スケッチの君
この作品はは、全て妄想であり、創作です。
まさかまさか、理沙の想い人は一彦じゃないよね?
テレビドラマじゃあるまいし....
私は焦ったが、落ち着いて聞いてみたら、一彦ではないようだ。思わずホッとする。一彦は他校の生徒にまで目立つような人であるまい、大変失礼ながら....
話はこうだ。
夏休みに理沙が駅でT高の不良っぽい先輩に絡まれ今からどこかに遊びに行こうと誘っわれて困っていた。これまた、あるあるだが、僕の連れに何か?と割って入って来たのが、その学生だった。不良達は、なんだ男連れかよ?うぜぇ、さっさと消えな。っと毒を吐いて去った後、その学生が理沙にお説教したと言う。
『夏休みに化粧して短いスカートで、歩いてたら絡まれるに決まってるだろ?君が悪いよ?』
で、理沙がお礼を言って泣きそうに下を向いてたら、一枚のスケッチを渡された。
『実は僕も、君があんまり絵になるからあっちから描かせてもらってたんだ、ごめんね』
と、そのT高生はさっさと行ってしまったと。
理沙は毎日そのスケッチをお守りのように持ち歩いていると言う。
恥ずかしいと言って見せてはくれなかったが。
ぎゃ〜〜。
何?そんなキザなセリフ吐くやつがT高生にいるってか?
うちらの同級生に?
理沙に容姿を聞いてもハッキリしない。ドギマギしてよく思い出せないらしい。
メガネをかけて、絵を描く人。
イヤイヤ。範囲広過ぎだろ。
奈津子がなんで同級生だって分かったの?と聞いたら、数学の参考書が見えたらしいのだが、数1と書いてあったと。しかもあの私服の着方がT高生だと。ちょっとださかったらしい。クスッ。
キャプテンの話をするどころか、逆にその男子を探して紹介してくれと、理沙に頼まれてしまい、私と奈津子は思わず笑ってしまった。
こうやって、みんな好きな異性、見つけるんだなぁ。
その男子生徒、赤沢悠介が私にも今後関わってくるなんてその時は夢にも思わず、私達3人で、また会おうよー、なんて言いながらのんびりお汁粉をお代わりして食べていた。
あれ?骨のある男子がいるみたいですね?意外や身近に?