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怪談短歌  作者: 牧田紗矢乃


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85/85

085、豆撒いて……

 豆撒いて 「これでよし!」と 笑う母

 なぜか父は 帰らなかった




 節分に合わせて書いた短歌ですね。

 豆まきのせいで家に帰れなくなった鬼の話、というテーマが好きで短編小説としても書いたことがあります。


 我々人間側の都合としては、鬼は「良くないモノ」であり「避けるべき存在」であるため、豆をまいて邪気を払うという行事が存在するわけです。

 一方、鬼からしてみれば人間に害を与えるのはほんの一握りであり、平凡に暮らしている鬼たちにとって豆まきは迷惑な行為でしかないんじゃないかなと思ったりするわけです。


 じゃあ無害な鬼たちはどこで暮らしているのかと言えば、我々の生活に紛れている。

 昔はあちらこちらにいたと言われる妖怪も、現代ではほとんど姿を現さなくなった。

 それもきっと、うまく我々の生活に紛れているからなんじゃないかなと思うのです。


 そうじゃないと、鬼も妖怪もみんな絶滅したってことになってしまって寂しいですからね。

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