第八話「衝撃的な発言」
目を覚ました俺の目の前には思考を巡らせているポーズをしているビレイルの姿があった。
隣には笑顔のお姫様キュアリスの姿もある。
とりあえず思考を巡らせているビレイルから声をかけてみるか。
「どうしたんですか? ビレイルさん」
「あっ、リギル。起きたのか」
「はい。それよりも何か考え事ですか?」
「いや、キュアリス姫にだな」
ビレイルは説明する。
預言書と呼ばれるハイテンベルグ城の家宝である本にビレイルのことが書かれているというのだ。
ビレイルと共にラタージャという国のカルジス区に向かえとのこと。
「まあ、預言書とは俄かには信じがたいが、興味はある。ということで私は”君についていこう”」
何だ? どこかで聞いたような言葉だ。
「どうした? ボケーっとして」
「いや、何でもないですよ」
「魔王のことといい、この本に書かれていることは気になる」
ちょっと待てよ。
「でもいいんですか? 貴方見た感じ豪華な役職とか持ってそうだし、勝手に旅なんて出ちゃって」
「私は気まぐれな性格でね。一言添えて行けば誰も気にせんよ」
「はあ」
「でわキュアリス姫、リギル殿、よろしく頼む」
ビレイルの凛々しい瞳が眩しい。
ってか俺、両手に花じゃね?
左手に清楚な美しさを誇るキュアリス、右手に凛々しくこちらも違った清楚さを醸し出すビレイル。
うーむ、ウハウハだな。
「ビレイル。よろしくお願いしますね! 貴方のような男の人が一緒だと頼もしいわ」
え? 今なんて?
「キュアリスさん。男というのは?」
「あれ? 知りませんか? ビレイルはこう見えて男なんですよ」
今日一番の衝撃。