夢
――私はきっと、夢を見ていた。
暖かな照明が私の体を照らす。身に纏っているのはしっかりとデザインされた可愛らしいフリルをあしらったワンピース。いつも身に纏っている黒くなった襤褸切れのようなみすぼらしい服じゃない。
目の前には料理が並べられていた。作りたてを証明するのは立ち上る湯気。鼻孔を擽る匂いは何日も食料を口にしていない体に食事というものを思い出させるに十分だった。
体はすごくきれいだった。泥やゴミなんか微塵もついていない。どぶの様な醜悪な臭いも無く、清潔感溢れる印象を見る者に与えているということはその存在自体である私には容易く理解できた。
でもそんなことは夢に過ぎない。覚めてしまえばもう二度と見ることのない幻である。
けれどももう少し。あともう少しだけ。夢を見させてほしい。暖かな暖炉の傍で溶けるように眠れればそれで。もう二度と覚めなくたっていい。
あんな地獄なんて生ぬるい程の世界に戻るくらいならばこのまま息絶えた方が遥かにマシだ。
そうやって自分をだましたまま死ぬのだ。私は。ここまで人間らしい扱いも受けさせてもらえなかったのだ。死に際くらい人間扱いされたって罰は当たらないだろう?
「…キミは俺が守るから」
凍った心を溶かすような、そんな暖かくて優しい声音が私を包んだような気がしたけれど、良く、思い出せない。
どうも。お久しぶりか初めまして。いあるというものです。
久々にここで小説を投稿することにしてみました。
正直いつ終わるか分かったものではないですが、気が向いたときに更新していこうかな、といった具合です。お時間よろしければぜひ。




