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夢の宴  作者: naomitiara-tica
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秘密の2人

この話は、全て妄想であり、創作です。

私は由利子の件で少し気持ちが暗くなった。うらやましいというより、ちょっと不気味だった。



他のメンバーも似たり寄ったりの気持ちだったらしくお互いに牽制し合ったわけでもなんでもなく、その話題は6人だけの秘密だった。担任が10代の教え子と付き合ってるという噂だけで親達の耳にはいったらあまりよろしくない気もしたからだ。



後期になり直ぐに席替えがあり、そういう時に限って私の隣に由利子が来た。



由利子はおとなしめの美人で、しっとりと私よりずっと大人っぽかった。肌なんかすべすべ、身体は細いのに気のせいか胸もふくよかだ。

私は見るつもりなくてもどうしても由利子を観察してしまっていた。でも担任のNと話していることも見たこともないし、Nが世界史の授業で私達の近くに来ても由利子は全く普通だった。どっちかというと私のほうがおろおろしてしまい・・・Nに菅田(私の苗字)どうした?熱でのあるのか?なんて聞かれる始末だった。



私にもいつも感じよく、私が終わらなかった宿題も必ず写させてくれて、優しい子だった。とても静かでこんな子が年上の男性とどうにかなる・・・ってのが私の中で結びつかないのだった。



ある日、由香と奈津子と3人校庭の片隅でだべってたら、また由香が新しい情報を持ってきた。



あのあと由香のお姉さんが、卒業した先輩に聞いたらしく、Nはどうやら卒業生の女子と一度妊娠騒ぎをおこして大問題になったことがあるとか。女子生徒が私はNの子を妊娠した、と騒いだので、わが子を信じる親が学校に乗り込んで来たとか。



普通だったらそんな噂がたっただけで転校させられるが、Nの父親が県会議員なので、事なきを得たのじゃないか?と。でもその女子生徒も普通の優等生でどちらかというとみんなの人気者だった。事実はもちろん闇に隠されてしまったが、なぜそんなメンヘラのようになってしまったのか、当時Nが23歳、女子生徒18歳で、もしかしたら口約束で結婚の約束でもしたのでないか?と親も女子生徒の友人達も、ちょっと悔しそうだったとか・・・・



由香が、したり顔で私達に言った。

『ねえ、つまりNって誠実を売りにした、実はとんでもないプレイボーイなんじゃないの?自分好みの教え子ばかり狙って、その気にさせるとか?』

私達はどうもピンとこなくて、曖昧に頷いていた。



そのうち体育祭や次のテストがありその話題もちょっと忘れてしまっていた。



一彦と私は、いつのまにかなんとなくいつも一緒にいるようになり、お互い気持ちを確かめた訳でもなく、なぜかクラス公認のさわやかカップルにされてしまっていた。お互いの告白はもちろん、キスはおろか手も繋いだ事もない。ただ一緒にいただけだった。

私は帰宅部だったし、一彦のバトミントンは週3回だったので、それ以外はいつも駅まで一緒に帰り、それに他のメンバーが加わって騒いだり、本を貸し借りしたり、いつも苦手な教科の愚痴と苦手な先生の話をして、全くのんきな集団だった。



そんなある日、事件は起きた。



いや事件と言うべきであろうか?・・・・由利子が泣いていたのだ。Nの胸で。

あるあるだが、誰もいなくなった図書館の片隅で。

Nは困ったように由利子の背をぽんぽんとたたいてあやしていた。そして、私は一瞬錯覚かと思ったが由利子の綺麗なあごを持ち上げ、Nがキスをした。

由利子は泣きながら背を伸ばしてNの首に腕を回し・・・・2人はますます深く抱き合っていた。



私はドラマ以外で本物のキスを見るのはもちろん初めての事であり、とにかくこの場からどうやって逃げ出すかと必死だった。



私は図書館に今来たふりをしてすいません~。今日までの本、返すの忘れてしまい・・・誰か係りの方いらっしゃますか?と大声を上げた。

とにかく自然に登場しなければ....


由利子とNが2人でいるとことを見てしまった私・・・焦っちゃいますよね?

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