表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ『手紙と、ダンジョンと、おひるごはん』

ーー拝啓、ゆきち様。

それとゆきち様の下僕……じゃなくて、従業員の皆様。先日はお世話になりました。おかげで××は、遂に×××に××××××き×し××


「……なんだよコレ、全然読めねぇ」

猫の爪と牙によって遊ばれた手紙は、前半部分のみ、なんとか認識できる状態だ。

俺はその手紙を丸めてゴミ箱に投げ入れた。

そして大きく深呼吸をして立ち上がり、春の朝日が差し込むこの部屋を出た。


ーーーーーーーー


「まっずー! 何コレ! マズい! 何て料理!?」

「あ? うるせぇな。黙って食え。ゴブリンの手の煮付けだよ」

「最ッ悪! なんてモン食べさせてるのよ! うぇぇ……知りたくなかったわ……」

「お前が何て料理か聞いたんだろ!? ほら、マンドラゴラの漬物もあるぞ」


うーん、相変わらず賑やかだ。

マンドラゴラの漬物をかじりながら、俺は目の前の喧騒を眺める。

よく見る光景ではあるが、ここはいつもの食卓とは違う。

薄暗いダンジョンのど真ん中だ。

こんなことになったのも、全てアイツがウチに来てから。

まったく、とんだ厄病神を拾ってしまったようだな……。


それにしても、マンドラゴラの漬物というものもなかなか悪くない。

ダイコンのような歯触りに、ニンジンのような甘み。

そして夏を連想させるキュウリの塩漬けのような爽やかに鼻を通る酸味。

ダンジョンで採れる食材であれば採取をすれば手に入るし、これはゲストハウスへのいい呼び込みになるんじゃないか?

と、ダンジョンに潜っていても商売のことをどうしても考えてしまう。


そんな平和なランチを楽しんでいるその時、騒がしい団欒を切り裂くかのような咆哮が俺たちを襲ったーー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ