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6話 第一次ハーレム男襲来

 


 異世界物でよく見るだろう。驚きと感動を呼ぶウォシュレット機能。日本誕生なのか外国からの文化なのか知らんがトイレにはウォシュレットが欠かせない人もいるだろう。

 確かにあれは素晴らしい物だと思う。特に腹を下した時やケツ穴がヒリヒリする時に重宝するだろう。

 だがしかし、俺はウォシュレットは使わない派だ。


 勘違いのないようにもう一度言うが、俺はウォシュレット使わない派だ。


 何故かって?ふっ、そんな事もわからないのか?

 ウォシュレットは清潔感や快感があると思うだろ?俺も最初はそう思っていた……


 我が母曰く、ケツ痛いなら使えと。あれは12の頃、今まで使うことのなかったウォシュレットを稼働した。しかし実際使ってみたらどうだ?

 奇妙な音を立て、棒のような物が急所の下へと伸びるではないか!ゾワッでした記憶がある。

 そして子びれ付いたようなくすんだ色。嫌悪感がパネェ。


 だがそれは偏見にすぎなかった。プシャーっといった音と共に優しく湧き水のように上昇する水に打たれた時、それまでのことを忘れ、温かく、とても気持ち良く。どこか包容感に包まれた俺は目を細めため息をついた。これは革命だと思った。


 しばしの時を楽しむと、ウィーンと消えていく。あぁ、これで終わりか……

 そう思いケツを拭こうとした時、ある事に気がついたのだ。激しく面倒くさがり屋な俺は先までの高揚が嘘のように氷点下まで下がった。


 ケツが、ケツ全体が……びしょ濡れだったんだ。。


 oh...…ガッテム。なんてこったい。

 俺はひん曲がった表情で、一生懸命にケツを拭いた。しかし、跳ねた水の範囲は凄まじく、水に溶けるトイレットペーパーは分離して子びれ付き、なかなか綺麗に拭き取れない。


 ウォシュレットを使わなかったらこんな苦労はしなかった。ウォシュレットを使わなかったらパンツが濡れることはなかった。


 俺は心に決めたんだ……


 もう二度と、ウォシュレット使わねぇ。

 ※賛否両論があります



『お疲れ様です。久々に仕事しましたね』


「なんだその言い方は。普段から何もしてないような」


『何もしてませんよね?』


 アオダマが突っかかってくるが気にしない。俺は今は忙しいのだ。そう、あの筋肉らがダンジョンに来てか俺は気付かされた事があった。盲点だった。

 プライバシーを配慮しなければ()のない筋肉()だらけのダンジョンになってしまう。

 ダンジョンの主として、早急にトイレが必要だったのだ。


「俺は今、女性に優しいダンジョンを作ってる」


『そういえば貴方はトイレ行きませんね』


「あーめんどくさいから行かなくていいようにしてるの」


『なんですかその出鱈目(デタラメ)な能力は』


 そう、俺はトイレにトラウマを抱いている。何故かよくわからんが、前世でウォシュレット以外にも色々やらかしたんだろう。

 それにトイレのために布団から出るのって邪道じゃね?あのフィットした温もりからたかがトイレのために抜け出すとかありえないし。

 だからトイレの要らない身体になれって念じてから一回もトイレ行ってない。

 美味いもの沢山食べるけどどこに行ってるのだろうか……ま、いっか。


「よし、これでトイレの設置は終わったぞ?」


 そう、ダンジョン内のあちこちにトイレを付属させた。このトイレは防音耐震の優れものである。

 覗こうとする輩は許さん。このダンジョンではマナーを守ってもらう。ただしひとり5分だ。

 よくいるだろ?朝忙しいのにめっちゃトイレ混んでて、並ぶけど全然出てこなくて。

 やっとと思ったらスマホ片手にして出てくる奴。マジで害悪だよな。

 マジで許さねぇかんな。橋〇かんな。



『さて、今後はどうされますか?』


「んー、誰かが来るまでニートすっか」


 《侵入生歓迎会》に続くこのダンジョン一つ目の難所、《ペケの巣大行進》の準備も済んだしトイレの設置も終わった。その次の《囚われのピーテ姫》もほぼ完成している。


 やる事といってもなぁ、今度こそ冒険ってのもいいけど、また絡まれたくないからなぁ。


 そんなこんなでニートなう。





 ───



 筋肉達を歓迎してから2週間程経った。やっと来たよ。まあ、動画鑑賞やゲームで忙しかったんだけど、こういうリアル実況的なモニタリングっていいよね。


 ん?なんだ……


 なっ!あいつらは!!まさか!!?!?


『彼らがどうしましたか?』


 俺は怒りに燃えた。


「ここは合コンじゃねぇよっ!!!」


『………………』


 そう、奴らは男1人、女3人で来やがったのだ。しかも先頭の金ピカ男!両手で繋いでやがる!!

 あれ?これは合コンではない?むしろハーレム?女の敵?いや俺の敵。


「許さねぇ」


(ひが)み』


「シャラップ青 玉子!」


 くそ、俺のダンジョンはいつからこんな甘々になってしまったんだ……

 リア充は撲滅とは言わないがハーレムは許すまじ。羨まけしからんではないか。


 周囲を警戒してるのか、慎重に進んでいる。まるで女子達を庇うように。

 ダメだ、全ての動作がカッコつけてるように見えてうぜぇ。


 進むにつれ、ひとりの女子が魔法を使った。光魔法かな?まあ消してやったけど。


 《侵入生歓迎会》まで来た。暗闇の中、重音の拍手が鳴り響く、足元が砂利になり、一気に点灯する。

 女子達は悲鳴をあげ、奴にしがみついた。何故に怖がるそしてなんともけしからん。


 奴らは逃げようとしたので入口を塞いでやった。まったく、歓迎会なのになんで逃げようとするの。

 ん?奴が金ピカな剣を掲げ、なんか言ってる。


「な、なんなんだお前らは!闘うのか!?ここはいったいなんなんだ!?」


 なんか凄いガクガクしてるなぁ。それでも必死に女子達の前に出てる。くそ、男じゃねえか。


「……ねぇアオダマ、あいつらなんで怖がってるの?」


『え?そりゃあの石像が多すぎなんですよ』


 えぇ、怖いの?まぁ歓迎するために?気持ち多めに?配置したけどもさ?

 うーん、まあ、歓迎と警戒はしたからいいでしょ。次の部屋に行ってもらおう。部屋じゃないけど。


 ガガガと壁が動き、奥へと進む道へ繋げた。進むしかないという選択肢のみってのはさすがに申し訳ないので入口も開けてやった。

 どうやら奥へと進むらしい。


 先までの通路とは一転、明るい通路を通り、ちょっとした広場まで移動した。そこは休憩兼トイレがある場所だ。中央に看板があり、そこにトイレの存在とこの先の難所の概要が記載してある。

『この先、迷路なり。この場所、休憩場なり。トイレ、利用すべし』


 女子のひとりがトイレを我慢していたらしく、とても警戒しながら入っていった。

 まあ、さすがにトイレに何か仕組むほどクズではない。

 しかし、プライバシーのため防音耐震にしたせいか、トイレに入ってからその子の安否が取れなくなり、他の仲間がめちゃめちゃ心配している。


 まじか、こんな欠点が。


 焦った男がトイレを叩きわろうと剣を抜いた時、スッキリした表情で出てきた。場は呆気に取られてる。


 ふっ、これでトイレは安全と知っただろう。

 ダンジョン内でも漏らすことはないな!


 奴らは少し休憩してからか、また進み出した。


 そう、《ペケの巣大行進》へと!



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