#3 自己紹介してみた!
「イタッ! オイオマエヤサシクアツカエヤ! |(痛っ! おいお前優しく扱えや!)」
「はぁ? おいお前いま喋っただろ。てか口悪すぎだろ! 拷問にでもかけてやろうかぁ〜?」
「ワーヤメテータスケテー、トモキガー」
「おいそこのドローン!物凄い棒読みで助けを呼ぶな!てかなんで俺の名前知ってんだ?!あと変な誤解を生むからやめろ!」
智紀とドローンが喧嘩をしているとドアが開く音が聞こえた。あっ…と思いながら横に視線をそらすと着替え終わったシルミがいた。無地のTシャツとジーンズを履いていた。まあここでスカートとかワンピースを期待されても女装趣味なんてないし男の一人暮らしなので女物の服があるわけがない。問題はそこじゃない。
この人間と飛行物体のシュールな喧嘩の風景を見られたところだ。
「君、誰と話してるの? もしかしてこの子?」
そう言って彼女は、ドローンの方を指さした。
「オイソコノオジョウチャン、ヒトニユビヲサスナヨ☆ |(おいそこのお嬢ちゃん、人に指を指すなよ☆)」
「いーやお前人じゃねーだろ! てか急にチャラくなってんじゃねー!」
とコントみたいな事をしていると彼女は、ドローンに近づいて行ってこう訪ねた。
「あなたお名前は?」
まるで年下に話しかけるように言うとドローンは、
「ワガハイハドローンデアル。ナマエハマダナイ☆ |(吾輩はドローンである。名前はまだない☆)」
「おい!その俺とかにしかわからないネタを使うな! てかチャラいままなのかよ…」
「ドローン? じゃああなたの名前はドロンね!」
シルミが物凄い笑顔で言うと智紀が、忍者かよ! とツッコんだ。すると彼女は首を傾げて
「ニンジャ? 何それ?」
と言った。
「いーや知らなくていいいよー知らなくて」
「えー余計気になるじゃーん。教えてよー。あっそういえば君の名前聞いてなかったね」
「そういえばそうだな。じゃあー、ゴホン、俺の名前は引田智紀。智紀って呼んでくれ。君は…シルミでいいんだよな」
「うん、私はシルミ·シュルーナ、よろしくね智紀」
という感動のシーンに思えてきたところにドロンが
「ウー、カーサン、トモキニカノジョガデキテウレシイワ…モウトモキモソンナトシナノネ… |(うー、母さん智紀に彼女が出来て嬉しいわ… もう智紀もそんな年なのね…)」
と言うとシルミが顔を真っ赤にして
「か、、彼女?! そ、、そんなんじゃないわよ//」
「おいドロン! 俺の母さんの振りをするな! てか俺の母さんはそんな口調じゃねー! てかシルミもどーした?!」
「いーやなんでもないわ…」
ふたりしてはぁーと大きなため息をつくと
「それじゃお互いのことも分かったし外にでも出ようか!」
とシルミが言った。そうだなとだけ言って智紀たちは玄関から外にでた。これから始まる生活に胸を躍るらせる智紀だった。