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イベントスキット2 破調の美

唐突な連投チャレンジ

「破調の美、ねぇ…?」


唐突にジャックはそんな事を口にした。


「破調の美?何だそれ」


破調の美、それ自体の意味はわかるが何故今そんな事を口にしたのか、その意図を推し量り損ねて尋ねる。

そもそも南北アメリカ原産カボチャの癖に日本の感性を語るなど生意気だと思わないこともない。


「純正培養の日本人の癖にボキャブラリーが貧相だねぇ」


「違うって、今回は意味は分かるけど今何でそれを言ったかが分からなかったパターンだ」


ハァ、とこれ見よがしに盛大な溜め息をつくジャックは心底呆れたと言った風に口元をどういう原理かへの字に曲げた。


「何でもかんでも理由を求めるなんて面倒な性格してるねぇ…女の子に嫌われるよ?」


「探究心と敢えて口にする勇気は男子の特権だろう?」


皮肉気に口にする陰険カボチャにカウンターを仕掛けるようにキザに言い放つ。勿論サムズアップとキメ顔は忘れない。

ファンサービスは旺盛に、がモットーなのだから出せるならば前面に押し出したい所存。

まあ、※女の子に限る と付かない事もないが。


「いや、キミの恋愛観がすっごく不快だからさぁ…。『魔王』…『オルクィンジェ』並みに一途ならまだしも不特定多数の女の子とのお付き合いをバッチコイでwellcomeなクズ野郎だと何か萎えるなぁって」


およよと泣き真似を付ける豪華特典な下衆カボチャ。


と言うか『魔王』の名前をサラッと言った気がしたのだが気のせいだろうか。

実際、好きな女の子に裏切られてるとようだしこんな会話を聞いた日にはブチキレて街の一つや二つ壊しそうなものだが。


と言うか、よくよく考えれば俺の恋愛観はそれこそ破調の美ではないか。

一途という形式美の調和を打ち破る同時恋愛。不規則、不連続を体現する愛の形。

…自分で考えても清々しい位に屑い奴ではないか。


しかし、恋愛観の否定は絶対に許したくはない。


だから。


「そのまま萎びて枯れれば良いのに…」


「ついでに僕に対して辛辣過ぎて泣きたくなるなぁ!?」


悪態を吐いた口調は何処か唾棄するようですらあった。


「大体な、俺には幼馴染がいるからな?」


それが普遍の真理だったりする。

俺には…『杉原清人』には女の子の幼馴染がいるのだ。いや、いたか。


「え?」


空白。

後に絶叫。


「えぇぇぇぇッ!!?」


「不倫だ!浮気だ!うわぁ…この下衆!悪魔!鬼畜!女たらし!!不潔!不貞の輩!!穢らわしい!生ゴミ!!お巡りさぁん!コイツです!!コイツ最低な男でぇす!!!」


「途中からただの罵倒じゃねぇかッ!!」


「いやぁ、だって…。ヘカテに殺されたとは言え日本に幼馴染を残したまんま異世界で不特定多数とのお付き合いとか不潔過ぎるよねッ!?」


「いや、いないから!日本に幼馴染いないから!」


「何だ…嘘なら嘘って先に言って欲しいねぇ…」


どうやら二次元の嫁と勘違いしたらしい。

甚だ不本意だが追及が無いのが幸いだった。


「釈然としねえ…」

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