表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
完璧侯爵様、恋するとお腹が痛いんです —恋すると腹がキリキリする侯爵様の100連敗—  作者: ヨーヨー
第3章 召喚少女 島津カレン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/100

第22話 ギャル、ピース合図は胃痛の元!

いつもブックマークありがとうございます!✨

今回の話では、新キャラ「金髪ギャル・カレン」が本格的にライたちの仲間入り(?)を果たします。市場でのドタバタから、Wi-Fi(?)タワーでの大事件まで、ギャル的感性が異世界に大炸裂!

作者としては「ギャル語を異世界にどうぶち込むか」で頭を抱えつつ、でも書きながらめちゃくちゃ笑ってしまいました。ぜひ肩の力を抜いて楽しんでください!


市場の騒ぎがようやく落ち着いたころ、市衛兵の小隊が駆けつけてきた。

 鎧を着た若い兵士が書き板を手にして、真面目な顔で言う。


「先ほどの“魔導ライト暴発事件”について確認したい。誰が光の水晶を――」


「はいはーい! あーしっす!」


 元気よく手を上げたのは、金髪ギャル・島津カレン。

 自信満々で叫んだ。


「だって盛れるライトだったじゃん? そりゃ回すっしょ!」


「…………」


 兵士は言葉を失った。

 周囲の庶民は「盛れる?」と頭を抱える。


 そこでライが一歩前へ出た。

 長身で姿勢のいい彼は、低い声で淡々と言う。


「責任は僕が負う。彼女は危険ではない。扱い方を知らなかっただけだ」


 その瞬間、兵士はライの鋭い顔を見てガタガタ震え、すぐに敬礼した。


「ひっ、ひぃっ! は、はい! ライ様の仰せの通りで!」


 バルド執事がひげをなでながら小声で言う。


「若様。説明よりも、そのお顔の方が効き目があるようでございますな」



---


 ひとまず事情は終わった。

 ライはカレンに向き直り、真剣な声で言う。


「君を保護する。ただし三つだけ約束してほしい」


「三つ?」


「一つ。勝手に魔導具に触らないこと。

 二つ。危ないと思ったら合図をすること。

 三つ。僕や執事、侍女の指示を最優先にすること」


「おっけー! 合図はピースでいいっしょ!」


 カレンが笑顔でピース。

 銀の懐中時計の針がチリッと揺れる。

 ライはお腹を押さえ、モフドラが「プシュー」と湯気を出した。


「……兄様の判断は完璧ですわ!」


 黒髪の妹ルチアが、腕を組んで誇らしげに言った。


「召喚主として、あとは私が全面的にサポートしますの!」


「妹様、まずは反省から始めていただきたい」


 バルドの塩対応に、ルチアはぷいと横を向く。


「反省は夜にまとめてやりますわ」



---


 それより問題は――。

 市場の視線がまだチクチク刺さっていた。


「へそが見えてるぞ……」

「布が足りん!」


 ライは冷静に告げた。


「まずは服だ。そして滞在するための仮身分も必要になる」


「へそ隠したらキャラ死ぬって!」


 カレンは必死。

 すかさず侍女ミーナが手を振り上げる。


「最低限の布は必要です!」


 二人の声が市場に響き、庶民が「どっちだ!?」と混乱した。



---


 結局、服を整えるために仕立屋を訪ねることになった。

 向かった先は「オルテン仕立屋」。王都でも古株の老女オルテンばあさんが営む店だ。

 背筋の曲がった小柄なばあさんだが、腕前は一流で、口の悪さも一流だった。


「なんだい、その短い布は。ハンカチかい?」


「へそ出しはアイデンティティなんすよ!」


 カレンは即座に反論。

 オルテンばあさんは無言で、茶色い腹巻を差し出した。


「布は腹を守るもんだ。……ほら、これでも巻きな」


「ちょ、地味すぎ! でも……」


 カレンはその腹巻にラインストーンをペタペタ貼り付け、キラキラ仕様にした。


「……悪くないね」


 ばあさんはうなり、庶民も「おお?」とざわめいた。


 その後、ミーナが淑女の礼を教えるも――。


「こう、スカートを持って優雅に……」


 カレンはTikTokダンス風に腰をひねり、謎の角度で礼をしてしまう。


「こけなければ礼は自由でいい」


 ライの実務的な一言で、なんとか収まった。



---


 次は身分登録だ。

 訪れたのは商人組合の事務所。帳簿と羽ペンを持った書記が、仮滞在の手続きを進めてくれる。


「来訪の目的は?」


「兄様の恋の研究のためですわ!」


 ルチアが胸を張って爆弾発言。


「……研究?」


 受付の書記が目を白黒させる。


「文化交流だ」


 ライが即座に訂正した。

 組合の書記は「ひぃっ」と頷き、震える手で用紙を書き始める。


 こうして発行されたのが仮滞在証。

 王都に短期間だけ滞在できる紙札で、氏名「カレン」、保護者「ライオネル」、期限「七日間」と記されていた。


「やったー! これで異世界に正式入国だね!」


 カレンは滞在証にキラキラサインを入れようとする。

 書記が慌てて「や、やめてください!」と必死に止めた。



---


 外に出ると、市場の裏路地で怪しい影がちらついた。

 スリの手が財布に伸びかけた瞬間――。


「ピースっ!」


 カレンが約束通りに合図。

 ライは人の流れをさっと変え、スリを牽制する。


「今は泳がせる。後でまとめて捕まえる」


 低い声でつぶやくライ。

 懐中時計の針は静かに動いたままだった。



市場を抜けた先の広場に、それはそびえていた。

 石造りの塔に、青い水晶を何個もはめこんだ背の高い柱――魔導通信塔。

 王都全域に緊急連絡を飛ばすための魔道具で、兵士や市民の避難訓練にも使われる。


「え、ちょっと待って! あれ絶対Wi-Fiタワーでしょ!?」


 金髪ギャル・カレンの目がキラリと輝いた。

 スマホを取り出して画面を確認するが、やはり表示は「圏外」。


「ここなら電波入るんじゃね!? あーし、天才じゃん!」


 そう言うと、塔の基部に刻まれた光る紋章へ駆け寄り、ためらいなくぺたりと触れた。


「やめ――」


 ライが制止するより早く、塔全体がピカッと輝いた。

 次の瞬間、町中に**ピロピロピロピロ~~!**と非常ベルが鳴り響く。


「避難だーっ!」

「火事か!? 魔物か!?」


 広場の人々は大混乱。

 モフドラまで「きゅるるー!」とアラームに合わせて鳴きだし、余計にパニックが広がる。



---


「やっば! ミスった!」


 カレンはとっさに両手を上げ、ライに向かってピース。


「ライくんごめん! やらかした! 合図これでいいんだよね!?」


 ライはうなずき、すぐに塔の基部へ走った。

 長身の体で素早く紋章を調べ、隠されたレバーを探り当てる。


「解除だ」


 ガシャンと音を立ててレバーを下げると、非常ベルがピタリと止まった。

 広場に静けさが戻る。


 数人の衛兵が駆け込んでくる。


「緊急信号が出たと聞いたが、何が……」


「問題ない。訓練モードが誤作動しただけだ」


 ライは落ち着いた声で答え、さきほど発行されたばかりの仮滞在証を提示した。

 衛兵はライの顔を見て「ひぃっ」と背筋を伸ばし、あっという間に下がっていった。



---


「……誰が触ったんです?」


 最後に残った衛兵が問いかける。

 その場にいた全員の視線が、同じ方向を向いた。


「……あーしです。てへっ☆」


 カレンは広場の真ん中で正座し、舌をぺろりと出して謝った。

 庶民たちは「てへって何だ?」「Wi-Fiって魔物か?」とまたもや混乱。


 バルドが眉をひそめ、低くつぶやいた。


「妹様の召喚物は、騒動発生率が高すぎますな」


 ルチアは鼻で笑う。


「当然ですわ、目立つほど愛は育まれるのです!」



---


 騒ぎが落ち着いたあと、ライはカレンの肩に手を置いた。

 その顔は相変わらずこわいが、声は柔らかい。


「合図が早かった。……助かった」


 カレンは一瞬、ぽかんとライを見つめ――頬をほんのり赤く染める。


「ライくん、マジ神対応……。ガチ惚れしそう」


 その言葉に呼応するように、銀の懐中時計の針がチリッと跳ねる。

 ライのお腹がムズッと痛み、モフドラが「プシュー」と湯気を出してお腹を温めた。


「……僕は完璧だ。――恋以外はね」


 ライが小さくつぶやくと、カレンは笑って親指を立てる。


「へへっ、そのギャップがエモいんだよ!」



---


「兄様、次は何をなさいますの?」


「昼食だ。市場の焼き串なら、君の口にも合うはずだ」


 そして並んで歩き出す。

 和やかな空気の裏で、路地の奥――。

 盗賊一味が影に集まり、物騒な相談を始めていた。


 次なる騒動の火種は、すでに灯っている。



---


「若様」


 最後にバルドがひとこと。


「ギャルの“ピース合図”は便利ですが……乱発されれば、若様の胃の非常ベルは鳴りっぱなしでございますな」


 ライは無言で腹を押さえ、モフドラが「きゅるっ」と鳴いた。


いかがでしたか?今回もライの「完璧」さが光った……のか、胃が痛んだのか、微妙なところですが(笑)、カレンの合図=ピースサインは今後も波乱を呼びそうです。

そしてチラッと登場した盗賊一味、次回はさらに波乱の予感……!?


次話からは「異世界ギャル文化 VS 王都常識」の本格対決(?)が始まります。どうぞお楽しみに!

ブックマーク・感想・レビューで応援していただけると、ライの胃痛がほんの少し和らぎます



★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

楽しんでいただけましたか?

ぜひ☆評価で作者のやる気が上がります!

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

まとめサイトはこちら!

https://lit.link/yoyo_hpcom

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ