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日本の常識?
男が召喚された。
地球である星の日本の国土に生まれ、平凡なサラリーマンの家庭で育ち生きてきた。
異世界召喚される時に、女神様より【せめての罪滅ぼし】と言われて、たぐいまれな能力値と多くのスキルを与えられて、勇者として魔王と戦い、そして勝利した。
王都での大歓声による凱旋と王宮の華やかな綬爵式。そして、王女との結婚と息つく暇の無い程の喜びの連鎖に、男の意識は付いて行けない程だ。
日本での【ウサギ小屋】と喩やされた家とは、比較出来ない屋敷を贈られての幸せな結婚生活と夢見ていたが、イザ嫁いで来たのは1人の王女と、付き添いのメイドから始まり、執事・コック・女官・・・・と数多くの人々が、おまけの様に付いてくる。
男は呆れながら呟いた。
「俺は、幾人の人々と結婚したのだ。幾人を養えば良いのだ。」と
余りにも日本の常識から欠け離れた日常に、ただ唖然とするのみ・・・俺の方が非常識なのかなァ?