序章
6月9日(月)
杉浦ひかげ。16才。高校生。
私は一言でいえば「かげがうすい」と思います。
事故にあったことも少なくありません。
高校の入学式のときだって、普通に横断歩道を渡っていただけなのにバイクに...
全治二ヶ月です。
退院するときには桜は散っていました。
そして久しぶり...というより、初めて?
登校しました。
事故のないようにそそくさと横断歩道を渡り、長い坂道を上り、やっとつきました。
とりあえず教室にいき、カバンをおいて、イスにすわります。
......
ぽつーん
周りを見まわします。
......
知っている人が一人もいない!?
そ、そ、そんなことはない...と思いたい...
クラス名簿をみてみます...
「ん~...?」
...知ってる名前が...ない...
「って、あれ?」
名簿の私のところに斜線がひいてある...
どうして...?
だれかのイタズラかな?
とりあえず、ちかくの人にきいてみよ。
「ねぇ、ちょっといいかな?」
「......」
え、無視...された...?
たぶん、かげがうすいから気付かなかったんだ。
どこか、さわれば気付いてくれるかも。
と、思って肩をさわろうとしたら...
スルッ
「えっ?」
私の手は人の体をすりぬけ―――――――
ガンッ!!
「~~~っ!!」
机にぶつかって、って...え?
重心がとれなくなって机にぶつかった...
うん。
でも、どうして?
私が肩にさわろうとした人がなぜかキョロキョロしている。
もう一度さわろうとしたら...
スカッ
「えっ??」
スカッ スカッ スカッ スカッ
「え、え、え、え??」
スカッ スカッ スッ
とちゅうでとめてみた。
......
「...え?」
私の手が人の体を貫通して...いや、通り抜けている!?
ほかの人にも手をおいてみる。
スカッ
...タックルしてみる。
スカッ
ガンッ!!
またも机にぶつかった...
「いった~~...」
...人の体と合わせてみた。
「合体~~!!
...ってなんだ!!」
やってみたかったんだから、しかたない。
が、これはマンガやアニメでよくあるあれを言わないと...
「な、なんですかこれはーーー!!」
叫んだあと、とりあえず私は席につく。
「ど、どしよ?」
話すことが大切だと気づいた私はすぐ近くにいる男子に話しかけてみた。
「あの~」
...あれ?
無視。
さっきと同じ。
なんだなんだ?
キーン コーン カーン コーン
チャイムが鳴った。
教室に先生が入ってくる。
先生。気づいて!私は今日登校してるんだよ~
「は~い、現国やるぞー昨日の続きだ、P79ひらいてー」
む、無視か!先生までもが...
こうなったらアクションを...
私は思いっきり席をたつ
これでみんなが一斉にふりむいて
...イジメかな?
たしかに私はあの時から、変わったと思う。
二ヶ月の間、学校をはなれ一人さびしく病院でねていたのだ
そして私は今日、
誰にも話しかけてもらえず、今日の学校は終わった...
私は...
人から見ると映っているのか??
私は久しぶりに下校というものを味わう
今日は病院から来たので家に帰るのは久しぶりだ
たしか私の部屋には大きな鏡がある
そこでたしかめよう
私の足どりは重く
ゆっくりと帰路についた。
家が見えた。
二カ月と変わらず、そこにひっそりと建つ白い家
私はカギを開けまっすぐと自分の部屋に向かった。
...私は映るのか?
こわい、こわい――――――――
ゆっくりと歩いていても、もう自分の部屋の前...
私はドアノブをひねり
そっと部屋に入った
私のにおい?かな
久しぶりの部屋をみわたす。
「あっ」
部屋のすみっこに大きな鏡がたたずんでいた
私はカバンを置いて
鏡へと向かう
これでなぜ無視されるかが―――――分かるか?
そして私は
そっとそっと、鏡の前にたった。
そこに私はうつっていました。
でも、違和感がありました...
何かな?と思い目を凝らしてみると分かりました。
体が透けて見えるのです...
「何...これ...」
私は怖くなって家を飛び出しました...