俺は何の為にここにいる?
9歳のある日のことだった。
俺は見てしまったのだ。
口を真紅に染めた男の顔を…
その日後から、村の住民を一人も見なくなった…
あれから10年たった。
俺は大都で魔学の研究をしている。
治癒魔法や攻撃魔法…
色々なものがあるが魔法と言うものは、この世界の数パーセントの人間が生まれた時に覚えているものであって、その力の出どころはまだ誰も知らない。
時々思い出す10年前の記憶…
あれはなんだったんだろう…?
カーン カーン
鐘の音が鳴った。
何の合図だろう…?
沢山の人たちが家へと逃げ込む。
数人は鉄砲などを持ち家の前で来るものを撃退しようとする…
嗚呼…あの鐘の合図はこの都に危機が迫っていることを知らせる鐘の音なのか…
(これから何が始まるんだ?)
空の遠くの方から獣が襲いかかってくる…
(何だろう…この感覚は…前感じたのと同じ感じがする…)
向こうの方から歩いてくる銀髪の男…。
十年前と同じだ…。
そう、こうやって始まって…。
フフ…フハハハハ
「思い出した…。思い出したぞ!」
俺は笑った。
あいつが俺の村を滅ぼしたんだ。
あいつが…あいつが!!
数人の武器を持った人が襲い掛かる。
何やってるんだ。
勝てるわけも無いのに。
やがてこと王都も血の海に成るだろう。
俺はあいつに向かって走り出した。
何がしたいのか聞くために。
そして俺は死んだ。
なんで死んだのかはわからない。