エピソード 3
「じゃあワシらはドリモグ号に乗り込むぞよ!でも残念な事にこのドリモグ号は2人乗りなんじゃ…」
マリウス博士は残念そうに言った。
「大丈夫だぽよ、あたしにはちゃんとした乗り物があるがあるから」
少女は口笛を吹いた。すると茂みの中からダチョウの様な大型の鳥が現れた。
「あたしはこのライサ鳥に乗って案内するぽよ」
「わかった。僕達がドリモグ号に乗って君の後を追えば良いんだね」
「そうだぽよ」
ドリモグ号は少女が操作するライサ鳥の後を追いながら進んでいった。
マリウス博士は、周りを見回し、「この世界には空が無いようじゃの。地形は丸いというか内側に向かって丸くなっておる。つまり上の風景はこの地上の続きなのじゃ!」
「つまり地球は空洞だったんですね」
「その通りじゃ!」
3時間程もすると2人とも腹が減って来た。マリウス博士は「そろそろ休憩しようかの」と言った。
フリースはコクピットの蓋を開け、「おーい、そろそろ休まないか?」とライサ鳥に乗っている少女に呼び掛けた。
ライサ鳥は停止し少女はライサ鳥から降りた。
3人は集合し、マリウス博士は用意してきたサンドイッチを取り出した。
「君も食べるかの?」とマリウス博士はサンドイッチを差し出した。
少女は暫くクンクン匂いを嗅いでいたが、やがて口に含むと、「美味しい!」と言った。
フリースは水筒に入れていた紅茶を飲みながら言った。
「そういえば君、まだ名前を聞いて無かったね」
「クーリンだぽよ!」
「クーリンか、可愛い名前だね。僕はガイウス王国の従事者フリース、こちらはガイウス王国一の科学者、マリウス博士だ」
「二人とも変わった名前だぽよ」
「昔我がガイウス王国とこのサーナ王国は同盟を結んでいた、て聞いたけど、本当なのかい?」
「随分昔の話だぽよ」
「ここのサーナ王国も科学文明が進んでいるんだよね?我が国と同じように」
「そこまで詳しくは知らないだぽよ」
クーリンはそっぽを向いた。
「あーワシは何だか眠くなってきた、ちょっと一休みするかの」
「そういえばなんか僕も眠くなってきた。クーリン、ここの国には夜はないのかい?」
「夜?何それ?」
「そうなんだね、一晩中日が沈まないもんね。じゃあ一休みするね」
フリースとマリウス博士は草むらに寝転がった。
*****
2人は目を覚ました。
クーリンの姿は何処にもなかった。
「アレッ、 クーリンは何処に行ったんだ?クーリン、クーリン」
気が付くとライサ鳥も姿を消していた。
「こまったのぉ… あの子がおらんと王宮に辿り着けん」
「あっ、あれが王宮じゃないですか?」フリースが上空を指さした。
地面は平ではない、ずっと先の風景が空に見える。
見るとそこには大きな宮殿の様な建物が見えていた。
「ウムッ。 先ずはあそこに向かって前進じゃの!」
と2人は意気揚々にドリモグ号にのりこんでいった。