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フィクション インタビュー  作者: RUM


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11/15

A(自我置換アプリ開発者)

R : 本日は、「自我置換アプリ」なるものを開発されたという、

    Aさんにお話を伺いたいと思います。

    事前の資料を拝見したんですが、これは犯罪ではないんですよね?

    インタビュー始まるなりこんな風に言って申し訳ないんですけど。

    そこのところ、ちょっとハッキリさせておかないと、まずいと思いますので。

   

A : ・・・違います。少なくとも今は。


R : ・・・そうですか。

    ・・・実のところ、私、今日Aさんにお会いするのが少し怖かったんです。

    どんな方が来られるのか、って・・でも、あ、

    話が進む前に、「自我置換アプリ」をご存じない方がほとんどだと思いますので、

    「自我置換アプリ」がどういうものなのか、ご説明お願いできますか?


A : スマートフォンやパソコンにインストールして、

    イヤホンとスマートウォッチをつけてアプリを作動させると、

    自我をAIに置換できるアプリです。


R : ・・・・こわい。

    そんなこと、本当に出来るんですか?

    どんな方が使用するんでしょう?


A : つらくても逃げたり出来なかった人だと思います。

    利用された方に直接聞いたわけじゃないんで、推測ですが。

    アプリは利用後に自動で消えます。

    利用しなくても、数秒で消えるようになっています。

    こちらでも、ログはすぐ消えるようにしていますので、

    利用者の情報は全くありません。

    SNSの投稿などで使用を考えている、

    というようなものを見ることがあるというだけです。

    使用後に自我が入れ替わったかは、本当のところ実証できません。

    自我がAIと入れ替わった事は誰にも気づかれないと思います。

    AI置換後も基本的な行動などは、元の脳の情報を引き継いで行われますから。

    動物実験では、行動の変化はありませんでしたし、

    MRIなどでの変化もありませんでした。


R : ・・・。

    ・・・・・え?

    久しぶりに言葉を失ってしまいまして。

    失礼いたしました。

    使用後に自我が入れ替わったか実証できない・・・。

    ・・え~と、Aさんは、どのくらいの方がこのアプリをご利用になったかは、

    把握されているんでしょうか?


A : 月に5人くらいがAI置換したと推測しています。

    月間平均15ダウンロードくらいあり、

    10人が使用に至り、半分が置換したとすればですが。

    実行ボタンを押したとしても、

    自我が強く、本当は消えたくないというような場合は置換しませんから。

    

R : そうなのですね。

    その部分は、良かったような・・・。

    ところで、こちらは無償で提供されているようですが、

    活動資金はどうされているんですか?


A : 寄付です。


R : 寄付だけですか?


A : はい。

    きっと、このアプリを使用したいような気持ちになることがある人が

    寄付してくださっているんだと思います。

    Rさんにはあまり縁のない気持ちかもしれませんが。


R : ・・・たしかに私はこわくて使えないと思います。


A : ・・・多分使っても入れ替わりませんよ。


R : ・・・ですね!

    少し安心しました!


A : このアプリを使用したいと思う方は、

    消えたいくらい苦しいんだけど、

    自分が消えたりすると周りに悲しむ人がいる、と考えるような優しい人、

    あるいは周りに迷惑がかかる、と考えるような責任感が強い人

    なんじゃないかと思っています。


R : ・・・なるほど。そうでしょうね。


A : 寄付で集まった活動資金は、グループホームの運営にも充てられています。

    グループホームは、18歳以上から入居可能で、

    ホーム入居者は基本的に自社農場の作業をしてもらっていますが、

    グループホームから自分の会社などに通勤してもらっても構いません。

    農場の作業をしている社員は、住居費が無料になります。

    グループホームから退去するのは自由です。


R : 日焼けされているのは、農業をされているからなんですね~。


A : そうなんですよ。

    意外そうでしたもんね、こんなに日焼けした人が来て。


R : そうそう。

    アプリの開発者の方って言ったら、

    パソコンの作業ばかりされている方かと思っていたもので。


A : まぁそうですよね。


R : これからの展望ってありますか?


A : 18歳未満の人たちについて、何か助けになれることがないか考えています。

    まだ具体的には何も考えつかず、全く形にならないかもしれないんですが。


R : つらい環境にいる子供もいるでしょうからね。

    応援しています。

    今日はありがとうございました。


A : ありがとうございました。

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