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皆から疎まれる黒王女
「また黒王女のエレーザは塔に引きこもってるらしい
」
「エレーザは寝てばかりいてろくに仕事をしていない」
アレストラの町の人達は口々にそんな話をしていた。
ここは中世ヨーロッパの国アレストラ。黒王女エレーザと白王女サラが精霊をおさめ、精霊の力を使って職人、ギルドたちが、強い剣を作っている。
しかし、社交的な白王女サラの人気は高いが、黒王女の評判は良くなかった。
「この町を仕切るのは2人いらない。白王女一人でいいんじゃないか」
そんな空気があふれていた。
ギルドの長で、女性たちからも人気の高いヘインリッヒも、いつも笑顔の白王女にひかれていた。
黒王女はヘインリッヒと会っても話すことも、目を合わせることもできなかった。
しかし、本当はヘインリッヒに惹かれていたのだが。