリーヌを好きでいてくれる人間どもとかな」
だから本当は、ペリーヌを巻き込みたくない。
エルヴィラは、紅茶の入ったカップを眺めながら、まるで自分に言い聞かせるように言う。
「ペリーヌが居なくなったら悲しむ奴がいるし、ペリーヌに失望したくない奴だって沢山いる、アイツに、血生臭い戦いは似合わないんだよ、だから、私はペリーヌに、直接的な協力を願わないんだ」
温厚で優しい、綺麗なペリーヌを、戦いに巻き込んで、危険な目に合わせたりとか、危険なイメージを持たせたくない。
エルヴィラは知っているのだ、ペリーヌが、ここまで平和に暮らせるようになるまで、どれほど壮絶な道を歩んできたのか。
初めてペリーヌにあった日は、今思い出しても胸が痛くなる。
あの頃のペリーヌは、今のふわふわした彼女からは想像もつかないほど、この世に絶望しきった死んだ目をしていた。
エルヴィラよりも、もっとずっと長く生きているペリーヌは、その永遠とも思える時間の中で、愛や希望に触れる事が一切無かった、望むことさえ許されなかった。
与えられたのは、孤独と絶望と痛みだけ。
「忘れ形見、私は別にお前に戦わせて、お前のイメージを悪くしようだなんて思っていない、普通に頼りになるから、一緒に戦って欲しいだけだ、でもな、それ以上に私は、もうペリーヌに、血生臭い世界に戻って欲しくないんだよ」
本当にいるんだ、もう十分に戦ったから、あとは楽にしてても良いって、言われる人は。
「私が戦う理由の一つは、ペリーヌだ、アイツが望むなら、私はなんだってする」
初めて見る、エルヴィラの決意に満ちた目。
守りたいんだ、大切な友達を。
「その気持ちは…分かる気がするよ」
ジャンヌは、騎士団の仲間たちの事を思いながら、言う。
「そんなペリーヌさんに、今手伝ってもらってるんだから…なんとしてでも魔法を全部回収して、平和を取り戻さないとね」
ジャンヌが言うと、エルヴィラはニヤリと笑みを浮かべながら「ああ」と短く答えた。
「…はいっ、分かりました」
その時、ペリーヌが顔を上げ、紙をエルヴィラに渡しながらそう言った。
受け取ったエルヴィラは、不思議そうに首をかしげる。
「…これは…地図?」
中身が気になり、ジャンヌも隣から覗き込む。
記号や、道のような線が描かれており、確かに地図のように見えた。
しかし、その地図に記されているのは、どう見ても自分達が今いる場所、つまり現在地である。
「これって、ここだよね? ペリーヌ、これは一体」
「ええっと、分かりやすく言えば、魔具です」
ペリーヌは地図の真ん中を指差す。そこには、矢印のような模様が記されていた。
「これは私達の現在地…ではなく、エルヴィラさんが今持っている、魔剣、もっと言えば、その中に入ってる、ケリドウェンさんの魔法の位置です」
ペリーヌが剣を動かすと、不思議なことに、紙に描かれているはずの矢印が、動き出した。
「すげっ、でもこれどうやって使うんだ?」
エルヴィラが言うと、ペリーヌは得意げに、というか、嬉しそうに説明する。
どうやら、エルヴィラに「すげっ」と褒められたのが相当嬉しかったようだ。
「えへへ、この矢印は、剣に封じられたケリドウェンさんの魔法と、近くにある同じ魔力がある方角を指しています、残念ながら、一つの方向しか示せませんが、この矢印が示す方角に、お探しの魔法があるはずです」
つまり、魔法の探知機、という事である。
「えっと…じゃあつまり? いまこの矢印が向いてる方向に、次の七つの魔法があるって事?」
ジャンヌが言うと、ペリーヌはにっこりと笑いながら頷いた。
開いた口が塞がらない、あれだけ悩んでいた問題が、一瞬で解決してしまった。
「忘れ形見、分かってると思うけど、他言無用な」
「勿論だよ…これを作ったのがペリーヌさんだって『異端狩り』にバレたら…」
それ以上は何も言わず、エルヴィラは地図を折りたたんでスカートのポケットにしまうと、紅茶を一気に飲み干して、立ち上がる。
「ありがとう、ごちそうさま、また来るよ、ペリーヌ」
「はい、今度はちゃんと、遊びに来てくださいね? ジャンヌさんも」
ジャンヌとエルヴィラは、もう一度ペリーヌに礼を言ってから、その場を後にした。ペリーヌは、二人が見えなくなるまで、手を振り続けてくれた。
自分達のやるべきことを再確認し、そして、次の目的地も決まった。
魔女と騎士は、二つ目の魔法を目指す。
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「物好きだねぇ」
壁に掛けられた鏡の中から上半身だけ出して、白髪の魔女が言う。
「心臓に悪い上に行儀も悪いから、その登場の仕方をやめてくださいって…何回お願いしたらちゃんと聞いてくれますか?」
彼女の方を見ずに、ペリーヌはカップや皿の後片付けをする。
「なんだかんだ言っても、君は感情的に動く女の子なんだなぁって、再確認させられたよ、ボクならあんな役に立つ魔具渡さないなぁ、むしろ、デタラメな魔具を渡して、アタフタしてるところを楽しむ派」
「そんな派はそもそも存在しない…事を祈りますよ」
いつのまにか、魔女は鏡から出て、当然のように椅子に座り、残ったお菓子を食べ始める。
「いやぁ、まさかこんな展開になるなんてね…役に立たないと思ってた『異端狩り』も、なかなかどうしていいスパイスになってくれてるじゃないか」
「貴女って、いつもいつも一つ二つ余計な事をしてくれますよね、だから『異端狩り』なんて作らなくてもいいって言ったのに」
ペリーヌは紅茶を淹れて、白髪の魔女に差し出す。しかし、その目はとても彼女を歓迎しているようには見えない。
「生きる事は責任を負うと言う事です、分かってますよね? 私達の『最後の魔女狩り』は予想外の形で禍根を残しています、エルヴィラさん任せは許されませんよ、私達も、動かないと」
責任を負うことが生きる事、責任を持つ事を放棄する者は、生きる事すら許されない。
「君のその目…あの時のままだ…いいねぇ、ボクは君のその目が好きだ」
彼女を無視して、ペリーヌは話を続ける。
「私は私でやるべき事をします、貴女もちゃんと、自分で遊んだオモチャぐらい片付けてくださいね? ジュリアさん」
紅茶を飲み干したジュリアは、ニヤリと笑みを浮かべた。
「心配しなくても、やる事はやるさ、ボクが一度だって君を裏切った事があるかい?」
ペリーヌは、ジュリアの笑い方が嫌いで、プイッとそっぽ向いた。
ケラケラと笑いながら、ジュリアは再び鏡の中へと戻っていく。
『お菓子の魔女』ペリーヌ。
『鏡の魔女』ジュリア。
今なお『反乱の魔女』は動いている。
魔法の争奪戦すらも、見張られている。
二人の魔女の、庭の中で。




