一彦と私
この作品は、全て妄想であり、創作です。
短パンからスラリと伸びた脚。
筋肉が張って浅黒い肌にブルーのシューズ。
先輩に怒鳴られて、しょげてるところまで美しい。
礼子は別な中学から来た生徒で、奈津子がほかの運動部のメンバーに聞いて見てくれたところ、昔から成績はパッとしないが、頑張り屋なので受験間際に一気に成績が伸びてT高を受けたと言う。
見かけ通りの男まさりのさっぱり系。男子にも大人気だが、いかんせん、喧嘩ぱやくて黙ってられず、平気で男子にも言い返したりするので、女子にも人気だと言う。
T高生になっての彼女の人気の一つがファッションらしい。原色と言うか、はっきりした色を着る。が、これが彼女の健康美を引き立てていた。髪はショートカットで、いつも、かっこいいスニーカーかバスケシューズを履いていた。
で、肝心の恋愛事情だが、今のところ有名なのが、3年生のラグビー部の元主将が、自分が希望大学に受かったら正式に彼女のご両親にご挨拶に行くからそれまで誰とも付き合わないで欲しいと頼みに来たとか。ゴツい身体を小さく丸くめて彼女に頭を下げたとか。
ちょっと笑えるけどすごいわ。
その主将、早稲田からも慶応からも欲しがられてるらしい、って噂聞いたけどな?
で、礼子の方は笑って話ししてたらしいから、あんまりその気がないんじゃないか?と言う事らしい。
私は礼子があまりにもかっこいいので、自分も惚れ惚れしたが、ここは意を決して、一彦にぶつかる事にした。
振られて気まずくなり、友達じゃ無くなるのも寂しかったが、何もしないで他のクラスの礼子に取られるのも悔しかった。
しかし、悶々と過ごしていた私に、事件はその後起きた。
その日は珍しく一彦が、私に、C高の文化祭に由香が行くと聞いたけど、僕達も行かないか?同じ中学の奴がバンドやってるんだけどそのバンド、全員イケメンで有名なんだ、聞きに行こう!
と、由香と全く同じセリフを言って来た。
私は思わず聞いた。
『2人で?』
一彦はちよっと赤くなったが、
『うん、たまには2人で行かない?そいつに菅田さん(私の事)紹介したいし。』
にぶい私はまた聞いた。
『え?なんて紹介するわけ、クラスメートって?』
『言わせないで、恥ずかしいなぁ。』
と、一彦は別れ際にすばやく私のほおにキスして、逃げた。
ど、ど、どうしよう。
今、一彦が好きだって言ってくれたんだよね?
礼子の事気に入ってるんじゃないの?
16歳の11月の出来事だった。
あれ、一彦と急接近の模様ですね?他校の文化祭もありがたいですね?