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魔女伝  作者: 倉トリック
最終章
136/136

魔女伝

「おい、ジャンヌ、いつまで寝ているつもりだ?」


 聞き慣れた声と共に体を揺すられ、ジャンヌの意識はぼんやりと覚醒していく。どうやら眠ってしまっていたらしい、仕事中だったのだろうか、机に突っ伏した状態でぐっすりだったようだ。


「……なんだ、泣いているのか?」


「……え?」


 言われて、目元を拭うと、涙でぐっしょりと濡れていた。


 その涙の理由は……はっきりと覚えていた。全ての戦いの記憶が、きっちりと頭に残っている。思い出すまでのラグなんて無く、確かなものとして脳に記録されていた。


 こればっかりは、記憶を失った方が楽だったかもしれないと、少しだけ思った。しかし、すぐにそんな考えを持った自分が恥ずかしくなり、どうすれば良いか分からず、結局俯くしか無かった。


「……ジャンヌ?」


「……え、はい……え?」


 先程から自分の名を呼ぶ人物の方へ顔を向けると、そこには、ジャンヌの師、先代のジャンヌの姿があった。


「……先生……? どうして……」


「なんだ、私がここに居ると何か不都合があるのか? 全く、団長になったという自覚を少しは持って行動したまえよ、勤務中に昼寝など、部下に示しがつかないだろう」


「……はい、すみません」


 あまりに普通に説教されて、頭が混乱したまま上手く働かない。


 どういう事だ。エルヴィラの過去改変によって、全ての魔法は消滅して、魔女の存在は無くなって、つまり、魔女はこの世に生まれてこなかった事になってて、だから、魔女として存在した人は、この世界から消えてるはずでは。


「あの……先生」


「なんだ?」


「魔法って使えますか?」


「……寝ぼけてるのか?」


 真面目にドン引きされた。どうやら使えないようだ、つまり、エルヴィラの過去改変は成功している。なら、何故この人は、あの時と同じ、若い姿のままここに居るのだろう。


 確かに、先代ジャンヌが魔女として生きてきたのは五十年ほど、だから、魔女じゃなかったとしても、この世に存在している可能性はある。しかし、その場合、七十歳ほどの老婆であるはずなのだ。


 にも関わらず、目の前にいる彼女は、どう見ても二十代後半ぐらいにしか見えない。

 どうなっているのだろう。


「あの……すいません、私ちょっと外に出てきます」


「まぁいいだろう、少し目を覚まして来ると良い」


 団長室から出て、階段を降り、外に向かう。その途中でウルに出会ったので、声をかけてみた。


「あ、ウル」


「お疲れ様です、ジャンヌ団長」


「えと、おつかれ」


「何か御用でしょうか」


「え、あ、いや、なんでもないんだ、お仕事、がんばって!」


 苦笑いを浮かべながら手を振って、小走りで去っていくジャンヌの背を見ながら、ウルは不思議そうに小首を傾げた。


 そのままジャンヌは外に出て、辺りを見回す。特に変わった様子は無い。あれだけ破壊されていたはずの街並みは、何事も無かったかのように元通りになっている。


 そのまま歩いて行くと、今度は見覚えのある少女と出会った。


「あ! 団長さん! おいーっす!」


「オイ! なんつう口の利き方してんだよ姉ちゃん!」


「えー、だって私の方が年上じゃん?」


「どんな理屈だよ! 立場ってもんがあるだろ!」


「あ、貴方たちは……」


 いや、おかしい、何故かジャンヌは、この二人を知っている。


 片方はよく知っている、銀髪を揺らす天真爛漫な女性は、ゲルダ、『凍結の魔女』と呼ばれていた元魔女だ。そして、その隣にいる若い男は、ゲルダの弟である、カイ。彼は、凄腕の猟師として有名だ。


 いや、いやいや、そこが、ちょっとおかしい。


(私は彼と面識が無いはずなのに、何故か、はっきりと知っている……なにこれ、私の中に()()()()()()()


 魔女や魔法が存在していた世界で生きてきた記憶と、それらが存在していなかった世界で生きてきた記憶、そのどちらもがはっきりと存在している。


「んー? どうした団長さん、調子悪い?」


「大丈夫ですか?、休んだ方が良いんじゃないですか?」


「あ、いや、大丈夫だよ……ありがと」


 そう言って、ジャンヌは二人に手を振ってその場を後にする。


 そのまま馬車に乗って、気になっている場所へ向かう。


 しばらくすると、立派なお屋敷が現れた。緑に囲まれ、整えられた庭が広がる、この土地の領主の屋敷。


 その庭で、お人形で遊ぶ少女の姿があった。彼女はこちらに気付くと、笑顔で駆け寄って飛び付いて来た。


「ジャンヌお姉ちゃん!」


「わっ! 元気いっぱいだねドールちゃん」


 彼女の頭を撫でながら、そんな風に自然に返した自分を不自然に思うジャンヌが居た。この子もそうだ、魔女として百年近く生きてきたのだ、百年前の人間が、ここに、こんな姿で存在しているわけがないのに。


 次々と、記憶にある場所に向かう。


 誰も何も覚えていないが、自分の事は知っている。そして、自分も彼らを知っている。違和感はあったが、あの時のような絶望感は無かった。


「…………」


 何より驚いたのは、街を彷徨う中で、偶然出会った彼の存在だ。


「あ、あの、お、お久しぶりです、ランスロットさん」


「……ああ」


 彼は数人の部下を連れて、東へと向かうと言っていた。なんでも、ローラン達と、合同稽古があるとかなんとか言っていたが、口数の少ないランスロットから、それ以上の情報は聞き出せなかった。


「ランスロットさんもローランさんも生きてる……ゼノヴィアさんは勿論か……」


 再び、ジャンヌは街の探索を始める。


 なんとなくすれ違う人の中にも、見覚えのある顔があった。


 仲が良さそうに、幼い男の子と手を繋ぐ夫婦。その朗らかな笑みを浮かべている奥さんの方は、確か、あの時エルヴィラが召喚した魔女の一人。


「ケリドウェンさん……だよね、おしどり夫婦って結構近所で有名だっけ」


 知らないはずなのに知っている記憶を呟きながら、ジャンヌは歩みを進める。


 あの時助けてくれた、犬っぽい少女が、沢山の弟子達と格闘技の稽古をしている道場があった。鏡を使ったトリックルームなるものを作って店を出しているジュリアの姿もあった。


 みんな、自分の事は知っていた。でも、魔女だった事や、魔法があった事は、微塵も覚えてなかった。


「本当に、世界が変わっちゃったんだ」


 歩き疲れて、噴水のある広場にあるベンチに座り、お茶の入った紙コップを見つめながら、ジャンヌは呟く。


 魔女狩りの歴史や、『最後の魔女狩り』の記録は完全に消滅していた。あの悲しみから、沢山の人が解放されているのだと思うと、これで良かったと思えるが、しかし、それでも、何か足りないと思う気持ちは消えてくれない。


「そもそも、なんで私にだけ前の世界の記憶があるのかな……」


「その疑問、前の世界でも持ってましたよね」


 不意に声をかけられて、振り向くと、そこには、小さく手を振るペリーヌの姿があった。


「ペリーヌさん……いや、それよりも、今、前の世界って」


「ええ、お察しの通りです。私にも記憶はありますよ、魔法は使えないんですけど」


 ペリーヌはジャンヌの横にちょこんと座ると、持っていたジュースを一口飲んでから、ため息を溢した。


「さて、どこからお話ししましょう」


「お話って……ペリーヌさん、何がどうなってるのか理解してるんですか?」


「まぁ、なんとなくですけど……そうですね、まずは、私達にだけ記憶がある事についてですけど、これはもう、分かりきった事ですよ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()でしょうね」


「エルヴィラと……? あ、エルヴィラが剣で自分を刺して、それを握ってたから……」


「十中八九そうでしょう。そして、その影響は、少なからず周りにも出たんじゃ無いでしょうか?」


 ペリーヌが周りを見回しながら言う。


「私達に前の世界の記憶がある事へ辻褄を合わせるように、本来存在しない人達が、この世界の、この時代の住人として存在している……都合の良い話ですけどね」


 魔女は消えたが、魔女だった者達は存在していた。あくまで普通の人間として。


「それとも、エルヴィラさんが望んだんですかね、あの人が、本当にみんなを救いたいって思ったのかも……救われないはずの魔女達に、せめてもの救いなんかじゃなくて、ちゃんとした救いを与えたかったのかもしれません」


「……だったら……消えないで欲しかったな、エルヴィラと一緒に居れる事が、私達にとっての救いなのに……」


 ジャンヌが呟くと、ペリーヌも頬を膨らませて「本当ですよ」と言った。


「よりによって私達二人の記憶を残すなんて、酷い人です……私達だけが、寂しいじゃないですか」


 しばらく、気まずい沈黙が続いた。


 本当は分かってる。前の記憶を持って、唯一エルヴィラの事を思い出せる二人は、きっと救われているんだって、分かっている。


 記憶なんて儚いものじゃなくて、本人に居て欲しいなんて願うのは、とても図々しい無い物ねだりだって、分かっている。


 それでも、どうしても、記憶があるから、気持ちがあるから、望んでしまう。


「エルヴィラ、貴女が居ないと……寂しいよ」


「え、照れる」


 心臓が、高く跳ね上がるのを感じた。


 隣を見ると、ペリーヌも目を丸くしている。


 二人で顔を見合わせて、声のする方に向いた。


「よお、ごめん、寂しかった?」


「エ……エルヴィラ⁉︎」


「エルヴィラさんっ⁉︎」


 そこには、照れ臭そうに、顔を赤らめ頬を指で掻く、エルヴィラが立っていた。


「エルヴィラ……なんで、どうやって⁉︎」


 駆け寄りながら震える声で言うジャンヌに、エルヴィラは首を傾げながら言う。


「知らねぇよ、私が聞きてぇわ。なんか、気付いたらここに居たんだよ、魔法は完璧に使えなくなってるけど、どうも存在が抹消されたわけじゃ無いようだな、安心したぜ」


「私達がエルヴィラさんの事を覚えていたから……それも帳尻合わせされた、って事なんでしょうか……? いやでも、それにしたって、時間軸がバラバラっていうか、これはこれで心配というか」


 混乱するペリーヌに近付いて、エルヴィラは満面の笑みを見せながら言う。


「まぁまぁ、難しい話はいいじゃねぇか? だってよ、これ以上の結末があるか? びっくりするぐらい都合が良い展開だけどよ……私は、これで良いと思うけどな、少なくとも、私は、もっかいお前らに会えて、嬉しいよ」


「……それも、そうだね」


 ジャンヌが笑う。


「……そうですね、良いんですよね、これで! みんな笑って、みんな幸せで、誰も悲しまなくて、全員救われた……これ以上の事は無いですよね」


 ペリーヌが笑う。


 みんな、笑っていた。戦いで流した血と涙の分、沢山笑って、幸せそうにしていた。


 救われない世界で、せめてもの救いだけを求める事しか出来なかった彼ら、彼女達は、敵も味方も関係無く、まとめて一気に救われた。


 全員の願いが叶って、まるで絵に描いたような、清々しいぐらいに、ハッピーエンドだった。


「……さて、これからどうする?」


 エルヴィラが言う。


「私は、この国の平和を守る為に、騎士として頑張るよ」


「私は、お菓子を作って、みんなに喜んで貰いたいですね」


「なんだよー、やってる事前と変わらねぇじゃねぇか」


 つまらなさそうに唇をとんがらせるエルヴィラに、ジャンヌとペリーヌは笑う。


「良いんですよ、何も変わらない日常が、何より幸せなんですって」


「それより、エルヴィラはこれからどうするの?」


「あん? 私か? そうだな……」


 エルヴィラはしばらく考えて、小さく頷いて言った。


「悩み続ける、かな」


「え、どういう事? 何か悩みがあるの?」


「いいや、そうじゃなくて、やりたい事が多すぎる、だから、私が何をするべきか、色々やりながら探っていく、自分がどう生きるかを、悩み続けて生きていくさ……あー、つまり、普通に生きていくって事だな」


「普通に生きる、か……うん、いいと思う」


「だろ? でな、そこで一つ頼みがあるんだけどよ」


 エルヴィラは、申し訳なさそうに二人をチラチラと見ながら言う。


「どうしたの?」


「私に出来る事ならなんなりと」


「私だけ何故か家が無いんだよな、だから、どっちかの家で世話になりたいんだけど、マジで、頼れるのがお前らだけなんだって」


 両手を合わせてお願いするエルヴィラを、ジャンヌとペリーヌは顔を見合わせて、また笑った。


 真剣に頼んでるんだぞ、と、怒りながら、エルヴィラも笑っていた。


 また一緒に居られるんだ、ずっと、一緒に。


 三人は、これまでに無い、幸せに包まれていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「そうして、世界は救われ、みんな幸せになりましたとさ……おしまいっ」


 母親が読み終わった本を、娘がひょいと取り上げて言う。


「ねーおかーさん、まじょってほんとにいたの?」


 まだ文字も読めない小さな娘が、本の中身を眺めながら聞く。


「さぁ、どうだったんだろうね? お母さんもお友達から聞いただけだから、分かんない」


「でもおともだちがその『まじょでん』をかいたんでしょ? きっとほんとにいたんだよ! いいなぁ、わたしもまじょにあいたい!」


「そうねぇ、エリィがいい子にしてたら、会えるかもね?」


「わたしいいこだもん!」


「本当? じゃあお母さんが言ったら、すぐにおもちゃ片付けてくれる?」


「かたづけるよ! おそうじもする! せんたくものもたたむよ!」


「あー、言ったね? じゃあ明日から手伝ってもらおうかなぁ……でも、今一番いい子になるにはどうすればいいのかなぁ?」


「えーっと……あ! ほんをかたづける!」


「はい正解、お母さん仕事あるから、いい子にしててね」


「えー! まだあそびたい!」


「こらエリィ、一冊だけ読むって約束だったでしょー? 約束破るのはいい子じゃないなぁ」


「でもぉ!」


 エリィが駄々をこね始めたとき、誰かが玄関の扉をノックした。


「あらお客さん、はーい」


 母親が言うと、扉の向こうから若い女の声がした。


「エリィ、遊びに来たぞー」


「あー! おねえちゃんだ!」


 そう叫んで、エリィが勢いよく玄関の扉を開ける。


 そこには、長く綺麗な金髪の若い女がいた。その両手には、街で買ってきたのであろう子供の用のおもちゃが大量に抱えられている。


「おねえちゃん! それわたしの⁉︎」


「おー、前に約束したもんなー? おもちゃ沢山買ってやるって」


 はしゃぐエリィの背後で、困った顔をした母親が小さくため息を溢す。


「もー! いくらなんでも買いすぎでしょ! あんまり甘やかさないでよね! エルヴィラ!」


「んだよ、エリィが喜んでんだから良いだろうが、なー? ジャンヌ……あー、お母さんは厳しいなぁ」


 エリィに引っ張られ、エルヴィラは家の中に連れ込まれ、早速おままごとのお父さん役に当てられた。


「いや、驚きだよなぁ、まさかお前が母親だもんな」


「それを言うならエルヴィラが小説家って言うのもびっくりなんだけど、しかも『魔女伝』って、私達の事じゃん」


「当たり前だろ、そんな変な話、私が頭ん中で考えて作れるか。最初は日記のつもりだったんだけどなー、なんかウケた」


 アレから十年。ジャンヌは母親になっていた。みんなそれぞれの幸せに向かって、ちゃんと自分の人生を生きている。


「旦那は?」


「まだ帰ってない、今日も残業かな?」


「ったく、お前の旦那書きたかったのに、まさか作中に登場しない一般男性とくっつくんだもんなー」


「なにさー、ってか作中とか言わないで、あの頃の事は、紛れもない事実でしょ」


「そうだけどさ、もっとこう、衝撃の展開が欲しかったわけよ、例えば……ランスロットとお前をくっつけたりな」


「……遊んでるね」


「馬鹿野郎、仕事だぞ、私は至って真剣だ」


「でも楽しんでるでしょ?」


「おかげさまでな」


 エルヴィラとジャンヌはクスクスと笑い合う。


「ねー、えるびらおねえちゃん」


「んー? どした」


「まじょってほんとにいたの?」


「おー、いたぞ、っていうか、今もいる」


 わざとらしい怪しい笑みを浮かべながらエルヴィラが言うと、エリィは目を輝かせた。


「え! どこ! どこにいるの! わたしあいたい!」


「ここだ、お姉ちゃんはな、実は魔女なんだ」


 見てろよ、と言って、エルヴィラはハンカチを自分の手に被せる、そしてハンカチをめくると、エルヴィラの手に一輪の花が現れた。


「ほーら、魔法だ」


「すっごい! おかあさん! えるびらおねえちゃんはまじょだった!」


「すごいねぇ、ほんと、すごいよ」


 無邪気な子供と遊ぶ、すっかり成長したエルヴィラを見ながら、ジャンヌはあの頃を思い出す。


 エリィがすっかりほったらかしにした本を拾い上げ、ページをめくる。




 かつて、この世界には魔女がいた。


 彼女達は、不可能を可能にし、どんな奇跡も起こせる力を持っていた。


 それ故に、争いが起こり、そして、悲しみがあった。


 しかし、彼女達は戦った。


 それぞれが生きる未来の為に、それぞれに残したい未来の為に、そして、救いを求めて戦った。


 そして、とうとう、救われた。


 憎しみや野望が全てだった者達が、幸せそうに笑える世界へと生まれ変わった。


 その世界に魔女はいない。


 その世界に魔法は無い。


 しかし、絆で作り上げた幸せがあった。


 愛し合って産まれた幸せがあった。


「ねぇ、エルヴィラ?」


「ん?」


「これからどうするの?」


「なんだよ突然」


 不意に振られて、エルヴィラは少し考えて、そして、自信満々に答えた。


「幸せに生きる、だな、具体的に言えば、私も家族ってのを持ってみたいな、自分の子供はさぞ可愛かろうぜ」


「だったらいい人見つけないとねー」


 幸せな世界。しかし、この世界を作るまでに、壮絶な戦いがあった。


 もう誰も覚えていない、それを知るのは、たったの三人だけ。


 戦いがあった歴史は消えてしまった。だからと言って、あの世界であった事を忘れて良いわけでは無い。


 争いがなくなるわけじゃない、形は違えど、同じ悲しみが生まれるどこかで生まれるかもしれない。


 だから、伝えて行かなければならない。


 例え御伽話のように思われても、この地であった戦いの歴史を、後世に伝えていかねばならない。


 これは、世界を作り変えた魔女の伝説。


 救われない魔女達が、せめてもの救いを求めて戦って、そして、救われた物語。


 生き様と死に様、そして、幸せになるまでを綴った物語。


 魔女伝は、ここで幕を閉じる。







 ゆっくりと、本が閉じられた。







 終わり。

ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます。

これにて魔女伝は完結です。


投稿ペースがバラバラで、途中ちゃんと書き上げられるか不安でしたが、なんとかここまで来れました。


どれもこれも、応援してくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます。ブクマを付けてくださった方、感想を書いてくださった方、Twitterでの読了ツイート、レビューまでいただいて、本当に現実かと疑うほど嬉しかったです。


魔女伝は、私の力だけでなく、皆様に支えられて出来上がった作品です。感謝してもしたりません。


エルヴィラ達の物語はここで終わりますが、彼女達が歩むこれからは、まだ続いて行くでしょう。戦いとは違った苦難や困難を乗り越えて、幸せを掴んでいきます。


そして、それは私達も同じ事。辛い事があっても、挫けそうになっても、支えてくれる人がいる、信じてくれる人がいる、その思いを胸に頑張れば、必ずやり遂げられるはずです。私が皆様のおかげで作品を完成させられたように。


最後に、今、何かに頑張っている皆様の努力が報われ、そして、救われる事を願って、この辺りで筆を置かせていただきます。


それでは、またどこかで。ありがとうございました。

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