てぃーちゃー あんど すちゅーでんと
ギャグ…になってると、いいな♪どうぞ楽しんでいただければ幸いですw
「せぇ〜んせーッ!!」
あぁ、五月蠅いのがきた。アタァック!とかさけびながらぶつかってくる。……痛ぇ。
「うぜぇ、消えろ、死ね」
俺は中指をたてて背中を向けた。つかつかと歩き出してもまだついてくる。
「もぉっ、冷たい!あ、ちょっとまってよぉ、せんせー!!」
憧れの高校教師生活2年目。この職についてから、改めて高校の自由さを思い知った。公立で多少(?)荒れているから、というのもあるだろうが、子持ちの生徒OK、援交中の生徒OK,はたまた、教師とお付き合い中の生徒もOKなどという教育施設があろうとは、全く思いもしなかった。俺が高校生のとき(7年前まで)はもっとまじめだったぞ!
え?教師と恋愛OKなのって?
全く俺も吃驚だよ。生徒間でも、さらには職員室でも、公認されてるんだからな。校長の顔がみてみたいね。いや、毎朝みてるけどさ。
なに?誰が生徒と付き合ってるって?
ほんとだよな、7つ以上も離れた餓鬼と付き合うやつの気がしれん。
っておい、俺だよ!
「ねぇ〜、先生、お弁当つくってきたんだよー?一緒に食べようよぉー」
隣でまだぶーぶーいってるアホウには裏拳で。
告白されて(みんなの前で)、おまけに校長まで、「いやぁ、よかったですね、神田先生」なんて笑顔で言ってきやがって、当の本人は校長に「はい、ふつつかものですがw」なんて話をすすめていって……(怒
結局俺たちは公認カップルになってしまった。
この学校ではめずらしい、黒髪の、二つ結びの女の子。
よく走って、しゃべって、クラスに友達はいるのに、たいてい一人で本を読んでる、おとなしいのか活発なのか分からない、不思議な生徒。
「今日はねー、朝がんばってハンバーグつくったんだよー。先生、中庭いこっ」
「あーハイハイ」
いつもこんな感じで、結局流されてしまう。
こいつの担任だったわけではない。俺が国語の教師に就任して、この学校にきたときにはもう、前の国語教師はやつれていた。とゆうか、年だった。60も超えたじいさんがこの学校にいるのは危険だったのだ。図書室は管理が行き届かずに荒れ、じいさんが注意しても直してもすぐに壊される。だから懇願されて、仕方なしに図書室の管理も勤めることになった。
「ねー先生、なんで今日図書室休みなの?平日だよ?」
「ダルいから」
「ギャーっ!そんな理由で勝手に!横暴!暴君!人でなし!」
「うるせぇ黙れきこえてねぇのかお前はトリ以下かそうかそうだなサヨウナラ」
「ぅわ〜ん!!まって先生ごめんなさいぃぃ(涙)」
「馬鹿な女だ。今日は書庫整理日なのー。ちゃんとカレンダー見ろこのトリ」
彼女はそんな図書室に毎日来ていた。俺が学校を早めに終わったときに、市の図書館に行くと必ず彼女もいた。彼女はいつも本に囲まれていたんだ。
俺は休日返上で、図書室の整理を始めた。3日間、図書室を閉じて、本を並べ直し机を整頓し窓ガラスを修理し落書きを消し。あの3日間は地獄を見た。
そんななかに、ひとり、図書室にきた奴がいる。彼女だ。なんでも本の続きが読みたいから図書室を開けてもらいにきたらしい。ところが鍵は出ている。不思議に思って図書室を開けると、俺が地獄の悪魔達と戦っている最中(?)だったので、面白そうに思って彼女も参戦。3日間、コンビニ弁当と2,3時間の惰眠だけを糧に、俺たちは悪魔から勝利をもぎとったのだ(なんかちがう!)!
兎も角、俺とこの生徒の接点はそれくらいしかない。
告白の言葉は「先生の背中に惚れました!いつまでもついていきます!」とかいう反吐がでそうな言葉だけだったので、俺のどこに惚れられたのか全く分からない(背中は敢えてスルー)。
「先生、ハイあーんv」
どかっ
「1回死んでこい」
俺は腹がへってんだ。かまってられっか。
「むぅ…! まだあるもん!はい、サンドウィッチ♪あーんvv」
ばきぼきどかっ
「10回くらい死ね(怒」
とか言いながらもサンドウィッチは手から奪ってきちんと食べる。こいつの分も。
「あーッ!!先生あたしの分食べたーッ!Σ(Ω口Ω)))」
ぎゃんぎゃん言いながらまとわりついてくる。…うぜぇ
「うるせぇ、ほら、喰いたきゃ喰え!」
あまりに五月蠅いので、仕方なく自分の口から移して食べさせてやることにしよう。俺ってやっさしー♪
「む…?!」
ばたばた!
「むっ…!」
じたばた
「むぅぅうッ!!」
ばたばただかだか
「……」
きゅう
ああ面白い♪
窒息しかけたのか、目がバッテンになっている。様ぁミロだ。
「せっ(ゼィゼィ)先生っ!(ハァハァ)死ぬかと…(ぜぇはあ)思った!」
「チッ、まだ生きてたのか」
「酷ッ!なんてお方!でもあたしはそんな先生がしゅきぃ〜v」
ぶちゅっと音をたてて頬にキスをしてきたので、今度は正拳。
「(ちーん)」
少し、思った。聞いてみようか。俺のどこが、なにがいいのかきいてみようか。
「岩波さん」
「むぅ…なんですか改まって。」
あ、正拳突きちょっと怒ってる。
「あんたさぁ、俺のナニがいいわけ」
「ふへ?やっだぁー!なによぉ先生、あたしは先生の背中大好きッ!って何回もいったじゃないすかぁ〜v」
「……」
くねくねと体をよじらせて不気味な動きをしているやつの言葉をどう受け取ればいいんだ!
ってゆうかあれか、あれなのか?そのまんまの意味で、ほんとに俺の背中が好きなのか?3日間地獄(さっき命名)のとき俺の背中によじのぼって扇風機の掃除をしていたときの感触がそんなによかったのか?じゃあなんだ、毎日弁当を作ってきているのは背中の贅肉を増やすため……いやいや、俺だってまだ25だ、中年という年でもない、いや、だがしかし最近どうにも腰回りが太くetc etc……
「あのー、せんせ?大丈夫デスか?」
「……」
いやまてだがしかしetc etc……
「……もう、じゃあ言いますけど、あたしは先生が好きだから好きなんです(ぶぅ)。しょうがないじゃんか、先生格好いいし優しいし、正義感あっていい人だし、ときどき…や、かなりドSだけど、でもそれは先生だからしかたないし、」
「おいっ!」
なんか話の流れが変わってきたなー、と思いながらボンヤリときいていたら、なにを言い出すかこの天然失礼千万娘は。
「さっきのちゅーだってそうだったじゃん!!…とにかく、あたしは先生が全部好きなの!バクって食べて胃のなかで消化しちゃいたいくらい大好きなのっ!」
「まてその思考危ない!!」
「かーんだせーんせーいぃ!あーいーしーてーるーよぉぉーっ!!!」
「ちょっ、まてお前どこ向かってさけんでんだよこのバカっ!」
「校舎(しれっ」
「しれっと言ってんじゃねぇしばくぞこのやろう!」
「やれるもんならやってみーろ♪」
「ッ!このクソガキ!」
俺の心配はいい。もう大丈夫だ。あんな大音量で叫ばれてみろ、どこが好かれているのいないの、気にしなくてもいいような気になっちまう。
俺はとりあえず醜態をさらさせた罰として、校舎から顔をだす物見高な生徒達にみせつけるようにして彼女の唇(と舌)を奪った。
しばらくこいつで遊んでみるのも、いいかもしれない。
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