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完璧侯爵様、恋するとお腹が痛いんです —恋すると腹がキリキリする侯爵様の100連敗—  作者: ヨーヨー
第2章 発明少女 アメリア

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第15話 発明少女、間合いの試練!?

王都騎士団の訓練場に持ち込まれたのは――アメリア特製のバネ仕掛け木人形!

最初のテスト相手はロイス。華麗に挑んだものの、まさかの“前髪ロスト事件”で観客は爆笑の渦へ。

続いてライが立ち上がり、真剣な剣技と冷静な頭脳で暴走を制御するが……恋腹は今日も“ムズッ”。

笑いと緊張と恋心が入り交じる、にぎやかな実験ショーの幕開けです。

王都の騎士団訓練場は、いつもは馬のいななきや剣の音でにぎやかな場所だ。

だが今日はちょっと様子が違った。広場の真ん中には、鉄の人形みたいな大きな木人形が立っている。

腰にはバネがついていて、目の部分には赤いランプ。まるで「動きますよー」と言わんばかりに光っていた。


「これが最新式、バネ仕掛け木人形だよ!」


そう胸を張って紹介したのは、発明大好き少女・アメリア。

工具箱をガシャンと置き、にやりと笑う。彼女は王立工房学院に通う発明家の卵だ。


その横で、黒いマントをひるがえして立っているのはライ。

長身で姿勢も完璧、剣を軽く振るだけで風が切れる。子どもたちは「すげぇ!」と歓声を上げたが、同時に「でも顔こえー!」とひそひそ声も聞こえてくる。


ライは気にせず剣を収め、木人形を見つめる。



---


「この人形のテスト相手は俺がやろう」


声を張り上げて前に出てきたのはロイスだった。

金髪を光らせ、剣をクルッと回してポーズを決める。観客の女の子たちから「きゃー!ロイス様!」と黄色い声が飛んだ。


アメリアがレバーを引くと、木人形がガシャンと動き出す。

最初は腕を振るだけだったが、次の瞬間、なんと二段ジャンプ!


「なっ!?」


ロイスの目が見開かれる。

木人形は飛び上がった勢いで両腕をブンブン振り回し、まるで巨大なハエ叩き。

ロイスは必死に剣で防御するが、髪の毛が「シュッ」と切り飛ばされ、前髪がなくなった。


観客席がドッと爆笑に包まれる。

「ロイス様の髪がー!」

「それ新しい流行ヘアーですか!?」


ロイスは顔を真っ赤にして、

「こ、これは計算通りだ!」

と強がるが、剣先は小刻みに震えていた。



---


「……バネの戻りが強すぎるんだな」


ライは木人形の動きをじっと見つめ、すぐに問題を見抜いた。

剣の先で地面に図を描きながら説明する。


「反応が一拍遅れて二段動作になる。だから無駄に飛ぶんだ」


「なるほど! 理屈は任せた、実験は私に!」

アメリアは目を輝かせ、工具を取り出して走り出す。


「理屈と実験コンビだ!」

と子どもが叫ぶと、周りの観客が笑いながらうなずいた。


ライは剣を構え、魔法で木人形の動きを抑える準備をする。

「僕が動きを止める。アメリア、心臓部を直してくれ」

「了解! ネジ一本から私の武器だからね!」


緊張とドタバタが入り混じる中、次の戦いが始まろうとしていた。


観客席の隅でバルドがひげをなでながらつぶやく。

「若、木人形相手に顔芸で負けるのは避けたいところでございますな」



訓練場の真ん中。さっきロイスの前髪を吹っ飛ばした木人形が、まだギコギコと動いていた。

観客席は

「もっとやれー!」

「前髪返せー!」

と大盛り上がり。


ライは一歩前に出た。背の高い影がすっと伸びる。

「僕が相手をしよう」


声は落ち着いていたが、その顔がまた怖い。

場が一瞬しんとしたと思ったら、子どもの声が飛ぶ。

「お兄ちゃん、顔こえー!」

「うわっ出た!

グランツ家の若様の“威圧スマイル”だ!」

観客席、爆笑。


ロイスは前髪なしで胸を張る。

「ま、まだ俺もやれる!」

……が、前髪なしのおでこでは、説得力がゼロだった。


その瞬間、木人形が二段ジャンプ。

観客席に飛びかかろうとする!


「そこだ」

ライが剣を抜き、横に払った。

空気を切る鋭い音。目に見えない衝撃が木人形を弾き飛ばし、地面にドンと叩きつけた。


観客は「うおおお!」と拍手。

「すげえ!」

「でも顔こえー!」

評価は二分されたままだった。



---


木人形の胸部パネルをアメリアがガバッと開ける。

中はネジや歯車がぐちゃぐちゃに転がり、まるでお菓子箱をひっくり返したみたい。


「ライ!このネジ押さえて!」

小さなスパナを持ったアメリアが叫ぶ。


「了解した」

ライの大きな手が伸びる――が、指が太すぎて、ネジは「ピューン!」と飛んでいった。


「うわっ!」

ロイスの額にコツンと直撃。観客大爆笑。

「ロイス、今のでまた髪減ったんじゃないか?」

「やめろ!」


そこへミーナが差し入れを持って走ってきた。

「ライ様!告白成功まんじゅう、できたてです!」

――ポトッ。


まんじゅうが工具箱に落ち、モチモチがネジ穴に詰まった。


「ちょっと!なにしてんの!」

アメリアが目をむく。


ライはまんじゅうを見つめ、ふっとつぶやいた。

「……甘い香りで、逆に癒される」


恋腹“ムズッ”!

懐中時計の針がグググッと上がる。


「若様、胃に効くのは消化薬でございます」

バルドの冷静な声が背後から飛ぶ。



---


ライは集中して魔法を使い、木人形の反応速度をゆっくりにした。

アメリアはすかさず歯車をカチリと合わせる。

「これで……どうだ!」


木人形はガシャリと立ち上がり、滑らかに一礼。

会場が拍手に包まれる。


「やった!大成功!」

アメリアが飛び跳ね、ライの方を見た。


ライは真剣な顔で言った。

「君の発明に……惚れ……」


観客「おおっ……」

一瞬の静寂。


次の瞬間、アメリアはにっこり笑った。

「私の発明に惚れたのね!実験成功!」


「発明かよー!」

観客の笑いが一斉に爆発する。


ライは腹を押さえながらも姿勢を崩さず立っていた。

その横でバルドがしみじみとつぶやく。


「若様、剣も恋も、間合いは命でございますな」


読んでくださりありがとうございます!

今回は「間合い」がテーマでした。木人形との距離、観客との距離、そしてアメリアとの距離――。

ライは勇敢に踏み込みながらも、肝心なところでは一歩遅れてしまう。観客の拍手と笑い声が交錯する中で、彼の恋腹はますますキリキリに。

バルドの「剣も恋も、間合いは命」という言葉が、まさにこの回を象徴しています。

さあ、ライの恋の行方はどうなるのでしょうか!?


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