序章
前述しましたが、初作品なので、改善点指摘してくださると嬉しいです。
あと、感想くれるともっと嬉しいです。
××県、××市
偏差値63、公立都或高校。
なんの特徴もないその高校の2年C組には、
女王がいた。
最悪だ、最悪だ、最悪だ。
はあはあと息切れを繰り返しながら、僕は床に叩きつけられるように倒れる。
もうこんなことされたら言い訳なんて思いつかない。
クラスメイトは嗤いながら、僕がさっきまで首すら突っ込んでいたバケツの水を、こんどは体全体にかけてくる。
僕のメガネはどこだろう。頭が朦朧として外したのかも思い出せない。 周りの声が大きくなったり小さくなったりして、僕を嘲っている。
近視と乱視のフィルターがかかった目でちらりと「二人目」を見る。
怖がっているようにも見えるし、安心しているようにも見える。今日の「プレイヤー」が僕だからだ。
次に「女王」様とくれば、サーカスを見ているように、目をきらきらさせて笑っている。
「すごいね、河嶋くん!本当のお魚が跳ねているみたいだったよ!」
息が苦しくてもがいていた時のことを言っているんだろう。
そんなブラックユーモアも、「女王」がいえば最高に面白いのだ。
揺れる視界の中で僕が最後に見たのは、地面に落ちたメガネを誰かがふみ壊すところだった。
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この「ゲーム」の発端は、クラス替えから間もない頃だった。
クラスごとに行われるレクリエーションを決めるため、議長である「居嶋 旭」が考案したものだ。
居嶋はこの都或高校の期待の星である女子生徒だ。茶髪を半ポニーテールにした姿はかわいいと言わざるを得ないもので、男子生徒からはもちろん、女子生徒からの信頼も厚い。
居嶋が考案したそのゲームは、「全員が楽しむ」ことを目標にされた。
それには必ず勝ち負けがあり、負けた人や反則者には軽い罰ゲームをつける。
そんなこともあってか、やる気のないクラスメイトも渋々頑張り、そこから少しずつゲームにのめり込んでいった。
河嶋 みつるもその一人だった。
居嶋だけがゲームを決められるのは少し不服だったが、彼女が行うと決めたゲームはどれも斬新で面白い。
ドッチボールにちょっとした特殊ルールを取り入れたものだとか、教室でできる歩き鬼だとか。
みんな、彼女の「ゲーム」に夢中だったのだ。
それまでは。