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神々の気まぐれ 34「ハラハラドキドキの女神様」
朽ち果てた残骸が残る城跡の地下で魔王が産まれた。
幼き姿に似合わない莫大な魔力を内に秘めて、誰に望まれる事も無く、立ち上がった。
「我はこの地で何をすれば良いのだ?」
・・・ただ、体の奥深くより、
【人族を滅ぼせ】
【世界を支配しろ】・・・と
何かが絶えず我に命令をして止まない。
「・・・あぁ!鬱陶しい。」
「我に命令するな。我は我の考えで生きていく。
人族?見てもいない連中を毛嫌い事も無かろう。
世界の支配しろ・・・興味もないわ」
背に隠されていた翼を広げて、廃墟から大空へと飛び立った魔王?
これから、どの様に心境が変化するのかは、誰も判らないだろう。
幼き心は、これから出会う大人達の対応で大きく変わっていくだろう。
その先は、神のみが知り得・・・女神様!ハラハラドキドキで魔王の行く末を観ていないで下さいよ。




