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夢の宴  作者: naomitiara-tica
8/20

一彦の憧れの彼女現る

この作品は、全て妄想であり、創作です。

由香が上機嫌で、登校して来た。何かとわかりやすい子だ。



元彼の佐々木君からC高の文化祭に招待されたと言う。そーいえば、理沙も文化祭の出し物の準備が忙しいと言ってたっけ。



どうしたの、また付き合うことになったの?と私達が聞くと、なんでも、佐々木君は理沙に、ハッキリと、自分には好きな人がいるから貴女とは付き合えない、今まで通り友人でいて欲しいと言われたらしい。



で、そこからが笑える。C高の文化祭に他の学校の彼女を連れて来るのはトレンディだが、さすがに自分達より進学校だと言われているT高の彼女を連れて来るのは珍しい。だから由香が来てくれれば鼻が高いと言うわけだ。まぁ、理沙には可愛さでは負けるかもだけど由香は家が会社をやっており、なんとなく令嬢風の魅力がある。



奈『由香は嫌じゃないの?』

由香『うん、正直、こいつバカにしてんのか?と思ったけど、まぁ、いいかな。私も佐々木君と彼氏彼女になりたい気持ちも冷めたしさ。それにちょっとC高の文化祭見たくない?あそこイケメンバンドで有名じゃん?一緒に行こうよ?』



とノリノリだったが、由香と奈津子で出かけて向こうで理沙と会っても微妙だし、私はどうせ母が許してくれないし、奈津子はちょうど練習試合があるとの事で、由香は別な友達と行く事になったようだ。



とりあえず、この前のお汁粉屋の密会は由香に内緒のむね、奈津子から理沙に口止めをしてもらう。



その日は珍しく、一彦が何かの用事で居なくて、ほかの2人組と私で歩いていた。

2人が、待ってましたとばかり私に言う。一彦は5組の同じ電車のコに憧れている。ちなみに私達は2組だ。のんびりしてるとその子に行っちゃうぞ?っと。



私は胸がざわつく。



考えてみれば、私と一彦はお互い告った訳でも約束した訳でもない。恋人同士でも何でも無いのだ。私が勝手に好きで、皆んなで一緒にいるだけだ。2人では何回も喋ったり、帰ったりしてるが、ただそれだけ。馬鹿な私は一彦が誰かを好きかも知れないなんて思った事も無かった。友達の恋模様ばかり心配していた。



私は2人から聞き出した5組のその子 ー礼子ー を観察、調査する事にした。

礼子は陸上部、浅黒い肌にスラリと伸びた、陸上選手らしい長い手足、真っ赤なスポーツバックが凄く似合っていた。いや、これは電車の中では超目立つだろ。



私は焦った。

一彦にまで、憧れの彼女が?さぁ、私うかうかしてていいの?

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