第5話 水辺での休息 ①
~前回のあらすじ~
(水ドラゴン)
草ドラゴンよ御主が居た場所に
戻ったら暫くは身体を休めよう
ではないか。
何を想ってか水ドラゴンから
そんな言葉が出たのであった。
草ドラゴンも相当な傷を負って
かの闘いを乗り越えたのもある
からだろうか?
(草ドラゴン)
そうですね。
水辺に来れる方は
そうは居ないはずですので。
そう会話を紡いで歩いていたら
遂に帰って来られたのだ。
誰も居なかった水辺の周囲には枯草や落葉が
辺り一面を絨毯の様に敷かれてる。
草ドラゴンは戸惑う事も無く
誰に向けて言ったのだろうか?
ただいま!!っと空元気で一言
だけ言い座り込んだのだ。
それを水ドラゴンは何も言わずに見守りつつ
水辺の水源へ向かって行ったのであった。
草ドラゴンは座り込んだ後に
周囲が気になり掃除を始めたようだ。
(草ドラゴン)
やっぱり枯葉と落葉が気になり落ち着きませんね。
さて何処か1ヶ所へ集めましょう。
そう呟いてせっせと手慣れた動きで
集めている。
一方の水ドラゴンは水源の近くで
誰かへ問い掛けている。
(水ドラゴン)
どうして御主が此処に居るのだ?
どうやって此処を知り得たのだ?
と立て続けに質問をした。
その者とは、、、花ドラゴンであった。
(花ドラゴン)
私が居れば何かと役に立つのでは
ないかと思ったのです。
此処は私の仲間達が咲き誇ってて
その仲間達の香りと声のお陰です。
そう花ドラゴンが質問へ返答し
水ドラゴンは少しばかり考えて言葉にした。
(水ドラゴン)
確かに御主が居れば薬草にも困る事は
無さそうだな。
草ドラゴンには我から伝えておく。
そう言い残し水源の水を飲みだした。
草ドラゴンの方は自身が納得出来る
くらいに清掃を終わらせていた。
そして休む事もなく何かを作成中みたいだ。
(草ドラゴン)
掃除はこれで良いでしょう。
次は毒ドラゴンさんのお墓を
簡易的にでも作らなきゃ…だよね…。
草ドラゴンは周囲に落ちてた木材に
名前を刻み込み盛り土に突き刺した。
その手前には薬草が供えられていた。
(草ドラゴン)
毒ドラゴンさん簡易的でごめんなさい。
私は毒ドラゴンさんとの旅路が好きでした…
優しくて温かくて……。
どうか心配なさらずに安らかにお眠りください。
そう心で呟き心で泣いた。
そうしたのは水ドラゴンへの配慮でもあった。
時は夕暮れ食事をしなくては
ならない時刻であった。
草ドラゴンは薬草を使い
簡単な1品を作った。
(草ドラゴン)
水ドラゴンさ~ん !ご飯を食べますよーー!!
と聞こえるように大きな声で叫んだ。
(水ドラゴン)
そうか分かった。
と草ドラゴンには聞こえなかったみたいだが
一言のみ返し花ドラゴンと一緒に向かうのであった。
(水ドラゴン)
草ドラゴン待たせたな。
実はな…水源でコヤツと逢ってな。
と言いかけてる最中に草ドラゴンが
花ドラゴンさんじゃないですか!
どうしたんですか!?
っと言い出した。
(水ドラゴン)
話しは最後まで聞かぬか…
コヤツ…いや花ドラゴンが我等の為に
来てくれたようだ。
どうも薬草を育成してくれるらしいぞ。
(草ドラゴン)
それは本当ですか!?
助かります!
(花ドラゴン)
そう言って頂けて有り難いです。
あっ!食事の方は済ませなくて大丈夫ですか?
そう花ドラゴンが言い
皆して久しぶりに笑い
ながら食事を楽しんだ。
その頃とあるドラゴンが誰かを探し
色々な場所を巡っていた。
(?????)
それにしてもオカシイな…
此処にも居ないのか…
そのドラゴンは今日の所は此処で
休むとするかっと眠りについた。
翌朝そのドラゴンは思い当たる
最後の場所へ向かうのであった。
その頃…草ドラゴンの一行は
(草ドラゴン)
ふぁ~朝ですね~。
(花ドラゴン)
そうですね~。
水ドラゴンは熟睡してて
まだ起きてないみたいだ。
(花ドラゴン)
さてと草ドラゴンさん今日は何して過ごすのですか?
(草ドラゴン)
そうですね~まだ傷も癒えきってないので
此処でゆっくり過ごしましょう。
花ドラゴンと草ドラゴンは何気ない会話を楽しんでいた。
やっと水ドラゴンも起きたのか
御主らは朝が早いのだなっと言い
起き上がった。
草ドラゴンの一行は水辺で
会話を楽しみ時には風景を
眺め楽しんだりして過ごした。
時が夕暮れに成る頃だった。
水辺の周辺で妙な足音が聞こえて来たのは。
(水ドラゴン)
まさか誰かに気付かれたのか!?
おい!花ドラゴン御主は我に付いてこい!
と水源の方へ連れて行った
その矢先にそのドラゴンは現れたのだ。
(?????)
ふぅ…流石に疲れたぞ…はぁはぁ…
息を切らしつつも周囲を見渡していた。
そのドラゴンは草ドラゴンを
見付けると声を掛けた。
(?????)
草ドラゴンよ無事だったか。
良く生き抜いててくれたな。
草ドラゴンは驚いた。
まさかの出来事に。
(草ドラゴン)
え!?あ…あ…!!
そんな…本当に!?
その者は言った。
紛れもなく我だ安心すると良いと。
(草ドラゴン)
毒ドラゴンさ~~ん!!!!
と泣き叫びだした。
(毒ドラゴン)
済まなかったな…
合わせ技が我が身体へ当たりそうな
タイミングを狙って崖下へ落ちて
何とか逃げ出してたのだ。
(草ドラゴン)
良かった……良かったです……!!
騒々しく思った水ドラゴンは
花ドラゴンにそこに居ろとだけ言い残し
急いでその場へやってきた。
(水ドラゴン)
な!?そんなバカな!?
御主は生きとったのか!!
(毒ドラゴン)
まぁ運良くな。
傷ならもう平気だ。
この通り戻って来れたのだからな。
しかし…我もビックリしたぞ!
まさか水ドラゴンが居るとはな!
と毒ドラゴンが闘う姿勢に入ろうとした所に
(草ドラゴン)
毒ドラゴンさん待って下さい!!
っと草ドラゴンが止めに入ってきたのだ。
そして実はですね…とこれまでの成り行き
を全て話したのである。
(毒ドラゴン)
水ドラゴンよ済まなかったな。
我も凄い勘違いをしてたのだな。
これからは仲間同士だな。
(水ドラゴン)
我の方も悪かった御主の事を
もっと早く分かるべきであった。
許しておくれ。
互いに和解し仲間とし
行動をする事を伝えあった。
そんなやり取りを見ていた
草ドラゴンは本来の笑顔を
取り戻し安堵していた。
第6話へ続く