一彦と付き合い始める
この作品は、全て妄想であり、創作です。
私は完全に舞い上がった。
....が、他校に出かけるなんて言ったら母が絶対に許してくれないむねと、由香の誘いも断ってるのに、一彦と出かけるのはさすがに気まずいからと正直に話した。
一彦は笑って言った。
『2人で出かけたかっただけだから別に文化祭じゃ無くてもいいんだ。市の図書館でも、帰り道にある喫茶店でも』
そっか。嬉しい。
私達はとりあえずデートする事になったが、休みは家族の目を誤魔化すのが、鬱陶しかったので、土曜日の授業が終わってからテスト勉強の名目で、場所はサランドルと言う、明るくて安くて、学生しかし来ないような、喫茶店にした。
もちろん母には図書館と言っておいた。
その後、私と一彦の卒業するまでの集合場所はこのサランドルになったのだが....
マスターもT高出身とかで、随分お世話になった。
一彦と私は今で言う馬鹿ップルというやつだった。
交換日記をし、図書館で勉強し、可能な日は一緒に駅まで帰り、2人のお小遣いが足りてる時は割り勘でサランドルに入り浸った。コーヒー2杯とサンドイッチ一つだけで申し訳ないようだった。
そんな浮かれた私を母が気がつかない筈なかったが、私は母に厳しく育てられたため、逆に、妙に要領が良かった。母のツボを押せると言うのだろうか^_^
一彦と付き合うようになってから勉強も馬鹿みたいに頑張ったし家の手伝いも積極的にやった。
一彦しか見えなかった。一彦が私の世界の全てだった。将来は同じ大学に行って、ずっとずっと一彦と一緒に歩いて行くのだ。
一彦に礼子に憧れていたらしい話を聞くのも、C高のイケメンバンドの友達の話も、由香と佐々木君の話も、奈津子のキャプテンの話も、由利子とNの話も、ましてや理沙が探してると言うT高生の話も、すっかり全て忘れて浮かれていた。
そんな脳天気な私も二年生になった。
一彦とるんるんの私。このまま無事に行くかな?