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神々の気まぐれ 32「テレビの故障」
昨晩から神界テレビの調子が悪く、朝に壊れてしまった。
「あ~ぁ!・・・日課の勇者が見れない。」
とぼやく女神様に天使が追い討ちを掛ける。
「女神様。各地で、突然のテレビの故障が多発しており、修理の目処が立たないそうですよ。あと、買い替えも在庫が無く、直ぐには無理だと連絡が来ております。
これを機に御仕事に励んで下さい!」
天使の報告に萎れる女神様。
仕事が手に付かず、窓辺でカップを片手にお茶を飲み、
「あ~ぁ、暇だわね。あの勇者君は、どうしているかしら?・・・あ~ぁ」
下界では、魔王軍とこの世界の勇者が血みどろの戦いを繰り広げている。
天使がポッリと呟いた。
「貴女の世界も、しっかり見てくださいよ。」と
風が虚しく、呟きを持ち去りがら・・・。




