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完璧侯爵様、恋するとお腹が痛いんです —恋すると腹がキリキリする侯爵様の100連敗—  作者: ヨーヨー
第7章 悪役令嬢 クラウディア

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63/100

第63話 悪役令嬢、学園の容疑者に!?

お読みいただきありがとうございます!

今回のお話は、昨日の「鐘事件」の余波からスタートします。すっかり学園の“容疑者ポジション”にされてしまったクラウディアが、どう転んでも断罪フラグと笑いを背負ってしまう姿を楽しんでいただければ幸いです。


物語が続いていく中で、少しずつ大きな舞台へとつながっていきます。クラウディアの奮闘を一緒に見守っていただけたら嬉しいです!

もし「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークで応援してくださいね。次回以降の展開も、さらにドタバタで賑やかにお届けします!


翌朝。学園の中庭は、いつもより騒がしかった。


原因はもちろん――昨夜の鐘事件。


「ねぇ聞いた? あれは恋の鐘だって!」

「いやいや、厄災の前触れだって言う人もいたぞ」

「どっちにしても怪しいのはあのクラウディア様でしょ……」


……はい、完全に容疑者扱いですわ。

違いますからね!? あれはモフドラがロープにぶら下がって遊んだ結果ですから!

でも「無罪です」と叫べば叫ぶほど怪しくなるのがこの世界の法則。転生しても冤罪からは逃げられないのかしら。



---


ベンチに腰を下ろし、紅茶を飲んで一息ついていると、隣に人影が落ちた。

「顔が疲れているな」

ライオネル様だった。


うっ、昨日も助けられたのに、今日も心配されるなんて。

これは乙女ゲーム的にいえば“隠しキャラの好感度が急上昇するイベント”じゃありませんの!?


「ご心配なくてよ。ただ少し、睡眠不足なだけですわ」

「……そうか」


短い言葉。けれど、彼の視線がまっすぐで、心臓がどきりと跳ねる。

なにこれ、威圧じゃなくて普通にときめいてる!?

……あぁ違う、これは転生者としてのメタ的反応です。たぶん。



---


「クラウディア様~!」

そこへ駆け込んできたのは、ライ様の侍女のミーナ。いつも元気で、ちょっとドジで、庶民的な発想が豊かな子。


「朝からパンを三つ食べちゃって……お腹が痛いんです~!」

「知らないですわよ!」


なんでそんな報告をわたしに!? 侍女ならご主人に言いなさいよ!

ミーナはお腹をさすりながら続ける。

「でもでも、クラウディア様の声聞いたら元気になる気がして!」

「わたしは胃薬ではありませんわ!」


周囲の生徒がクスクス笑っている。やめて、悪役令嬢の株がさらに下がりますわ!



---


「……なんだか賑やかなだね」

後ろから声がかかった。ロイス様だ。

剣術の達人であり、王子の親友ポジション――いわゆるゲームでの正統派攻略対象。


「腹痛なら薬草茶を飲めば効くよ」

「えっ! 優しい!やっぱりロイス様素敵!」

ミーナが両手を合わせて感動している。

……ちょっと待って、これフラグイベントじゃない!?

本来はヒロインが“腹痛を助けてもらう”シーンのはずなのに、なぜかミーナが消化している!


いやいや、庶民侍女にイベント持ってかれる悪役令嬢ってどうなのよ!?



---


混乱するわたしの肩に、もふっとした温もりが乗った。

「ぷしゅー」

モフドラだ。ライ様の肩からいつの間にか飛び移り、わたしのお腹に丸く収まった。


……あったかい。いや、今は癒やされてる場合じゃない!

生徒たちの視線がまた集まってきている。

「クラウディア様、やっぱり魔獣を操って……」

「悪役令嬢っぽい……!」


違う! ただの湯気マスコットですわ!



---


ライ様はそんな空気を一刀両断するように言った。

「誤解するな。モフドラはただの……湯気だ」

「湯気じゃないですわ!」


思わずツッコんでしまった。けれどその瞬間、生徒たちから少し笑い声がこぼれ、重たい空気がやわらぐ。

……あれ? これ、わたしの評価上がった?


けれど同時に――胸の奥で嫌な予感もした。

これはきっと、断罪イベントへ向けた“評価ポイントの波”に違いない。

転生者の勘ってやつですわ。


わたしがモフドラをお腹に抱えたまま固まっていると、ゆっくりとした足音が近づいてきた。

低い咳払い――聞き慣れた毒舌の前触れ。


「クラウディア様。悪役令嬢の役作りは結構でございますが……あまり自然体すぎると、本当に断罪イベントに直行でございますぞ」


執事のバルドが、冷ややかな目でこちらを見下ろしていた。

……ちょ、今“イベント”って言いませんでした!? この人、まさか――。


「わ、わたしは断罪なんてされませんわ!だって今回は“回避ルート”を選んでおりますもの!」

自分で言ってて怪しい。周囲の生徒の視線がますます痛い。



---


すると、頭上のモフドラが「ぷしゅー」と盛大に湯気を吐き、まるで「落ち着け」と言わんばかりに鼻先を押し付けてきた。

……ありがとう、でもその湯気、ちょっと魚臭いのよね。港で遊んできた?


「まったく。湯気で頭を冷やすなど、エーデルワイス侯爵家の教育方針も随分と斬新でございますな」

「バルド!今はそういう皮肉を言う場面ではありませんわ!」


声を張り上げた瞬間、近くにいた生徒が「やっぱり悪役令嬢っぽい……」とヒソヒソ。

あぁ、イメージ回復どころか逆効果!



---


「クラウディア嬢」

背後から控えめに声がした。振り向けばロイス様。

けれど、彼はただ一言だけ。

「さっきの件、気にしないほうがいいよ」


それだけ言って、すぐに歩き去ってしまった。

……出番少なっ! ゲームならもうちょっと甘いセリフを残す場面じゃありませんこと?

けれど逆に、この淡泊さが“モブ寄りの扱い”っぽくて安心するわ。断罪シナリオで絡みすぎると、余計に火の粉が飛んできますから!



---


ライオネル様はそんな空気をまるで気にせず、ただ真っ直ぐにこちらを見ていた。

な、なに? どうしてそんな目で見るんですの?

まさか「怪しい人物を監視対象に」ってこと!?

それとも――フラグ? フラグですよね!?


心拍数が上がる。同時にお腹の奥がきりきり痛む。

あぁ、これが悪役令嬢の宿命、“恋腹”イベント……!



---


「若様」

すかさずバルドが口を開く。

「恋に腹を痛めるのは勝手でございますが、学園の医務室にご迷惑をかけぬよう、ほどほどに」

その声には――妙な含みがあった。

 “若様”ではなく“私”に刺さるような言い回し。まるで、わたしの“中身”まで見透かしているみたいに。


周囲がクスクス笑う。ミーナは

「クラウディア様、正露丸持ってきましょうか!」

と本気で走り出そうとするし。

「やめなさいミーナ!ますます悪役令嬢の立場が崩れますわ!」


こうして、鐘事件の翌日。

“怪しい女”のレッテルを貼られたまま、でもなぜか笑いの渦に包まれて――わたしの学園生活は続いていくのでした。


……けれど、この時のわたしはまだ知らなかった。

この小さな出来事が、やがて断罪イベントの大舞台にまでつながっていくことを。


だからこそ今はただ一つ、決意しておく。

「絶対に、フラグ管理をミスらない!」

悪役令嬢クラウディアの闘いは、まだ始まったばかりなのですわ。


ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

鐘事件の翌日、クラウディアはすっかり「怪しい女」の烙印を押されつつも、周囲の笑いに救われ……そして、じわじわ迫ってくる断罪イベントの影を感じはじめます。


今回のクラウディアは転生者としての焦りと、悪役令嬢らしからぬ天然な日常が入り混じり、よりコミカルに描けたと思います。皆さまの目にはどう映ったでしょうか?


「面白かった!」「クラウディアがんばれ!」など一言でも感想をいただけると、とても励みになります。また評価で応援していただけると、物語をさらに熱く続けていく力になります!

どうぞよろしくお願いいたします。

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楽しんでいただけましたか?

ぜひ☆評価で作者のやる気が上がります!

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まとめサイトはこちら!

https://lit.link/yoyo_hpcom

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