表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/25

第十六話「守れなかった過去」



「オーホッホッホ! 私の氷球を斬り捌くとは貴方なかなかやるわね」

 目の前に一人の女性が現れた。

 その女性は扇を口元に当て、オーホッホッホと笑い声をあげる。


「リギル。姫を頼む」

「はい!」


 俺はキュアリスを連れて逃げた。



――ビレイル視点。


「その剣捌き、その動き。貴方はあの蝶蜂の戦士、ビレイル・ビリアートかしら?」

「有名になるのも考えものだな!」

「だけど、いくら貴方でも私の前では氷漬けにならざる負えなくってよ! オッホッホッホ」

「それより、貴様は精霊族氷術使いミーチェか?」

「あら、知られてましたのね。貴方の言う通り、有名になるのも考えものね。オーホッホッホ!」


 私はミーチェに向かい突進する。


「何故、精霊族がこんな惨いことをするんだ!? 精霊族は人族の味方ではなかったのか!?」

「事情が変わったのよ」


 彼女ミーチェは氷球を私に向けて放つ。私はそれを斬り捌き、ミーチェに最接近する。


「これで終わりだ!」


 私は思いっきり、右手に握った剣をミーチェに振るう。しかし、カキンという音と共に私の剣が折れる。


「な!?」

「いくら貴方でも私の堅い堅い氷壁を削るのは不可能ですわ。オーホッホッホ」


 私は一旦引いて体制を立て直した。


――。


「キュアリスはここに隠れていてください」

「リギル、貴方は?」

「俺はビレイルの援護に向かいます」

「そう、気を付けてくださいね」

「では、行ってまいります」


 僕はその場を後にした。



――ビレイル視点。


「クッ、これでもダメか!」


 私は魔銃を放って、敵の氷壁を削ろうとしたが、それでも敵の氷壁が削れる様子がない。


「どうやら詰みのようですわね。ビレイル・ビリアート」

「クッ!」

「逃げたければ尻尾を巻いて逃げていいのですわよ? ビレイル・ビリアート。オーホッホッホ!」

「生憎、私に逃げるという手段はないのでな」

「それは残念ですわね」「ビレイル!」「リギルか!」「あらま」


 リギルが現われた。


「リギル! 危険だ! 戻れ」

「俺だって戦士の端くれです。戦うことくらいできます」

「そうか。では頼む!」

「はい!」


 リギルが標的へと突進する。

 ん? リギルの足が止まる。


「リギル! 危ない!」

 私は咄嗟に声をかける。リギルに敵の氷球が直撃する。

 リギルはそのまま、倒れ込んだ。


――。


 俺は標的であろう精霊族の女性へと突進した。

 ん?

「リギル! お前が……お前がもっとちゃんとしていれば姫様は!」


 何だ? また何かが。

「ごめん。ごめんよクレス」

「クソがああああああ!!!」


 何だこの光景は……。


「リギル! 危ない!」

 え?

 俺は意識を失った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ