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サイエンスVSマジカル  作者: 船五郎
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エピソード 1

 科学と魔術 この二つの異なる性質が時には争いを生み、時には共有し、様々な歴史を刻んで来たのである。

 さて、この世界では強大な魔術帝国が驚異的な軍事力を背景に世界を圧巻していた。

 北のグラニフ帝国は魔術文明を繫栄させ、魔力によって周辺の国々を侵略した。やがて科学文明を主とする南のガイウス王国は北のグラニフ帝国の侵略の憂目にあっていた。


 ガイウス王国国王の従者フリースは国王に呼び出された。

 

 国王は言った。


 「フリースよ、我が国はグラニフ帝国の侵略にターゲットに曝されておる。それを食い止める為に地下帝国に応援を求めるのじゃ。地下のサーナ王国は我が王国とは近縁な国じゃ。サーナ王国は強大な科学技術を持っておる。サーナ王国が味方に付けば鬼に金棒じゃ!お主に親善大使として我が国書を授ける」


 フリースはそんな大役を自分に授けるのはどういう思惑があるのだろうと思ったが、口を開きこう言った。

 「陛下、地下帝国と申しましても、どうやって地下に潜入すればよいのでしょうか?」


 フリースの返答に対してガイウス国王はこう言った。

 「マリウス博士を知っとるじゃろう?彼は我が国一の科学者だ。先ずは彼の研究所を訪ねるのじゃ。マリウス博士は地下に潜入するマシーンを開発しておる。彼に援助を求めるのじゃ」

 ガイウス国王は髭を摩りながら言った。「お前に託したぞ!」


 王宮を出たフリースは内心不安だった。


 マリウス博士、我が国一の頭脳を持った科学者…


 フリースは国王に国書を託され、随一の科学者のもとを訪ねるのは相当緊張した。


 なんで自分みたいな若い侍従にそんな大役を託したのだろう?見当も付かなかった。


 マリウス博士の研究所は小高い山の天辺にあった。

 相当な変人として知られる彼は、どう応答してくれるのkあ。


 フリースは玄関のブザーを押した。返答がなかった。

 次に何度も何度もブザーを押した。やはり返答が無かった。


 留守なのか、と諦めて帰ろうとすると、「おーい、ここじゃここじゃ」と山の麓から声が聞こえた。


 地面が地震のようにグラグラと揺れた。まるで戦車の走行の様な音が鳴り響いた。

 正面の方から大きなドリルを催したマシーンが向かって来た。

 マシーンは制止し、中野コクピット思しき所から初老の男性が降りて来た。

 「フリース君じゃな、国王から話は聞いておる。さあ今すぐこのドリモグ号に乗って地下に潜入するのじゃ!」

 「エッ、今すぐにですか?」

 「そうじゃ、国書は持っとるじゃろう善は急げじゃ!」

 「わ、わかりました」

 

 フリースはコクピットの助手席に乗り込み、マリウス博士の操作するドリモグ号は地下を目指して轟音を立て、地面を掘りだしていった。

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