大学一年の夏休み
この作品は、全て妄想であり、創作です。
仲間内で、私だけ希望の大学に落ちた。
まぁ、3年生になってやっと受ける大学を考え、それまで優柔不断でフラフラしてたわけだし当然の結果とも言えるが。
奈津子は推薦入学で東京の薬科大学に、由香も東京の女子大に一彦は地元の国立に、悠介は地方の医科大学に合格した。由利子はシアトルの語学スクールから大学に進むらしい。
私は第5希望ぐらいの東京の医療大学に補欠で引っかかった。それでも自分の実力を考えれば御の字中の御の字だったのだが、私のプライドはズタボロだった。全くつまらない腐れプライド。
両親は呆れて怒り狂った。
私がもう少し出来のいい娘だと思っていたらしい。それに関しては申し訳なかった。
私ほ毎日毎日フテって授業を受け、隣に座ったスレンダー美人と友達になり大学の悪口を言って過ごした。憧れの大学生活がこんなに惨めなものとは思わなかった。
だから親達はうるさく言って子供に勉強させるんだな。こんな気持ちを少しでも味わなくて済むように。どうせなら生き生きと学生時代を過ごせるように。
T高での3年になってからの一彦や悠介とその後だが、一彦とは全く変わらないペースで、サランドルに行き、図書館に行き、たまに帰り道にキスした。ちょっと深いキスもしたが、それだけ。
悠介は、理沙に絵のモデルになって貰ってから勉強教えたり仲良くしてたらしいが、夏以降、受験まっしぐらに進み、学校で私とすれ違っても軽く挨拶するだけになった。
一彦の事しても、悠介の事にしても受験勉強にしても、何となく心のどこかで消化不良の感が否めない私の高校生活はこうして終わった。呆気無かった。
私は東京、一彦は地元、悠介は地方とバラバラになり、2人との縁も自然に消滅してしまった。なんか自分自身が希望大学に行けなかった事で白けてしまっていた。
そんな大学一年の夏休みに、帰省した私はイケメンバンドのボーカル、山崎浩行にばったり再会した。
いや、向こうは私を知らないんだから再会とは言わないか。
私は浩行と寝た。19歳の夏休み。初体験。
大学生活にフテっている菅田。浩行と再会ですね?