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完璧侯爵様、恋するとお腹が痛いんです —恋すると腹がキリキリする侯爵様の100連敗—  作者: ヨーヨー
第3章 召喚少女 島津カレン

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第21話 ギャル、陽キャ召喚で爆誕!

王都の市場は朝から大混乱!

完璧すぎる若様ライは今日も「顔が怖い」と言われながら安全管理に奮闘中。

……そこへ突然、空から降ってきたのは――まさかのギャル!?


今回から新キャラ登場でますます賑やかになります。

ぜひ最後まで読んで、面白かったらブクマで応援お願いします!

(ライの胃薬代にもなります)

王都の中央市場は、朝からすでに大にぎわいだった。


 荷車の列はごちゃごちゃ、露店は道にせり出し、怒鳴り声が飛び交っている。


「順番を守れ!」「押すな押すな!」


 そこへ長身の青年――ライオネル・フォン・グランツが姿を見せた。

 名門グランツ侯爵家の跡取りであり、あらゆる学問と剣技を極めた男。

 だが同時に、“顔が怖い”ことで有名でもある。


「……道を分けよう。入口はこちら、出口は反対側だ」


 ライは一瞬で状況を把握し、木箱とロープを使って通路を作った。

 それだけで人の流れは見事に整い、商人たちは感嘆の声をあげる。


「さすが侯爵家の若様!」

「おかげで助かったよ!」


 子どもが手を振るが、ライの鋭い目を見てピタッと固まった。


「ひっ……こわい顔……」


 隣に控える執事バルドが、ひげを揺らしてぼそりとつぶやく。


「若様。お顔は今日も絶好調でございますな。威圧感、満点です」


「……努力で直せるものなら、とっくにしている」


 ライは小さくため息をつき、銀の懐中時計をそっとのぞく。

 それは時間ではなく、彼の心拍を刻む不思議な魔具。

 針がわずかに揺れ――“恋腹”の予兆。

 ライは慌ててミント葉を口に含み、深呼吸した。


(僕は完璧だ。……恋以外は、ね)


 だがその頃、市場の裏路地では別の騒動が進んでいた。

 ライの妹ルチアが、黒い魔方陣を描いていたのだ。


「兄様のために、理想の恋人を呼びますわ! この“陽キャ召喚”で!」


 魔方陣がギラリと反応する。


「……あら? ちょっと強めに光ってますわね」


 嫌な予感を残しつつ、魔法陣はうなりを上げて膨れ上がった。



---


 次の瞬間、市場の真上の空間がバリッと裂ける。

 そこから派手な影が落ちてきた。


「ちょ、スマホ!圏外とか無理ゲー!え、空!? ぎゃーっ!」


 落ちてきたのは、金髪ロングにピンクと水色のメッシュを入れた少女。

 制服らしき服はお腹が丸見えで、スカートは短かすぎる。

 足元は厚底ローファー、爪にはキラキラの石が光っている。


「……っ!」


 ライはとっさに彼女を抱きとめた。所作は優雅そのもの。

 だが、胸元に押しつけられた香水の匂いで、恋腹が一気に反応する。

 懐中時計の針がググッと跳ね上がり、腹がキリキリ……。


「ぐぅ……!」


「おー、ナイスキャッチ! ありがと! ……え、イケメンじゃん! ガチかっこよくね?」


 少女は笑顔でピースサイン。

 市場の人々は口をあんぐり。


「なんだあれは……?」

「布が少なすぎる!」

「怖い顔の若様が、派手な美女をさらっただと!?」


 ざわつく群衆に、バルドが冷静にツッコむ。


「皆さま、誤解なきよう。若様は“さらった”のではなく、“受け止めた”のです」


 少女は自分の胸をトントン叩いて、元気いっぱいに自己紹介した。


「はーい! あーし、島津カレン! ここってさ、異世界? マジ卍~~!」


 市場がさらにどよめく。

 侍女のミーナが、ぽかんと目を丸くする。


「……新しい修道服ですか? お腹が見えてますけど」


「服装の自由は尊重する。ただ……寒くないのか」


 ライの真面目すぎる返答に、カレンはケラケラ笑った。


「てか君、顔こわいのに、めっちゃイケメンだわ! バチバチのモデル顔!」


「ぐっ……!」


 ライのお腹がまた悲鳴をあげ、モフドラがそっとお腹にぺたりとくっつく。

 ぷしゅーと湯気が上がる。


「“恋腹”、早すぎでございますな。ギャルは最強の劇薬です」


 バルドが眉をひそめ、ライは脂汗をにじませた。



---


 騒ぎはまだ続く。

 カレンは魔導具屋台の光水晶を見つけると、目を輝かせた。


「え、これ盛れるライトじゃん! 自撮りしよ!」


 勝手にくるくる回すと、スポットライトのような光線が市場を照らし出す。

 屋台は光だらけ、客はまぶしくて転ぶ始末。


「うわあっ! 目が、目がぁ!」


 ライは冷静に遮光布をつかみ、バサッと光水晶を覆った。

 騒動は収まったが、商人は怒鳴る。


「勝手にいじるな!」

「ごめん! でも映えたっしょ?」

「……映えは後ほどにしましょう。怪我がなくて何よりです」


 ライの落ち着いた声に、カレンの目がキラッと光った。

 まだ自分でも気づいていないが、その胸に“きゅん”が走る。



---


「……若様」


 騒ぎがひとまず収まり、バルドが腕を組む。


「ギャルとは……落下も発言も速度超過。まずは減速運転をおすすめしますぞ」


 ライはお腹を押さえながら、小さくうなずくのだった。


市場の騒ぎがおさまり、ライはようやく少女をベンチに座らせた。


「ふぅ……」


 少女――島津カレンは、さっきからずっとスマホをいじっている。

 しかし画面には「圏外」の文字。


「マジー!?。Wi-Fiないとか生きてけないんだけど!」


 近くの庶民たちは、彼女の姿を見てひそひそ話をしている。


「腹が見えてるぞ……」

「爪が光ってる……魔法の爪か?」


 そんな視線をまったく気にせず、カレンはにやにや笑っていた。

 彼女の隣では、手のひらサイズの小竜――モフドラがちょこんと乗っている。

 ライが恋愛の空気に触れて腹が痛むとき、モフドラは体を温める役目を果たす。

 今も「プシュー」と湯気を出しながら、ぽかぽかと周囲を温めていた。


「なにこのドラゴン! ミニサイズ! やば、超かわいい!」


 カレンはモフドラをつんつん突っつきながら大興奮だ。


「……ドラぴょんって名前でよくない? はい今日からドラぴょん!」


「きゅるっ」


 モフドラは嫌がる様子もなく鳴いた。名前を受け入れたのかもしれない。

 ライは頭を押さえて小さくため息をつく。



---


「それで君……」


 ライが口を開いたとき、カレンは真顔でじっとこちらを見た。


「ライくんだっけ、こわ顔なのにホント、マジでイケメンだわ」


 その一言で、ライの銀の懐中時計の針がピクリと動く。

 腹にズキリと痛み。モフドラが慌てて「プシュー」と湯気を増量した。


「若様!」


 侍女のミーナが後ろから両手を突き出す。


「今こそ告白です! いま言えば絶対勝てます!」

「ミーナ……!」


 ライは真面目にうなずき、カレンに向き直った。

「君に興味がある。もしよければ――」


「ぐぅっ!」


 痛みで言葉が止まる。

 カレンは吹き出し、両手をひらひら振った。


「ちょちょちょ! 転生初日に重すぎー! まずは友だちからでしょ、友だち!」


 市場の人々がざわめく。


「断られた?」「いや友だち昇格じゃね?」


 ライはわずかにうつむき、深く息を吐いた。


「……君の自由を尊重する。友だちから、か」

 誠実に一歩引くその姿に、カレンは思わず笑顔になる。



---


 そのとき、人混みをかき分けて現れたのは――妹のルチアだった。

 黒髪に大きなリボンをつけた、まだあどけなさの残る少女。

 だが、口から出る言葉は容赦ない。


「召喚、大成功ですわ!」


「……やはり、ルチアの仕業か」


 ライが額を押さえると、ルチアは胸を張って笑う。


「兄様に“陽キャ”をプレゼントしましたの! これで恋は一発で成就ですわ!」


「え、あーし、人間ガチャで引かれた系!? やば、爆笑なんだけど!」


 カレンは自分の境遇を聞かされても、なぜか大ウケしていた。


 ライは深くため息をつく。


「……人を巻き込むな。誠実さから最も遠い行為だ」


「でも兄上。顔では負けても、ノリなら勝てるでしょう?」


 ルチアの挑発に、ライは言葉を失う。

 そのとき、ライが身につけている腹当ての護符が一瞬だけ「チカッ」と光った。


 バルドが静かに肩をすくめる。


「若様。妹様の黒魔術と、ギャル殿のスマホ。どちらも……制御不能でございますな」


 ライは頭を抱え、モフドラは「きゅるっ」と呑気に鳴いた。



ギャル降臨で市場はパリピ化、そして妹ルチアの黒魔術でさらなる大波乱!

ライの恋腹はこれからどうなるのか……!


「笑った!」「ギャル強すぎ!」と思っていただけたら、ぜひブクマをぽちっと!

ブクマ一件でモフドラの湯気が1℃あったかくなる仕組みです(※作者調べ)。

次回もぜひお楽しみに!


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楽しんでいただけましたか?

ぜひ☆評価で作者のやる気が上がります!

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まとめサイトはこちら!

https://lit.link/yoyo_hpcom

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