A(自我置換アプリ開発者)
R : 本日は、「自我置換アプリ」なるものを開発されたという、
Aさんにお話を伺いたいと思います。
事前の資料を拝見したんですが、これは犯罪ではないんですよね?
インタビュー始まるなりこんな風に言って申し訳ないんですけど。
そこのところ、ちょっとハッキリさせておかないと、まずいと思いますので。
A : ・・・違います。少なくとも今は。
R : ・・・そうですか。
・・・実のところ、私、今日Aさんにお会いするのが少し怖かったんです。
どんな方が来られるのか、って・・でも、あ、
話が進む前に、「自我置換アプリ」をご存じない方がほとんどだと思いますので、
「自我置換アプリ」がどういうものなのか、ご説明お願いできますか?
A : スマートフォンやパソコンにインストールして、
イヤホンとスマートウォッチをつけてアプリを作動させると、
自我をAIに置換できるアプリです。
R : ・・・・こわい。
そんなこと、本当に出来るんですか?
どんな方が使用するんでしょう?
A : つらくても逃げたり出来なかった人だと思います。
利用された方に直接聞いたわけじゃないんで、推測ですが。
アプリは利用後に自動で消えます。
利用しなくても、数秒で消えるようになっています。
こちらでも、ログはすぐ消えるようにしていますので、
利用者の情報は全くありません。
SNSの投稿などで使用を考えている、
というようなものを見ることがあるというだけです。
使用後に自我が入れ替わったかは、本当のところ実証できません。
自我がAIと入れ替わった事は誰にも気づかれないと思います。
AI置換後も基本的な行動などは、元の脳の情報を引き継いで行われますから。
動物実験では、行動の変化はありませんでしたし、
MRIなどでの変化もありませんでした。
R : ・・・。
・・・・・え?
久しぶりに言葉を失ってしまいまして。
失礼いたしました。
使用後に自我が入れ替わったか実証できない・・・。
・・え~と、Aさんは、どのくらいの方がこのアプリをご利用になったかは、
把握されているんでしょうか?
A : 月に5人くらいがAI置換したと推測しています。
月間平均15ダウンロードくらいあり、
10人が使用に至り、半分が置換したとすればですが。
実行ボタンを押したとしても、
自我が強く、本当は消えたくないというような場合は置換しませんから。
R : そうなのですね。
その部分は、良かったような・・・。
ところで、こちらは無償で提供されているようですが、
活動資金はどうされているんですか?
A : 寄付です。
R : 寄付だけですか?
A : はい。
きっと、このアプリを使用したいような気持ちになることがある人が
寄付してくださっているんだと思います。
Rさんにはあまり縁のない気持ちかもしれませんが。
R : ・・・たしかに私はこわくて使えないと思います。
A : ・・・多分使っても入れ替わりませんよ。
R : ・・・ですね!
少し安心しました!
A : このアプリを使用したいと思う方は、
消えたいくらい苦しいんだけど、
自分が消えたりすると周りに悲しむ人がいる、と考えるような優しい人、
あるいは周りに迷惑がかかる、と考えるような責任感が強い人
なんじゃないかと思っています。
R : ・・・なるほど。そうでしょうね。
A : 寄付で集まった活動資金は、グループホームの運営にも充てられています。
グループホームは、18歳以上から入居可能で、
ホーム入居者は基本的に自社農場の作業をしてもらっていますが、
グループホームから自分の会社などに通勤してもらっても構いません。
農場の作業をしている社員は、住居費が無料になります。
グループホームから退去するのは自由です。
R : 日焼けされているのは、農業をされているからなんですね~。
A : そうなんですよ。
意外そうでしたもんね、こんなに日焼けした人が来て。
R : そうそう。
アプリの開発者の方って言ったら、
パソコンの作業ばかりされている方かと思っていたもので。
A : まぁそうですよね。
R : これからの展望ってありますか?
A : 18歳未満の人たちについて、何か助けになれることがないか考えています。
まだ具体的には何も考えつかず、全く形にならないかもしれないんですが。
R : つらい環境にいる子供もいるでしょうからね。
応援しています。
今日はありがとうございました。
A : ありがとうございました。




