#1 召喚してみた?!
夏休み最終日、引田智紀がカーテンを開けるとそこは住宅街…ではなく
ーー広大な自然が広がるファンタジーの世界だった。
|(はい? 何ここ? 大体俺の部屋は2階だったはず… どうなってんだ?)
彼は、ポケットにあるスマホを取り出した。電源をつけようとしてもつかなかった。買ったのは1週間前なのでそんなすぐに壊れるはずがない。それに寝る前には充電は100%だったはず。何度か電源をつけようと試みたがつかなかった。げんなりとしていると勝手にスマホの電源がつく。唐突についたのに驚いていると、メールの着信が一件あった。そこにはこう書いてあった。
《どーもー、いきなりでなんかいろいろ戸惑ってると思うけどちゃんと読んでよね。私があなたをここに召喚したの。ホントは君だけを召喚するつもりだったけど間違えて家ごと出しちゃった。まあサービスだと思って。詳しい話は直接するからとりあえず玄関から出てきてね。 byシルミ》
|(え、、何? 会ったこともないのに軽々しすぎないか?! てかシルミって誰?)
しかし、何も分からないままなのは困るのでとりあえず玄関に行くことにした。
|(うーわ、これほんとに部屋まるごとやったのかよ…)
そう思いながら靴を履き外にでた。するとそこには女の子がいた。服装は中世ヨーロッパの貴族っぽいような感じだったがボロボロで銀髪の美少女だった。胸はないが。
「あっ、きたきた。メッセージ見てくれたなら察しがつくと思うけど私がシルミ。よろしくね」
「よ、よろしく… あのーここはどこなんですか?」
「あー、ここはスルヴェニカ王国のリーナ草原。それで…」
「えっ何? するべぇにか? てかリーナはどう考えても人の名前だろ」
「人の話を遮らない! そこは後で教えるから。それで君には魔王を倒してほしいの」
|(なんか異世界ものの定番の流れだなー)
「てかさっきから気になってたんだけどその飛行物体は何?」
はい?と言いながら後ろを向くと
ーードローンが飛んでいた。