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第19話《俺とおまえと5人の姉と妹》


「オニチャーン朝ダヨー」


「……仁、なにやってんだ?」


朝、目覚めの時。そこには何故か仁がいた。


「違ウヨー、私はマッキーの義妹のシルビアダヨー」


「黙れッ!偽妹がッ!」


今日の目覚めは最悪だった。


「なんで仁が俺の部屋にいるんだよ?」


布団から這い出して、上体を起こす。ぐるりと部屋を見回したがやっぱりここは見慣れた俺の部屋だ。不信物として幼なじみで道路を挟んで向こう側の一軒家に住んでいる仁がいるだけで、他にはなにも代わり映えはしていない。


「なあ、マッキー」


「なんだよ」


「俺には姉が5人いるだろ」


「茜さん、庵さん、歌さん、絵美さん、織姫さんだな」


「でもさ妹は一人もいないだろ」


「いないな。おまえ末っ子だもんな。で?それがなんなんだよ?」


「そうなると必然的に「おにーちゃーん!朝だよ!おーきーてー!」に憧れるだろ。男として」


「まあ、否定できないものはあるな」


憧れないといえば嘘になる。一人っ子の俺としては姉とか妹ないし兄とか弟を欲しいなぁと思うこと度々。実際、仁のお姉ちゃんに憧れてた。昔の話しだけど。


「それが仁が俺の部屋にいるのとなんの関係があるんだ?」


「さっしてよ!」


「なにをだよッ!」


「そんなんだからマッキーはダメなんだ!」


「あー、そうですねー。俺はダメな奴ですよー」


わけのわからん仁には適当な返事をした。いつまでも相手なんかしてられない。ぶっちゃけ面倒臭い。


枕元にある目覚まし時計を見る。6時30分だった。


昨日は確か水曜日。となると今日は木曜日、つまりは平日、普通に学校。寝起きのぼやけた頭を働かせた。


しかし、6時30分か。まだ早いな。ゆっくりだらだらと仕度しても余裕な時間だった。


まあ、たまには早く登校するのも悪くはないか。


ふと見ると仁がいなくなっていた。別段、問題があるわけでもないのでそんな事態にはスルーを決め込み、俺はだらだらと着替えて居間に降りることにした。


「おはよー」


居間へと続く襖を開けながら、その先で朝ごはんの用意をしているであろう父に朝の挨拶をなげかけた。


「遅いぜマッキー」


「おお、起きたか海斗」


仁がすでにテーブルで待機していて父はせっせとテーブルに朝ごはんを並べていた。


いまさら、ツッコミはいれない。仁が家に朝ごはんをたかりにくるのはほぼ毎日だったりする。


「父さん用意手伝う?」


「箸並べといてくれ」


「あいよ」


ささっと箸を並べた。俺と父と母と……。


「あ、マッキー、俺には箸じゃなくてスプーンで」


「はいはい、わかってるよ」


仁の前にはスプーンを並べた。


そうこうしてる間に食事の支度が整った。もう、あとはいただきますをするまでに至っている。


「あれ、母さんは?」


「二日酔いで、起こしたら殺すそうだ」


物騒な話しだった。俺の問い掛けに父は淡々と答えてくれた。


まったく。いつもながら、あの母には困ったものだった。


「よし!いただきます!」


美味しそうな朝ごはんを前にして仁はもう待ちきれなかったようで、フライング気味にいただきますを叫ぶや否や並べられた朝ごはんをかっ喰らい始めた。遠慮もなにも今更だった。いや、べつにいいんだけどさ。


いただきますと俺と父も仁に続くような形で朝食を食べはじめた。いや、べつにいいんだけどさ。なんとなく釈然としないものがあるのはなんなんだろうか。


「それにしても、今日は随分とごはんの用意が早くなかった?」


ふと疑問に思ったことを口にした。


今日、俺はいつもより早く起きた(正確には仁に起こされたわけだが)にも関わらず、まるで俺が早く起きるのを予期していたかのようなタイミングで朝食が用意されていた。


「まあ、なんとなくだな」


父が答える。そう言ってしまえばそこまでだった。


朝食を終えて、とくにすることもなく、仕方がないので、少し早いが学校に行くことにした。


「マッキー、俺は大変イカンに思う」


道すがら仁は言った。


イカン?ああ、遺憾のことか。


「俺達はなにゆえ、こんな遅刻とは無縁の時間帯に登校してるゆえ?」


「なんか微妙に言い回しがおかしいのはスルーしつつ……それがどうしたんだよ?いいじゃないか。遅刻ギリギリでひいひい言いながら登校するよりは」


「だからマッキー、貴様は油性マジックなのだッ!!なにもわかってないなバカタレッ!!」


怒られた。つーか、油性マジックじゃねーし、バカタレはおまえのほうだし。


「俺は主人公として!朝は遅刻ギリギリ!猛烈ダッシュで曲がり角で転校生の美少女どゴッチンしなければならないのだ!」


「あえてスルーで」


「そこでだな!登校してきた転校生がだな「貴方は朝の!?一目惚れしました!私と結婚してください」ってな具合でな!」


「ここもスルーで」


「そこでひそかに俺に好意を抱いていた暁ちゃんの登場だ!「ちょおおおっとまったあああ!私の仁をどこの馬の骨とも知れないやからには渡せないわ!転校生!私と勝負よ!」みたいな展開になってな!」


「くっ!ダメだ!抑えるんだ!ここでツッコミを入れたら仁の思う壷だ!」


「で、暁ちゃんと転校生は激闘の末に和解。友情が芽生えましたとさ」


「HAPPY ENDじゃねーかッ!!」


ばっくらおまけ

キャラ紹介

茜……バツ3、2人の子供がいる

庵……3つ年下の男とできちゃった婚

歌……風俗嬢

絵美……太ってる

織姫……黒崎くんが好き

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