入学式
この話は作者の妄想と願望で書かれております。
作中に登場するアイドルは実在のアイドルの方々をモデルとしております。
芸能情報に明るい方ならすぐにわかると思います。
モデルのアイドルのファンの方々には不快な思いを与えてしまうかもしれません。
ごめんなさい。
前もって謝罪を述べると共に、どうか広い心でご容赦ください。
『では、以上で平成□□年度 桜高校 入学式を閉会いたします。』
キーンコーンカーンコーン
キーンコーンカーンコーン
俺は藤原歳三。たった今、記念すべき高校の入学式を終えたピカピカの一年生だ。
「オーイ、トシ。待ってくれよ。」
「なんだよヒロキ。なんか用か?」
新入生の波をかき分けて、校門を出る俺を追いかけてきたのは中学からの親友の近堂広樹。
底抜けに明るく、少し天然の良いやつだ。
「うわっ、冷たいやつだな。テンション低っ。」
「お前がテンション高すぎ。大体、入学式なんか何か意味あんのか?」
「そりゃもちろん……あるのか?」
「ある奴にはあるんだろうが俺にはない。」
なんだか哲学的な事を言ってしまったが、本心だ。
体育館に押し込められて、高校三年間で数える程しか話さないであろう禿げたジジイの話を聞いても頭痛がするだけだ。
「詩音も来なかったしな。」
「仕事が忙しいんだろう……最近は芝居の仕事もしてるみたいだからな。」
詩音とは、玉乃詩音という俺達の幼なじみの女の子だ。
小さい頃から俺達三人は家族ぐるみの付き合いがあったが、中2の修学旅行で東京観光してるときに詩音がスカウトされて状況は変わった。
詩音は、今はアイドルグループ『にじいろチョコレート』の一員として頑張っている。
先週は西武ドーム数万人規模のライブをしていた。
今や詩音はトップアイドルなのだ。
一応同じ高校に入学したはずだが、学業よりも仕事優先のようで、タブレットや、パソコンを駆使した通信教育や、詩音のスケジュールに合わせて夜間に授業をするなど学校側も最大限の理解と協力をするらしい。
つまりは一般人の俺達とはもう住む世界が違うのさ。
「まぁ自慢の友人ってところだな。」
「友人ねぇ……」
ヒロキが目で何か訴えてくるが無視する。
「詩音の話はもういいよ。それよりも俺にはやることがあるからな。」
無理矢理話題を変えた俺はヘルメットを被る仕草をして、コントローラーを握る振りをする。
「そうそう!《ファンタジーアース》だろ⁉俺も楽しみだわ。」
ファンタジーアースは最新のVR技術とAIを搭載した新作ゲーム。
という情報以外、一切何の情報も公開されていないが、ネットやテレビ、各種メディアで話題沸騰のゲームだ。
ゲームに関して何の情報もないのに何故そんなに話題なのかというと、ゲーム業界は勿論の事、今までゲーム業界とは深い関係の無い業界までもが技術提供、スポンサー契約しているようだ。
さらに非公式で、日本政府や、米軍までもが協力している。とネットではもっぱらの噂である。
「とにかく急いで帰ってプレイするから。明日情報交換しようぜ。」
「わかった。じゃあまた明日な。」
「おぅ。」
そして、俺達はその足でコンビニに寄り、それぞれに食料等の準備を整え、家路についた。
◇◆◇◆
家に帰り、早速専用のヘッドギアを被り、これまた専用の手袋を装着。コントローラーを握りしめて……
電源オン。
さてさて、どんなゲームですかね……
修正しました。。