手に入れたものと失ったもの
3年前
2021年小学6年生の秋アメリカへのホームステイが終わり日本へ帰国の日がやってきたある日アメリカの×××××空港でテロが起きた。空港には複数の爆発が仕掛けられ空港内の人空港の外にいた近くの人達が被害を受けた生存者わずか2名。結局テロ組織は捕まらなく今も逃亡中だ。そして生き残った2名の男女1人は軽症もう1人は左手と右足を失った。彼は救助されるまでのあの痛みと感覚は未来永劫忘れないだろう...いや、忘れてはならなかった。
彼...冬御奏はテロから3日後手術を受けた。その手術は人体実験に等しかった。手術の内容は「強化人間の作成とその実用化」だ。
成功確率50%高くもないし低くもない微妙な数字だった強化人間とは体の一部のダイヤモンドより固くそして人の腕の重さとは変わらない義手、義足に変えることだ。
その実験に参加するためには警察組織に入らなければならない。だが、事情が事情だから警察組織は特例で認めた。認めた理由は幼い内から訓練を重ねれば将来有能な存在になると判断した。
4年後
そしてテロから4年がたった2025年彼の運命は動きだした。
「はぁ!?俺が高校にですか?」
「あぁ、そうだ。今から1週間後日本の東京の高校に入学してもらう」
それは突然だった。SPのボスから呼ばれて見ればこんな事を言われた。
ちなみに今アメリカnow
1週間後と言えば5月だ。微妙過ぎるだろと心の中で叫んだ。
今、奏が高校に通って入れば高校1年生の歳だが警察組織のSPに所属している為学校には通っていない。
「でも、何で急に?」
「俺達はSPだぞ?護衛に決まっているだろ?」
いわゆる潜入護衛だ。
「あー、なるほど。で、護衛目標は?」
「それは護衛前に言う」
「了解です」
「あと、摩夜華と夕凪にも伝えておけ」
「あの2人もですか?」
摩夜華と夕凪
は奏の同期でチームを組んでいる女達だ。
「お前達はチームだから当たり前だろ?」
「言われてみればそうですね...」
「では、それまで自由行動を許可」
そして部屋を出た。
「しゃ!自由だ!」
約4カ月ぶりの自由だったから柄にもなく叫んでしまった。
このビックニュースを元に摩夜華と夕凪が待つ部屋に急いだ。
「お前ら!自由行動の許可が出たぞ!」
「「な、なんだってー」」
2人もめっちゃくちゃ喜んだ
「やったー、休暇だーショッピングだーショッピングに行くぞー!」
夕凪は感情を表に出すタイプだ。
「休暇...」
摩夜華は感情をめったに表に出さないタイプだ。
「ねぇねぇ奏ー明日ショッピング行こうよ!? 摩夜華
ちゃんも行こ!?」
「えー、まぁいいや新しいピアス欲しいし」
「私...ヘヤーアイロン欲しいから行く...」
「ピアス開けすぎじゃない?8つって」
「夕凪、今は2つしか空いてないから安心しろ」
「2つかー、少なくなったね」
「てへへ」
なぜか照れてしまった
「いやいや、褒めてないから」
そんな漫才的なやり取りをやり続け次の日3人でショッピングに行った
その3日後再びボスから呼ばれた。今度は3人一緒に。
「じゃあ、ミッションを説明するぞ」
「「「はい」」」
「ミッションは護衛。護衛目的は秋風薫李」
秋風薫李その名前には覚えがあった。
何せ自分の初恋の相手であのテロ事件で俺が守ったそして俺と2人で生き残った女だ。
「ボス...俺は会うべきじゃないと思います」
「どうしてだ?お前は彼女の命を救った。たった12歳のガキが救ったんだぞ?誇らしいことじゃないか?」
「俺に会ったら彼女はあの時の事を思い出すんじゃないかと思うんです」
俺は自分の素直な気持ちを伝えた。
「そこら変は...当たって砕けてこい」
「どうしても俺達が行かないとダメですか?」
「お前達は命令違反を起こすのは当たり前だ。だが、お前達はお前達の得意分野がある。その得意分野は全てにおいてトップクラスだ。だからお前達が選ばれた」
言葉がなかった。全て真実だからだ。
「わかりました」
短く返事をした。
「では、頼む。あと、制服などの必要な物は全て用意する。速急に荷物をまとめ明日の午前10時空港に集合だ」
「「「了解」」」
それからは各自部屋に行き荷物をまとめた。
10:00
時間通り3人は集合した。
10:30分
アメリカから東京への飛行機が出発した。
3時間後ようやく到着した。さすがに3時間も座っていたため疲れた。
そこから30分車で移動し用意されたマンションに行き荷物を片付け明日からの護衛目的の情報と転校前は何をやっていたのかの偽造学歴に目を通してその日は寝た。
次の日大きな物音がして目を覚ました。
「起きて!!奏!ヤバいよ!遅刻だよ!」
時計を見ると8:30。確か8時40分に来るように言われた。奏は思った終わった...と
あなたは転校初日から遅刻しました。さぁ、どうする?
1、萎える
2、遅刻する
3、寝る
冬御奏はどれも選んばなかった
「その幻想をブチ殺す!」
そう叫ぶと、急いで制服に着替え玄関を飛び出して摩夜華と夕凪と一緒に全力で学校へ走った。普通学校まで15分掛かるが俺達は体を強化され足や腕を機械になっているし日々鍛えているため5分でついた。
「思ったより余裕だったな」
「だねぇ」
「全然余裕でした」
高校は浜海学園クラスはA、B、Cに別れている。
俺はA組、摩夜華はB組、夕凪はC組とクラスが別れた。なぜかと言えば同じクラスに3人も転校したら怪しませるからだ。
3人で職員室に行き4階に行くように言われた先生は教室の前で待っていた。それぞれの先生に挨拶しに行かなくてわならないから2人と別れた。
「えっと...冬御奏です。よろしくお願いします 」
挨拶をし頭を上げた。
「あーあー、わかってるよ奏」
ん?なにやら聞いた事のある声だった。恐る恐る顔を見ると
「うわっ!先生何でいるんだよ!」
目の前には義手と義足を作った天才の1人が立っていた。ちなみにメンテナンスもやってもらっている。
「いやー、なんか頼まれたから来ちゃった☆」
「いやいや、来ちゃったってマジかよ...だから1カ月前ぐらいから居なかったのかよ...」
「まぁ、4月から新任教師としてこの学校に勤めることになってな。じゃあ、奏そろそろ時間だ」
「はぁー、はいはい」
もうどうでもよくなってきた。
そして先生が初めに入った。
「えーと、今日は転校生が来た。入りたまえ」
ドアを開けホワイトボードに名前を書き
「冬御奏だ。よろしく。」
ところどころ「え?冬御奏ってあの?」「マジかよあの奏か?」「奏君変わってる...あのピアスとか...」そんな声が聞こえた。
「奏はアメリカから来た帰国子女だみんな仲良くするように。何か質問がある奴はいるか?」
と、無駄な事を聞き始めたが10人ぐらいが手を挙げた。そして1人を当てると
「どうしてこの微妙な時期に転校してきたんですか?」
まぁ、1番聞きたい質問だろうな
「アメリカの学校から無理やりに日本に行けと押し付けられたからだ」
クラスからはちょくちょく「うわー」とか「ゲスー」とか聞こえてきた。
「質問は以上か?なら、席は...秋風の隣だ」
って、いきなりかよ
自分の席へ歩いた。そして秋風の隣に行き
「今日からよろしく」
「私の方こそよろしく」
2人の男女が再び再開し崩壊へと進む物語は動きだした