エピソード 4
ドリモグ号はぐんぐんと進んで行った。
やがて王宮と思しき建物が自分たちの目から見て、平らに見える様になってきた。
「もうすぐじゃの」とマリウス博士が呟いた。
王宮はドーム型の屋根に、周りは屋根の尖った塔が幾つか立ち並び、周囲を取り囲んでいた。
王宮に近づくと門兵が近寄って来た。
「すみません、ここはサーナ王国の王宮でしょうか?」とフリースが門兵に話かけた。
「いかにもここはサーナ王国宮殿である」と門兵は答えた。
「客人かな?」
「はい、私達はサーナ王国の同盟国ガイウス共和国のものです。我が国が侵略の脅威に晒されているので貴国の援助を得るために参上した次第です」
「何か証拠となるものはあるか?」
フリースはコクピットを降り、ガイウス王国の紋章を見せた。
「承知した!通られよ」
門兵はゲートを開けた。
中に通された。
宮殿の中は所謂中世のお城、という感じではなく、近未来的なメカニックな装いで、サイバー空間といった感じだった。
奥の方から背の高い男性が現れ、「もうすぐしたら女王陛下が来られます。暫しお待ちを」と言った。
フリースとマリウス博士は謁見室に通された。
テーブルに付くと、コーヒーとココアを混ぜたような飲み物を出された。
やがて女王陛下が現れた。
「初めまして。私がサーナ王国女王リリカです」
フリースは一見目を疑った。クーリンじゃないか…!
髪型や格好は違えど、顔や体格、声はクーリンそのものだった!
「私の顔に何か付いておるか?」リリカ女王がフリースの凝視に対して言った。
「いえ、何でもありません、私はガイウス王国国王の侍従フリースと申します。こちらはガイウス王国一の科学者マリウス博士です。早速ですが我が国は北の魔術国家グラニフ王国の侵略の危機に晒されております、どうしても我が国と同盟関係にある貴国の支援が必要のです」フリースは頭を下げて言った。マリウス博士も頭を下げた。
「頭を上げられよ」
リリカ女王は済ました声で言った。
「よかろう、ただ今この国には資源がない。徹底した兵器を操るエネルギーが無いのじゃ」
「そうですか…」フリースが残念そうに言った。
「マモン、この者達を兵器工場にお通ししなさい」
「分かりました」
背の高い男性は言った。「ガイウス王国の使者殿、こちらに参られよ」
フリースとマリウス博士は兵器工場へと連れていかれた。
そこは多数の円盤型戦闘機が整列されていた。
リリカ女王は言った。
「見よ、我が国の戦闘力を。ただ我が国にはこれらの戦闘機を操るエネルギー、液体プラズマが底を突いておるのじゃ!」




